ホンダが自動車ショーで展示したエンジン搭載の自動車(24年11月、広東省広州市)
【広州=田辺静】
ホンダが中国の広東省広州市にあるエンジン工場の生産能力を半減させることがわかった。中国で販売するエンジン搭載車の3割分にあたる。
中国は現地勢の攻勢により、電気自動車(EV)が急速に普及している。EVが手薄なホンダは苦戦しており、構造改革を急ぐ。
トヨタ自動車や日産自動車など日本車メーカーは軒並み中国市場で苦戦している。日産も生産能力の削減に動く。ホンダの削減規模は日本勢で最大となる。
中国・東風汽車集団と共同で手掛ける「東風本田発動機」が広州市に構えるエンジン工場の生産能力を年52万基から半分に減らす。3月末に1ラインの生産を止める。
中国・広州汽車集団との合弁会社が運営する3カ所のエンジン車の組み立て工場も1工場の生産を1月に止めた。生産規模は年24万台。両工場で希望退職を募った。
ホンダの中国販売は不振が深刻だ。2024年の販売台数は23年比3割減の85万台と、9年ぶりに100万台を下回った。24年から生産体制を再編している。中国での生産能力はEV専用工場を除くと24年初の149万台から96万台に減った。
中国汽車工業協会によると、中国の25年の新車販売に占めるEVなど新エネルギー車の比率は5割近くになる。比亜迪(BYD)など現地勢が強い。
ホンダは生き残りをかけてEVシフトを進める。24年に湖北省武漢市で初のEV専用工場の稼働を始めた。広州市でも専用工場を稼働させ、EVで年24万台の生産能力を確保した。
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日経記事2025.3.10より引用