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● prologue
5月に初体験した、工場夜景探検クルーズ。
⇒ Blog『横浜工場夜景アドベンチャークルーズ』
これがとてもよかったので、第2回目の参加です。
前回乗ったのは5月9日。そして今回は11月9日。
狙ったわけでもないのに、ぴったり半年たっていました。
(このブログを書く段階で気がつきました)
前回は、京浜フェリーボート株式会社が出している「京浜運河工場夜景コース」の本牧航路。
本牧の友人と乗ったので、まずそちらを選びましたが、今回のコースがクルーズ的に一番おすすめなんだそう。
「“肉食系交通船”で行く!京浜運河沿いの工場夜景&横浜イルミネーション90分クルーズ」というツアー名です。
「肉食交通船」って・・・。
知らない人が見たら(なになに?BBQでもしながらクルーズするの?)と思うかもしれません。
でもすでに一度乗っている私と友人は、わかります。
運転が、グイグイ肉食系なんです。
● 交通船と遊覧船
クルージングといったら、普通は遊覧船でのんびり楽しむものですが、このツアーで乗るのは、交通船。
あまりなじみがない言葉ですね。
交通船と遊覧船との大きな違いは、交通船は高速走行が可能だということ。
最高時速は約20ノット。といわれても、ピンときませんよね。
「1ノットとは、1時間に1海里(1.852m)進むスピード」だそう。
ということは、1分で30メートルちょっと。2秒で1メートルね!
選んだ金曜日の夜には、別の会社の「ロマンチックな工場夜景クルージング」もありました。
ロマンチッククルーズでは、遊覧船に乗って、カクテルも飲めるそう。
優雅だろうなと惹かれますが、肉食系船の半端ないスピードと名物船長の独特のナレーションが忘れられません。
友人も私も、ロマンチックはあっさり捨てて、また同じ交通船に乗ることにしました。
● 名物船長
受付を済ませたところに、なつかしの永井船長がやってきて「こんにちは」と気さくに声をかけてくれました。
「前にも乗って、楽しかったからまた来ました」と話すと「えっ、そうなの?」と喜んでもらえます。
「いつ頃ですか?」
「船長がNHKの番組《小さな旅》に出演した時ですよ」
「おお!」
海上爆走っぷりと、どこか頓狂なナレーションで、私たちの間で人気の船長。
見るからに、人のよさそうなオーラが漂っています。
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出航は、横浜の大桟橋から。
といっても、みんなが思い浮かべる、超大型国際客船が停泊しているターミナルではありません。
その脇のピア大さん橋という、あまり知られていない遊覧船用の小さな桟橋からです。
● サンタバルカ号
ラフティングの時のようなオレンジのライフジャケットを着用します。
乗り込みのは、半年ぶりの、交通船サンタバルカ号。
「聖なる小舟」という詩的な名前ですが、ファンシーな要素は特にありません。
全長17.5メートル、全幅4.65メートルの武骨な船で、以前は、羽田空港新滑走路の建設作業員を、沖合いの現場まで送迎していたそうです。
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「スピードを出せる分、乗り心地はあまりよくないですよ~」と、船長からの前置きが入ります。
乗ってしまえば、まな板の上の鯉ならぬ、交通船の上の乗客たち。
波と船のなすがままに揺られるだけです。
それに私たちは、スピードを今か今かと、ワクワクしながら待っています。
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● 同乗者たち
この日の乗客は20名ちょっと。
私と友人はバリバリ地元ですが、ほかの人たちは大阪や名古屋、群馬や北海道などから来ているそう。
みんな、よくこのクルーズツアーを知ってるなあと思います。
そのうち十数名はグループ参加。
社員旅行中で、日中に大井町で『Cats』のミュージカルを観て、中華街の重慶飯店で夕食をとり、夜にこのクルージングで海に出るというてんこもりの旅程だとか。
福利厚生が充実していていいなあ。私もその会社で働きたーい!
