大統領令に署名した直後、聴衆にペンを投げ込むトランプ氏(20日)=ロイター
【ワシントン=飛田臨太郎】
トランプ米大統領は20日の就任初日に、大量の大統領令に署名した。気候変動対策の国際枠組みからの離脱や厳しい移民政策などの重要政策を次々と決定した。
大統領令は大統領が持つ絶大な権限を象徴するが、憲法や法律に違反すれば差し止められるという点で限界もある。
大統領令とは何か?
行政の長である大統領は、大統領令を通じて連邦政府や軍に対して、法的拘束力を持った形で指示を出す。
米メディアの記事では大統領が出す行政命令である「executive order」のみを対象とする場合と、「布告」や「覚書」なども含めて「presidential directive」や「executive action」などと総称して使う場合とがある。
明確な規定が憲法や法律に書かれているわけではない。米憲法第2条は大統領に広範な行政権を認めていて、これが根拠とされる。
初代大統領のジョージ・ワシントン(任期1789〜1797年)の時から始まった。
大統領令は新しい政策の方針を簡単に示すことができる。歴代大統領が就任後すぐに活用してきた。政権交代の効果を全米に知らしめる狙いがある。
「バイデン(前大統領)にこれができると思うか。私はそうは思わない」。トランプ氏は20日の就任式の後、およそ2万人の支持者が集まるワシントンのスポーツ施設を訪ね、演台で大統領令に署名した。
使った7本のペンを観客席に向かって投げ入れ、聴衆は総立ちになって喜んだ。
大統領令に限界はあるのか?
三権分立の民主主義国である米国では、大統領令が憲法や法律に反すると判断された場合は無効となる。
「大統領は王ではない。ペンを使って一筆だけで、憲法を書き換えることはできない」。
東部ニュージャージー州のマシュー・プラトキン司法長官は21日、トランプ氏が20日に署名した大統領令を阻止するために提訴し、こう述べた。
ニュージャージーも含む全米18の州司法長官が早くも、訴えたのは、移民政策を巡る大統領令の内容だ。
トランプ氏は米国で生まれた子供には自動的に国籍を与える「出生地主義」制度を修正すると表明した。
母親が不法滞在や一時滞在で、父親が米国市民権や永住権を保持していない場合には、子供が米国で生まれても国籍を与えない。
憲法修正第14条には「米国で生まれ、あるいは帰化した者、およびその司法権に属する者は米国の市民である」と明記している。
トランプ氏は1期目の2018年にも大統領令によって同制度を撤廃しようとしたが、憲法違反と指摘され、実現しなかった。
トランプ氏は第2次政権で憲法改正も視野に取り組むとしている。
最も多く大統領令を出した大統領は?
米カリフォルニア大サンタバーバラ校は歴代大統領の行政命令(executive order)の数を集計した。
トランプ氏が就任初日に署名した本数は26本で、バイデン前政権の9本や第1次トランプ政権の1本と比べて多い。バイデン前政権が実施した78件の大統領令を撤回する命令も出した。
第1次政権では、初日だけでなく任期を通した行政命令の数が計220本だった。
米国史上、最も多くの行政命令を出したのは第2次世界大戦の時の大統領であるフランクリン・ルーズベルト氏だった。1933年から1945年までの4期の任期中に3721本にも及んだ。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
トランプ氏が史上最多の大統領令に初日から署名する背景には、議会の上下院で与党共和党が多数党とはいえ、民主党との議席差は僅差という状況が反映しています。
上院では通常の法案成立には60票が必要ですが共和党は53議席しかなく、下院の共和党と民主党との差はわずか2議席差です。
議会で法律を成立させて政策を行うことが望めない状況では、大統領令しか手段がありません。
しかも来年11月の中間選挙までに支持者の期待に応えなければ、僅差の多数を失い早期のレームダック化も考えられますので、時間のかかる議会の立法ではなくすぐに支持者にアピールする大統領令は、苦肉の策でもあり、トランプ劇場の出し物ともなる一石二鳥です。
日経記事2025.1.22より引用
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まだ分かっていない阿呆がいるようだ。
文化人放送局、ダイレクト出版、Wll、CGS そして Haranoタイムズ、カナダ人ニュースなど。
よほど頭が悪いのだろう。 ミジンコ脳。 可哀想に。 馬鹿につける薬なし!
死ななきゃ直らない!