湯木美術館
春季展「激動期の茶の湯—少庵・織部・三斎の茶道具—」
期間:1月6日(月)〜3月23日(日)
前・後期拝見しました。
赤楽茶碗 銘 再来 長次郎作
赤楽ではあるが全体的に白くカセている。口造りは高低がみられ、胴は継ぎが多い。
千宗旦所持。
黒楽茶碗 しば栗 常慶作
長次郎よりやや小さい茶碗で薄作。釉がよく溶けて光沢のある肌、胴は独自の丸みを持つ。
緑釉割山椒向付 道入作
胴は大胆に三方の切込みが入り、山椒の実が弾けたような意匠となっている。これは細川三斎のデザインとも言われている。
つやのある緑釉と胎土の黄色が造形と相まって非常に斬新な出来となっている。
竹茶杓 銘 笘 細川三斎作
胡麻竹で節上には白い縞が流れる。節低く、櫂先は十分に撓めている。
銘の「笘」とは竹の鞭のこと。筒には「木工殿」とあり、これは石田三成の兄・石田木工頭正澄のこと。
細川忠興と三成の仲は当然悪かったが正澄とはどうだったのだろうか。
竹茶杓 本阿弥光悦作
漆拭きで艶やかな茶杓だが、節下と節上の僅かなところまで胡麻が生じているのが対照的。
櫂先はゆったりと曲げられ、露は蓮弁形。
筒には「本阿 光悦」と書かれている。栓は桐製でこれは豊臣秀吉や伊達政宗の筒等ごく僅かしかなく珍しいそう。
唐銅獅子耳花入
下蕪形で明時代の花入。耳は一角獣の形で、胴には渦文・唐草文が廻らされている。
織田有楽所持。
志野茶碗 銘 広沢
白い膚にほんのり火色が表れている。半筒形の茶碗にわずかなゆがみがあるが全体的にゆったりとした印象。
輪違いや三日月の文様から京都嵯峨野の広沢の池が連想されるところからの命銘。
野々宮釜 西村道仁作
野宮神社を示す黒木の鳥居や小柴垣を鋳出された釜で、「天下一」と称された西村道仁の作。
古田織部の所持で細川三斎に譲られた。後に大徳寺高桐院に伝来した。
竹一重切花入 千少庵作
利休より少庵に贈られた園城寺の花入に倣って作られた。背面に「浦九ヘエ様へ」と墨書きされていて、贈り花入である事が分かる。この「浦九」は「有楽」をもじったモノなら織田有楽に贈られた事になる。
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