インタビューに応じる米イーライ・リリーのデイビッド・リックス会長兼CEO
(11日、東京都千代田区)
米イーライ・リリーは米国で販売する肥満症治療薬「ゼプバウンド(一般名チルゼパチド)」について、日本でも早期の実用化を目指す。
デイビッド・リックス会長兼最高経営責任者(CEO)は11日、日本経済新聞の取材に応じ「現在当局に承認申請中だ。2025年半ばにも結果が得られると見込んでいる」と話した。
肥満症薬は世界的に需要が拡大しており、世界ではデンマークのノボノルディスクとリリーの2社がシェアを握る。
特にリリーはゼプバウンドの成功により急成長しており、時価総額は8700億ドル(11日午前6時時点)を超え世界の製薬会社としてはトップに躍り出た。いまや電気自動車(EV)大手の米テスラの7700億ドル(同時点)を大きく上回る。
リックス会長は「私たちの会社は肥満症で11件の開発プログラムがあり、他の会社と比べてもはるかに多い」と肥満症領域でのさらなる成長についても自信を見せた。
肥満症治療薬を巡っては日本ではノボノルディスクが24年2月に「ウゴービ」を発売した。「GLP-1」という仕組みの医薬品で、従来は糖尿病の治療に使われていたが肥満症の治療に転用した。リリーのゼプバウンドも同じタイプの薬で、実用化されればウゴービに次いで国内2例目となる。
チルゼパチドはインスリンの分泌を促して血糖値を下げるなどの作用がある。
日本では糖尿病治療薬としてすでに厚生労働省から製造販売承認を取得済みで、田辺三菱製薬が流通と販売などを担っている。肥満症治療薬として承認された場合も同様に提携する方針だ。
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日経記事2024.10.11より引用