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『古事記』 イザナギはどのようにして黄から脱出できたのか

2023-04-12 15:54:42 | 日本神話・神道・古事記・日本史

イザナミは火の神・火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)を産んだことで陰部(ほと)に火傷を負い、死んでしまい、黄泉国に行きました。 愛する妻・イザナミが死に、寂しさに耐えきれなかったイザナギは、妻のいる黄泉国に向かいました。

しかし、醜く蛆(うじ)のわいた姿になったイザナミを見てしまいます。 ザナギは恐れをなしてよ黄泉国を逃げ出そうとしました。 姿を見られたイザナミも「私に恥をかかせてくれたな」と怒り、黄泉国の醜女(しこめ)を追手に差し向けました。イザナギは手に持っていた様々なものを投げ、醜女を振りきります。

まず、黒い蔓(かずら)を投げると、そこに葡萄の実が生え、醜女がそれを拾って食べてうちに逃げました。 さらに追いかけてくるので、次は髪に挿していた櫛(くし)を投げると、そこから筍(たけのこ)が生え、また醜女がそれを引き抜き食べているうちに逃げ進みました。

そのうちにイザナミは黄泉国の軍隊までも差し向けましたが、イザナギは十拳剣(とtかのつるぎ)を後ろ手にふりつつ、黄泉国と葦原中国の境である黄泉比良坂(よもつひらさか)のふもとまでたどり着きました。 そこに桃の実が3つなっており、それをもいで投げつけるとまな逃げ帰りました。

ついにはイザナミが自ら追ってきました。イザナギはそこに千引石(ちびきのいわ)を置き、黄泉国につながる道をふさいで、イザナミに離別を言い渡います。 

この逃走劇は、逃走の手助けになるものを呪術で生み出す「呪術逃走」という形式の説話です。 蔓(かずら)を投げると葡萄がなったり、櫛を投げると筍が生えるのは呪術の一種であり、後ろ手でなにかをするのは相手を呪う行為とされます。

また桃の実は古代中国では仙人の食べ物とされ、悪霊や邪気を祓う霊力があったといわれます。 最後の岩石は、悪霊邪気の侵入を防ぐものと信じられていました。

 

 

『古事記』シリーズ

・『古事記』 いつ誰が何のためにつくった?
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・『古事記』のもとになった『帝紀』と『旧辞』
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・『古事記』と『日本書紀』の違い
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・『古事記』 天地創造
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・『古事記』 日本の国生み
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・『古事記』 どのように日本は創られたのか? イザナギ・イザナミ神話
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・『古事記』 捨てられ流された水蛭子(ひるこ)のその後
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・『古事記』 イザナミが向かった黄泉の国
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・『古事記』 あらすじ概要
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『古事記』 アニミズム と 八百万の神
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