アップルは生成AIサービスに対応したiPad miniを23日に発売する(アップル提供)
【シリコンバレー=中藤玲】
米アップルは15日、タブレット端末「iPad mini」の次期モデルを23日に発売すると発表した。
自社の生成AI(人工知能)サービス「アップルインテリジェンス」に対応する。iPad miniの新発売は約3年ぶりで、日本の価格は7万8800円からに設定した。
画面サイズは現行モデルと同じ8.3インチとした。最低容量は128ギガバイト(GB、ギガは10億)で従来の2倍だが、米国での発売価格は499ドルで据え置いた。
日本の価格は現行モデルを5月に7万8800円から8万4800円に引き上げていたが、新モデルは値上げ前の水準に戻した。15日から予約を受け付けている。
2023年に発売した「iPhone15」の上位機種、15 Proと15 Pro Maxで使っている半導体「A17Pro」を新たに搭載した。
回路線幅が3ナノ(ナノは10億分の1)メートルで、電池の持ちが長くデータの処理速度が速い。
A17Proを搭載したことで、6月に発表したアップルインテリジェンスに対応する。
端末の言語を英語(米国)に設定した場合は、10月内にも基本ソフト「iPadOS」を18.1にアップデートすることで使えるようになる。
例えば作文ツールでは、iPadで書いたメールなどの文章をAIが校正や要約する。
写真アプリでは背景にある不要な対象物を特定して削除できる。このほか専用の入力ペン「アップルペンシル」で描いたラフなスケッチを、本格的な画像に作り替えるなどの機能が予定されている。
アップルは5月に最上位機種「iPad Pro」の新製品を発売し、24年4〜6月期のiPadの売上高は、前年同期比24%増の71億6200万ドル(約1兆700億円)と伸びた。
全体売上高の8%を占める。画面が小さく一定のファンを持つiPad miniもアップルインテリジェンスを使えるようにして、需要増を狙う。
9月に発売した「iPhone16」シリーズも全面的にアップルインテリジェンスに対応し、生成AIを軸とした製品展開を進めている。
一方で英語以外の主な言語対応は25年になるなど、地域や機能によって提供を開始する時期にはばらつきがある。