時々、とてつもなく狂いたくなることがある。社会の矛盾や政治の腐敗に怒ると、必ず自分の精神構造が破壊され、どこかでその怒りを鎮めるための自浄作用が欲しくなる。
そんな時にも、やっぱり私は映画に逃避するのだ。
今回、そのカタルシスになる作品が『珍遊記』だった。伝説のギャグ漫画とのことで、『珍遊記』を全巻そろえている息子に、「絶対に見るべし!」と強く勧められたので、試写を見た。
驚いた!あぜーん!だった。
主人公の山田太郎は、オナラで何人もの人をも吹っ飛ばすというシーンに、私は「ウヒャウヒャ」と大笑いしていた。
だから、何なのさ?なのだが、社会の矛盾や政治の腐敗に抵抗するには、こういった作品しかないだろう。
そして、山田太郎を演じるのは松山ケンイチ以外いないと確信した。『デトロイト・メタル・シティ』のヨハネ・クラウザー二世役を見れば、一目瞭然であった。
理屈や正論が無視される日本国家に抗うには、もはや『珍遊記』以外ないだろう。
2月27日から公開
【監督】山口雄大
【出演】松山ケンイチ 倉科カナ 溝端淳平 笹野高史 ピエール瀧