京都文化博物館
四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎
期間:4月14日(金)~5月14日(日)-前期-
千道安書状
十月廿二日付、織田有楽斎宛。内容は有楽から届いた書状の礼を述べ、来月十一月二日の茶会には千少庵と申し合わせて共に参上すると記されている。
利休の実子である道安と利休の後妻の連れ子であった少庵の仲は良くないと思われがちだが、この手紙からは有楽を通じて両者に交流があった事がうかがえる。更に考えを進めれば有楽が両者を取り成す役目をしていたのかもしれない。
武野宗瓦書状
臘月(12月)廿五日付、某氏宛。内容は具体的な事は不明ながら、何らかの順番を決めるのに有楽に相談しており本書状では次は古田織部に決まった事を某氏に知らせている。
有楽・織部・宗瓦の交流を知る事が出来る内容となっている。
有楽斎手造茶碗
艶のある赤茶碗でところどころ黒く窯変している。全体大きく傾いており、また胴部に有楽の花押が陰刻されている。
有楽の手造りと伝わっており、有楽の茶会記には「手焼茶入」「手焼黒茶碗」など自作した道具を使っていた事が記されている。また江岑宗左の『茶書』には利休七種のひとつ臨済は有楽が焼いたとの記述も見られる事から、有楽は茶人による自作茶碗の先駆者的な存在と考えられます。
その他には利休作の象牙茶杓(豊臣秀次より有楽拝領)。有楽作茶杓(「落葉」「玉ふりふり」)。有楽が敬慕する武野紹鴎作の無節の茶杓。ノンコウの黒楽茶碗。 有楽井戸など有楽所持の道具の数々を拝見しました。