東大の松尾豊教授(2024年10月、東京都千代田区)
中国のスタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)が開発した高性能・低コストの生成AI(人工知能)の大規模言語モデル(LLM)が世界から注目されている。
AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授に、同社の最新AIモデルへの評価やセキュリティーのリスク、日本企業への影響などを聞いた。
米オープンAIと近い性能
――ディープシークの技術をどのように評価していますか。
「『Chat(チャット)GPT』 を運用する米オープンAIと近い性能の素晴らしい技術だ。新たなAIモデルの発表のたびに論文を出して、どのような技術で作られているかや工夫したことをきちんと説明している」
「同時に(誰でも利用可能な)オープンソースで公開している。1月に発表した最新モデル『R1』は推論の能力を高める強化学習をしている。結果的にオープンAIの『o1(オーワン)』と同じくらいの推論の性能を出せている」
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