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1406 本間美術館 市中山居の茶

やって来ました山形は酒田。
めちゃくちゃ雨が降ってます。ひぇ~~~

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本間美術館
こちらは庄内の豪商で「本間様には及びもないが、せめてなりたや殿様に」と謡われた本間家伝来の茶道具等を収蔵・展示している美術館です。

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市中山居の茶 -感じる、おもてなしの文化-
期間:5月29日(木)~7月1日(火)

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古瀬戸平茶碗
黄草色の釉がかかる浅い茶碗。大ぶりで口が開き自然のゆがみが見られる。
細川三斎所持。
安南染付龍虎文水指
ベトナム製筒状の壺に薄く緑釉がかかる。胴には安南染付の特徴とされる竜虎と雲が描かれ、張付耳はトカゲとネズミの形をしていて異国の情緒を醸し出している。
割高台茶碗
楕円形に歪んだ形で青白色の釉がかかる堅手風の茶碗。高台は四方を切り取られた割高台となっている。
庄内藩初代・酒井忠勝が所持し酒井家に伝来、後に本間家に与えられた。
黒楽茶碗  銘 さび介 長次郎作
やや小ぶりで口を内に抱えた動きの少ない半筒形の茶碗。
赤楽馬盥茶碗 楽道入作
大ぶりで浅めの平茶碗。馬盥は馬を洗う為の大型の盥の事。
共筒茶杓 銘 浮雲 小堀遠州作
櫂先長く樋の深い茶杓。米沢藩上杉家より本間家に与えられた。
共筒茶杓 澤庵宗彭作
白竹、一文字の露で中節部分には枝を切り捨てた刀痕がある。
筒には「寛永元」とあり、その下は虫食いの為読めない。また杜甫の詩が二行書かれている。
消息 千利休筆 
古田織部宛。伊達政宗が初上洛をした天正19年(1591)2月の手紙で、政宗を迎えに京・白河に出向く事、夜には帰ってくる事が記されている。
この前年(1590)小田原攻めに遅参した政宗は豊臣秀吉の怒りを買い、暫くの間面会も許されなかったが利休の取り成しにより面会を許されている。今回の初上洛も奥州での葛西大崎一揆を扇動したと見られた事への申し開きの為で、利休の行動も単なる出迎えでは無かったであろう。
書状 常成老宛 本阿弥光悦筆
布袋自画賛 近衛信尹筆
円頓止観語 松花堂昭乗筆

寛永の三筆の書もありました。
その他では利休の茶杓(節上にひび割れ有)・尻張釜 銘初音 辻与次郎作・竹一重花入 銘片雲 千宗旦作など充実した展示内容でした。

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清遠閣・鶴舞園
清遠閣は文化十年(1813)に建てられた本間家の別荘。その庭園である鶴舞園は池泉廻遊式で名称は庄内藩10代酒井忠器の命名による。
こちらでは「日本と中国の陶磁器」展があり、庄内藩初代・酒井忠勝が大判330枚で入手した唐物丸壺茶入や建盞天目に後陽成天皇 の一行書などが拝見できました。
お庭は残念ながら大雨でゆっくり拝見出来なくて残念でした。

本間美術館から徒歩15分

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本間家旧本邸
こちらでも「茶の湯の美」と題して、小堀遠州作 竹一重切花入 銘浮玉・金森宗和作 竹茶杓 銘猿候・尾形乾山作 竹茶杓 銘歯姿や安政の頃に庄内藩9代・酒井忠発をもてなすのに用いた瀬戸雪柳茶入と虹天目茶碗などの展示がありました。

3ヶ所に分かれていましたが、かなりの量の茶道具を拝見しました。庄内藩酒井家や米沢藩上杉家からの拝領品もあるようですが、これだけの道具を収集するのは流石に殿様以上と謡われただけはあります。東北では最も注目すべき茶道具系美術館ではないでしょうか。
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