米ホワイトハウスでの共同記者会見にのぞむSBGの孫正義会長兼社長
(左から2人目)やオープンAIのサム・アルトマンCEO(右端)ら(21日)=ロイター
ソフトバンクグループ(SBG)が対話型AI(人工知能)「チャットGPT」を開発した米オープンAIに最大250億ドル(約3兆8750億円)を追加出資することで協議に入ったことがわかった。
米国で4年間に5000億ドルのAIインフラ事業に向けて提携を深める。
SBGとオープンAIの協議は150億〜250億ドル出資で継続している。追加出資額は流動的だが、合意すれば金額ベースでオープンAIに対する最大の資金の出し手になる見通しだ。
SBGの孫正義会長兼社長やオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)らは21日、米ホワイトハウスでトランプ米大統領と共にAIインフラ構築に5000億ドルを投資する計画を公表した。
中国などとの競争が激化するAI分野で米国の優位性を維持する狙いがある。
この計画を実現するために設立する新会社「スターゲート・プロジェクト」にSBGとオープンAIはそれぞれ190億ドル規模を出資し、両社の持ち分はそれぞれ4割程度になる見通し。
SBGが協議しているオープンAIへの追加出資とは別の案件だが、オープンAIによる新会社への資金拠出をSBGが事実上カバーする可能性がある。
オープンAIは赤字が続いており、新会社への出資に向けて追加の資金調達が必要になるとの見方が出ていた。
SBGは24年9月末時点で3.8兆円の手元流動性(融資枠含む)を抱える。財務の健全性を高めてきたが、オープンAIに多額の出資をするためには新たな資金調達が必要になる可能性がある。
大規模な追加出資で合意すれば、SBGは米マイクロソフトに代わってオープンAIの最大の資金の出し手となる見通しだ。マイクロソフトが19年以来、同社に140億ドル(約2兆2000億円)近くを投資したのを上回るためだ。
一方、マイクロソフトは企業価値が小さいうちに投資しており、SBGのオープンAIへの出資比率はマイクロソフトに及ばないとみられる。
オープンAIの企業価値は2023年春の290億ドルから24年10月に1570億ドルと5倍になっている。
24年10月の66億ドルの増資以前は、オープンAIの持ち株比率はマイクロソフトが49%、他の投資家が計49%、オープンAIの非営利親会社が2%だった。
足元でオープンAIは営利企業を経営の主体とする組織再編を計画しており、再編後の最終的な出資比率は不透明だ。マイクロソフトなどの初期投資家は、将来の利益分配を受け取る権利(株式に相当)を保有しているとみられるためだ。
SBGはここ数年、オープンAIに接近している。傘下で世界のAI企業に投資するビジョン・ファンドを通じて24年にオープンAIの資金調達で5億ドルを出資したほか、同社の従業員から最大15億ドル相当の株式を追加取得してきた。
(四方雅之、シリコンバレー=山田遼太郎、ロンドン=山下晃)
文章や画像を自動作成する生成AIに注目が高まっています。ChatGPTなど対話型AIやMidjourneyなど画像生成AIがあります。急速な拡大を背景に、国際的な規制や著作権に関わるルールなどの策定が急がれています。
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日経記事2025.1.30より引用