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欧州高級ブランド株が総崩れ 仏LVMH、中国不調鮮明

2024-10-17 08:24:32 | 高級ブランド(LVMH、エルメス、グッチ、他)、ファッション


中国需要の鈍化が鮮明だ(英ロンドンのルイヴィトン店舗)

 

【パリ=北松円香、フランクフルト=林英樹】16日の株式市場で欧州高級ブランドの株価が総崩れとなった。仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが発表した2024年7〜9月期売上高が約4年ぶりの減収となり、先行き懸念が広がった。高級ブランドの業績をけん引してきた中国の需要鈍化が一層、鮮明になっている。

LVMHが15日発表した24年7〜9月期の売上高は前年同期と比べ4%減の190億ユーロ(約3兆1000億円)だった。市場は増収を予想していたが、蓋を開けてみると20年10〜12月期以来の減収となった。

24年1〜9月期の売上高は、前年同期比2%減の607億ユーロ。為替変動などの影響を除いたベースでは上期(1〜6月期)は前年同期比でプラスを維持していたが、7〜9月期はこれもマイナスとなった。ここに来て、失速が顕著だ。

商品別では、中核事業である「ファッション・レザーグッズ」部門の売り上げが7〜9月期は6%減に沈んだ。「時計・宝飾品」や「ワイン・スピリッツ」の売り上げもマイナスだ。

中国訪日客の購入にも陰り

地域別にみると、中国の需要減速の影響が大きいことがわかる。7〜9月期は、為替変動などを除くベースで日本を除くアジア市場の売上高が前年同期比16%減った。1〜3月期(6%減)、4〜6月期(14%減)から減り幅が拡大した。アジア市場の中心が中国だ。

さらに、LVMHによると7〜9月期の減収は「日本での成長鈍化」の影響が大きいという。日本ではこれまで訪日中国人観光客による旅行中の購入のおかげで、大きく販売が伸びていた。

 


好調な日本も成長スピードが鈍化した(写真はルイヴィトンのスーツケース製作の様子)
=ロイター

 

7〜9月期の日本での売り上げは、為替変動などを除くベースで前年同期比20%増だった。2ケタ成長は維持しているものの、1〜3月期(32%増)、4〜6月期(57%増)と比べると物足りない。

 

 

 

著名ブランド、一斉に株安に

高級ブランドを巡る高額消費については、欧米市場の成長鈍化もかねて指摘されてきた。LVMHの低調な売上高は業績の節目となりかねないと受け止められ、16日は欧高級ブランド株が一斉に売られた。

 

 

 

 

LVMH自体が一時、前日比7%安まで売られたほか、「グッチ」を擁する仏ケリングや「カルティエ」などを抱えるスイスのリシュモンなどラグジュアリー銘柄全般に売りが広がった。

ファッション関連だけではない。高級車の代名詞であるイタリアのフェラーリも終値ベースで下げた。高額消費の先行き懸念の強さを示す相場となった。

 

 

 

しぼむ中国需要取り込み期待


中国の景況悪化を巡っては、多くの企業ですでに実際の販売に影響が出ている。

例えば、高級車ブランドは中国市場で苦戦を強いられている。独フォルクスワーゲン(VW)グループのポルシェは1〜9月の中国販売台数が前年同期と比べ29%減の4万3千台となった。

 

フェラーリも1〜6月の中国の販売台数が19%減っている。中国事業の売上高も23%減った。

中国での需要縮小を主因に、英アストンマーティンは9月末、24年の世界販売目標を従来の7000台から6000台に下方修正した。

 

中国政府による市場規制リスクなどを懸念し中国株への投資をためらう投資家にとって、高級ブランド銘柄は欧米株でありながら、中国の経済成長を取り込める投資対象だった。

23年にLVMHの時価総額が欧州企業として初めて5000億ドルを超えたのも、中国需要への期待があったからだ。

 

LVMH株は足元、23年末に比べ2割弱低い水準となっている。

高級ブランド企業で中国事業の業績が悪化するほど、多くの投資家が投資ポートフォリオの見直しを迫られることになる。

 

 

 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

 

 

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
 
ひとこと解説

ブランド品を支えたのは中国人の富裕層だった。

しかし、不動産不況の長期化と若年層失業率の上昇によりブランド品を買うなど贅沢な消費はできなくなった。

そのうえ、共産党幹部は収賄した金でご家族以外の女性にブランド品をプレゼントしていたが、反腐敗が厳しくなったため、収賄関連の消費も細くなった。

こうしたなか、インドの成長に対する期待が高まっているが、中国に代わるほどではなくインドの力はまだまだ弱い。

ブランド品は贅沢な消費でお金に余裕があるとき、それを買うが、今は余裕がなくなった。

 (更新)
 
 
 
 
 
 
日経記事2024.10.17より引用
 
 
 

 

 


