取材に答えるクリスチャーンス氏(東京都港区)
カナダ西部アルバータ州の投資誘致機関「インベスト・アルバータ」のリック・クリスチャーンス最高経営責任者(CEO)が都内で日本経済新聞の取材に答えた。
データセンターの誘致に意欲を示し、今後5年以内に同分野に1000億カナダドル(約11兆円)の投資を呼び込む目標を明らかにした。
カナダの寒冷な気候はデータセンターの立地に適しているとされ、アルバータ州には現在20以上のデータセンターがあるとされる。
最大都市カルガリーは、カナダ東部のトロントやモントリオール、西部バンクーバーに次ぎ国内で4番目に施設が多い。
クリスチャーンス氏はデータセンターの誘致にあたり、アルバータ州が発電に使える天然ガスや設備の冷却に必要な水といった資源が豊富なことを強調した。
光ファイバーを州全体に張り巡らせていることも特長で「様々な場所に設置が可能だ」と説いた。州政府は規制緩和も進めており「比較的容易にプロジェクトの認可が下りる」とも訴えた。
州北西部には世界最大とされる人工知能(AI)データセンターの工業団地を開発する計画がある。
著名投資家ケビン・オレアリー氏が率いるベンチャーキャピタルなどが2024年12月に公表した。投資総額は700億カナダドル以上となる見通し。
クリスチャーンス氏はデータセンターの増設には安定した電力源が必要との見解を示し「事業者には、発電設備の建設も促したい」と述べた。
「グリーンエネルギーと天然ガスによるバックアップを組み合わせるのが長期的な展望だ」と指摘した。
アルバータ州政府によると、同州では24年10月の再生可能エネルギーによる発電量が前年同月比で4割増えた。州内の発電量全体に占める割合は2割ほどだった。
(小林拓海)
日経記事2025.2.6より引用