ハリス氏は銃規制強化の必要性を訴えた=ロイター
【ワシントン=芦塚智子】
バイデン米大統領とハリス副大統領は26日、新たな銃犯罪対策を発表した。11月の大統領選を前に民主党の大統領候補であるハリス氏は国民の関心が高い銃の問題で規制強化を訴えた。
ハリス氏は「(武器保有の権利を認めた)合衆国憲法修正第2条を支持するか、皆の銃を取り上げるかのどちらかというのは誤った選択肢だ」と指摘した。
「私は修正第2条を支持すると同時に、攻撃用銃器禁止法の復活や(銃購入の際の)普遍的な身元確認、銃の安全な保管義務付けが必要だと信じている」と強調した。
新対策は、ハリス氏が統括する「銃暴力防止局」の新設から1年後のタイミングで発表した。ハリス氏の役割に脚光を当てる狙いがある。
共和党の大統領候補のトランプ前大統領はバイデン政権が導入した銃関連の規制を撤廃すると公約している。7月の銃撃事件以降も銃規制に反対する姿勢を変えていない。
バイデン氏が大統領令に署名し、対策を進めていく。半自動銃に装着してマシンガンのような連射を可能にする装置や、3Dプリンターで製造する銃の取締対策を検討するタスクフォースを新設する。90日以内に報告を求める。
ホワイトハウスによると、連射装置は引き金を1度引いただけで1秒間に最高20発の連射を可能にする。3Dプリンターを使えば30分以下で安価に製造できる。
3Dプリンターで製造する銃は製造番号がないため犯罪で使われた場合に追跡できず、金属探知機にも反応しにくい。
大統領令は教育省などに学校での銃乱射事件に備えた避難訓練のガイドライン作成を指示する。特に子供に精神的なトラウマを与えない効率的な訓練方法を110日以内に開発し、公表するよう求めている。
2024年に実施されるアメリカ大統領選挙に向け、ハリス副大統領やトランプ氏などの候補者、各政党がどのような動きをしているかについてのニュースを一覧できます。データや分析に基づいて米国の政治、経済、社会などに走る分断の実相に迫りつつ、大統領選の行方を追いかけます。
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日経記事2024.09.27より引用