「コカ・コーラ」男女同一デザイン工場制服 現場の声反映

2024-07-04 15:16:46 | 高級ブランド(LVMH、エルメス、グッチ、他)、ファッション

男女同一のデザインに変更した通常ユニホーム(左)とマタニティー用ユニホーム(右)

 

コカ・コーラボトラーズジャパン(コカBJI)は、工場で働く社員のユニホームを刷新した。

男女同一のデザインにし、新たにマタニティー用も導入した。工場に勤務する社員による検討プロジェクトで現場の声を集め、働きやすいデザインに仕上げた。

 

社員の多様性を尊重し、ズボン、シャツともに男女同一のデザインとした。ズボンは性別ではなく身長ごとにサイズを選択できるようシルエットを工夫し、複数サイズを用意した。

シャツは肌着が透けない色やデザインに変更した。

 

妊娠期間中の社員の多くが産休に入るまで仕事の継続を希望しているため、新たにマタニティー用のユニホームを導入した。

シャツとブルゾンは丈を長めに設定し、ベルトなしで着用可能にした。ズボンにも伸縮性に優れた素材を取り入れた。

 

工場では立ち作業の多い製造ラインもあり、加熱や冷却をする製造エリアでは室温が異なる。

現場の声を反映し、軽く動きやすい素材を採用したほか、暑さ・寒さ対策としてライトブルゾンなども導入した。

 

コカBJIの17工場に勤務する社員が新ユニホームの検討プロジェクトに参加し、約2年かけてデザインを刷新した。

ユニホームへの要望収集やデザイン投票などは工場に勤務する全従業員を対象に実施したという。

 
 
 
2024.07.04より引用
 
 
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(関連記事)
 
・コーラの会社は残業多いけど社員が辞めないホワイト企業すぎた… #コーラ #コカコーラ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/81ceee0663a06939fb206484545e12d4
 
 

ヴィトンも頼る伝統工芸 迫る消滅の危機、職人が4割減

2024-05-05 14:53:03 | 高級ブランド(LVMH、エルメス、グッチ、他)、ファッション

 

「ルイ・ヴィトン」など世界の高級ブランドが、製品開発のパートナーとして頼る日本の伝統工芸。職人などの担い手が2050年代に現在から4割減り、地域によって消滅する可能性もある。

世界に日本の魅力を発信する伝統工芸を残すためには、海外市場の開拓や女性職人らの後継者育成が急務だ。

 

 

生産額は80年代から8割減


 

京都で1200年以上続く西陣織。1688年創業の細尾(京都市)12代目、細尾真孝社長は4月、欧州で商談を重ねた。

西陣織は染め上げた絹の縦糸と横糸を交差させ、金箔・銀箔を織り込む。細尾は技術力が高く評価され、クリスチャン・ディオールやシャネル、グッチなど欧州高級ブランドの店舗内装や製品に生地を提供してきた。

 

2023年には仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで技能伝承を支援するLVMHメティエダールの呼びかけに応じ、絹織物産業の活性化で提携した。

「欧州ブランドにとって日本の職人が持つ高い技術は欠かせない」。日本法人の盛岡笑奈ディレクターはこう語り、細尾と連携して絹織物の素材開発や人材育成に取り組む。

 

世界が認める日本の伝統工芸だが、生活様式の変化などを受けて生産額は減り続けている。

国が指定する西陣織や備前焼などの「伝統的工芸品」(241品目)の生産額は20年度に870億円と1980年代のピーク時と比べて8割強減った。

日本の人口が2050年代に1億人を切るなか、国内市場のさらなる縮小は避けられない。

 

 

海外市場の開拓急務 ビームス、仏で商談会

 
 
 

「海外市場

 

「海外市場が新たな販売先として重要となる」。工芸品を軸にした生活雑貨店を全国に約60店展開する中川政七商店(奈良市)。千石あや社長は、日本の伝統工芸にとって外国人需要の取り込みが急務と指摘する。

3月に成田空港の出国手続き前区域に出店し、帰国前のインバウンド(訪日外国人)に鉄瓶や皿、ふきんなど600点を売り込む。23年11月から24年1月には台湾と中国に期間限定店を開き、計1万8千人を集めた。

 

セレクトショップのビームス(東京・渋谷)も海外の業者向けに工芸品を販売している。1月に仏パリで開いた展示会は招き猫やだるま、けん玉などが注目を集めた。

担当するビームスジャパン課の浅見武志氏は「日本のクラフトマンシップ(職人魂)への信頼は厚い」と語る。

 

職人の意志を尊重しながら、色合いなどを変える提案もしてきた。海外向けには贈答用のセット販売も試している。

海外の需要を開拓できても、工芸品を作り続けることができなければ、生き残りは難しい。伝統工芸の市場縮小と軌を一にして、担い手である職人(伝統工芸士)や従事者の数も減り続けている。

 

 

高齢化進む職人、後継者不足も

 

