マリリンの映画日記

エッセイスト瀧澤陽子の映画ブログです!新作映画からオールドムービーまで幅広く綴っております。

『31年目の夫婦げんか』

2013年07月01日 | 映画

同世代の私にとっては、痛い話だ。

31年間も夫婦やっていれば、喧嘩は日常茶飯事。お互いを男や女なんて意識する日なんて皆無である。

綾小路きみまろさんの語録の中にこんなフレーズがある

「家に帰れば、有効期限の切れた亭主と、賞味期限の切れた女房がにらみ合う。」

まさにその通り。天才的な名言だ。

さてさて、そうは言っても、死ぬまで連れ添うのが夫婦。

いかに賞味期限キレとは言っても夫婦は夫婦。

メリル・ストリープ演じる妻はこのマンネリを脱却しようと、とんでもない夫婦セラピーを受けることを決意する。

頑固で亭主関白の夫役がトミー・リー・ジョーンズ。

とんでもない妻の計画に、しぶしぶついていくのだ。

キーワードは「倦怠期を迎えた夫婦のセックス」である。

若いころ、あれほどときめいた夫婦のセックスも、今じゃ、皆無。別々の寝室で本を読みながら寝入る毎日。

熟年夫婦にとって、失われた時間を取り戻す最大の効果薬はズバリ「セックス」

高齢化社会にむけて避けては通れない夫婦の真実を実にうまく描いている。この斬新で新鮮なタッチの作品の夫婦を演じるのが、メリル・ストリープとトミー・リー・ジョーンズ。

この二大演技派の文句なしのキャスティングに唸りっぱなし。

セラピストの指導の下で挑む未完のセックスシーンはあまりにも滑稽で、大爆笑してしまう。

しかし!!その笑いがいつしか同病相哀れむの憐憫の情に変わっていくのだから、お見事!

7月26日から公開

【監督】デヴィット・フランケル

【出演】メリル・ストリープ  トミー・リー・ジョーンズ