湯木美術館
茶の湯の絵画と絵のある茶道具 後期
期間:10月26日(水)~12月11日(日)
慈円絵賛 松花堂昭乗筆
童子と従者を従えた袈裟姿の高僧を描いた作品。
三人は左向きで、その視線の先には「誰そ此めをし のこひて立る人 ひとの世わたる道のほとりに」の和歌が認められており、この句を詠んだ慈円が描かれた僧である事を示している。
慈円は平安時代末期から鎌倉時代初期の天台宗の僧で関白・藤原忠通の子。歌人としても知られ「小倉百人一首」にも選ばれている。鎌倉殿の13人にも登場していました。
自画賛 土岐二三筆
茶碗と茶筅そして二三自身の後ろ姿をさらりと描いた作品。
賛は「我が庵は都のひかし 侘て住む 世に うつけ茶と人はいふなり」とあり、平安時代の僧・喜撰法師の「わが庵は都の辰巳しかぞすむ世を宇治山と人はいふなり」を本歌とする。
筆者の土岐(土肥とも)二三は江戸時代の茶人で近衛家煕、鷹司輔信らと交流があり近衛家熙からは茶杓など道具の扱いは二三に尋ねよと言われるほどであった。
達磨絵賛 小堀遠州筆
遠州が本紙右下に衣をまとった達磨像と左上に2行の賛を書き付けた画賛。
達磨絵は眼光鋭く、鼻やへの字にむすんだ口、長い耳など緊張感を感じる。
遠州の三男・権十郎から大徳寺孤篷庵住職に宛てた手紙には、遠州が江月宗玩の達磨絵を写した事が書かれている。
また中箱に「秋田候章」の印がある事から、秋田藩佐竹家伝来である事が分かる。
茶人の絵に焦点をあて紹介しましたが、他には尾形光琳の「鷺図」、俵屋宗達の「牛図」、酒井抱一の「宇都山図」といった琳派の作品もありました。
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