 

2020年度の職人の数は3730人と10年間で16%減った。

このペースが続く場合、職人の数は50年代に現在から約4割減の2000人程度まで減ると推計される。1990年度には約20万人いた従事者も、50年代には約2万人と10分の1にまで減るとみられる。

担い手が減り続ければ、地域によって伝統工芸が消滅する可能性もある。分業制で原材料や用具の作り手、流通業者など関連産業の裾野も広いだけに、地域経済への影響も小さくない。

職人の高齢化や後継者不足が深刻になるなか、最近は新たな担い手として女性職人の存在感が高まっている。女性の割合は20年度で16.5%と、20年前から約6ポイント上昇した。

 

女性職人、新たな担い手として脚光

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男性中心だった伝統工芸の世界で、これまでと異なる視点で活躍する女性職人も増えている。

東海3県で活動する七宝や和紙、漆芸などの女性職人9人のグループ「凜九(りんく)」は、産地の垣根を越えた展示会などで情報発信に力を入れる。

凜九代表の梶浦明日香氏は、アナウンサーから三重県の「伊勢根付」の職人に転じた。

根付は着物の帯から巾着などをつるす留め具。梶浦氏はピアスとして使える製品も開発し、外国人にも人気という。「『古めかしい』といった工芸のイメージを壊して認知度を高めるには連携が必要」と強調する。

 

一人ひとりの職人の情報発信では限界があり、型紙彫刻を手がける那須恵子氏は「凜九の活動を通じて商談の引き合いが増えた」と手応えを語る。

均質な量産品にない風合いなどの評価も高まり、世界でオンリーワンとも言える日本の伝統工芸。増え続けるインバウンドを呼び込む観光資源として、地域振興を担う存在にもなる。担い手の育成や市場の拡大などで、世界を意識した取り組みが待ったなしだ。

(大林広樹、遠藤邦生、グラフィックス 藤沢愛、映像 森田英幸)

 

 

オールジャパンで支援を 羽田未来総合研究所社長・大西洋氏

 


百貨店の社長経験もある大西洋氏は「日本の伝統工芸は海外ブランドに比肩できる」と指摘する

 
地方の風土に根ざした生活文化から匠(たくみ)の技や道具が生まれ、伝統工芸も育まれた。
 
百貨店の経営者としてファッションを見てきたが、日本の小売業は海外の高級ブランドに依存しすぎている。オールジャパンで伝統工芸を支援していくことで、日本発のラグジュアリーブランドとして海外ブランドにも比肩できる。


現在社長を務める羽田未来総合研究所は、羽田空港の出国エリアで2023年12月から「ジャパン マスタリー コレクション」(JMC)を運営している
 
 
反物とニットを組み合わせたストールをはじめ、伝統工芸に新たな感性を加えた商品などをそろえている。
JMCでは、数十万円の商品を買うお客様も目立つ。ただ、ガラス細工など一部の工芸品に人気が偏り、平均客単価は想定の半分の3万円だ。生産に時間を要する一点物が多いのも要因だ。
 

企画開発に携わる商品を増やし、作り手の思いや歴史など背景を伝えて販売を強化する。購入データも分析し、海外からのインターネット経由の購買などにつなげたい。

インバウンド(訪日外国人)が工芸のものづくりを食とともに体験して交流する流れを産業化すれば地域創生になる。
 

そのためにも、伝統工芸に対して、国の支援のさらなる強化も求めたい。
 
人間国宝となった職人でも継続的に作品を生み出すための支援が十分でないとされる。国力の底上げと産業化に向けて文化・芸術分野に戦略的に予算を投じてほしい。
 
 

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日経記事2024.05.05より引用

 

 

 


桂由美さんが死去 ブライダルファッションデザイナー

2024-04-30 13:20:24 | 高級ブランド(LVMH、エルメス、グッチ、他)、ファッション


                桂由美さん(1998年)

 

日本のブライダルファッション界の第一人者として知られるブライダルファッションデザイナーの桂由美(かつら・ゆみ、本名=結城由美=ゆうき・ゆみ)さんが4月26日、死去した。94歳だった。後日、追悼するショーを開く予定。

東京都出身。大学卒業後にパリでオートクチュール(高級注文服)を学んだ。母親が経営する洋裁学校で教えた後、1964年に日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動を開始。専門店「桂由美ブライダルサロン」を東京で開いた。

 

婚礼衣装が主に和服だった日本にドレススタイルを提案し、普及するきっかけをつくった。日本にとどまらずニューヨークなど世界各地でショーを開き、パリ・オートクチュールコレクションでも作品を発表。日本の伝統技術を生かしたドレスなどが国内外で高い評価を受けた。

全日本ブライダル協会を設立し、人材育成やブライダル文化の発展に取り組んだ。2019年に文化庁長官表彰。

 

 
 
 
日経記事2024.04.30より引用