● 雨上がりの出航
出港は7時。
前回はまだ明るくてサンセットクルージングになりましたが、今回はすでに日が落ちて夜になっていました。
一日中雨が降っていたため「中止になるんじゃないかな」とさんざん気をもみ、ずぶ濡れ状態でのクルーズを覚悟していました。
ところが、出航30分前に雨がパタリと止んだんです。
これは、日ごろの行いがいいのか悪いのか、どっちなんでしょう?
まあ、濡れなかったから、いっか!
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大さん橋に停泊中の大型客船は、セレブリティ・ミレニアム。
いや~、絵になります。セレブリティ~。
操縦席の船長は、言いにくそうに一文字ずつ発音していました。
「うー、こりゃ難しいな~」とつぶやく声まで、マイクを通して聞こえてきましたよ(笑)!
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雨上がりの山下公園と常時停泊している氷川丸。
マリンタワーは、糖尿病予防のブルーライトアップ中でした。
● 煙るみなとみらい
みなとみらいのイルミネーションに見送られるように、船は港を離れていきます。
ちなみに今回掲載のクルーズ画像は、全て友人が撮ってくれたもの。
揺れる小舟からの夜景の撮影は、私には難度が高すぎました!
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直前まで雨だったので、前回のような美しいクリアなナイトビューは臨めないだろうと諦めていました。
それでも、霧に煙ったような景色は、幻想的。
船長も「今日はいい写真が撮れますね」と言います。
こういうのを「災い転じて福となる」というのかしら?
● 横浜ベイブリッジ
前回下をくぐった横浜ベイブリッジを、この日は横目に見ながら、船は京浜運河へと向かいます。
普段は陸から眺めるばかりですが、横から見ると、やっぱり長いなあと実感。
全長860mありますからね。
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京浜工業地帯に入るまで、高速船はその名の通り、すごいスピードで進んでいきます。
手ぶれ補正機能を駆使しないと、船が動いている間は、ブレてしまって撮影どころではない状態です。
● 大黒ジャンクション
ベイブリッジの次には、大黒埠頭にある高速道路のジャンクションが見えてきました。
いくつもの幹線が交わり、伸びていく様子は、流れているかのようです。
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● 鶴見つばさ橋
大黒ジャンクションを過ぎて、鶴見航路に入りました。
今度は、大黒埠頭と扇島を結ぶ鶴見つばさ橋が見えてきました。
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いよいよ京浜工業地帯の扇島に入ります。
● 扇島と扇町
扇島は横浜市鶴見区と川崎市川崎区にまたがる人口の島。
対岸は扇町です。(ちょっと紛らわしい)
扇町の川崎天然ガス発電所やJX日鉱日石エネルギーを観ながら、船は進みます。
鉄骨が組まれ、煙突が立ち並ぶ光景。
人家から離れた、完全な工業地帯です。
京浜運河の一番北にある浮島までやってきました。
羽田空港までもうすぐ。
近くを旅客機が音をあげて低空飛行していき、なかなかの迫力です。
● フレアスタック
東京電力東扇島火力発電所に隣接している扇島LNG基地にやってきました。
等間隔にずらりと並ぶのは、石油タンク。
ライトアップされて、闇に浮かび上がっています。
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高い煙突からは、余ったガスがフレアスタックとなって炎を上げて燃えていました。
夜空に輝く聖火台のよう。
フレアスタックという言葉は、前のクルーズの時に知ったんです。
そして使うのはこれが2度目。半年間、一度も使わないワードでした。
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東燃ゼネラル石油の石油工場や、昭和電工川崎事業所を海から眺めます。
巨大な工場ですが、人けがなく、静けさが漂っているのが不思議。
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魔都へと続く、魔界の領域に踏み込んできた気がします。
● 鋼鉄の城
中でも金属の質感が高い建物の前にやってきました。
昭和電工川崎事業所です。(多分…違っていたら教えてください)
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水銀灯のライトが陰影を作って、別世界の様相を醸し出しています。
見れば見るほど複雑な建物。
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美しさは全く求められずに作り上げられた、無機質なプラント。
なのに、夜になると、暗闇に光り輝く硬質の芸術作品となります。
鋼鉄の強さがありながら、繊細にも見える非現実的さです。
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なんとも魔訶不思議な世界。
すっかり、鉄と鋼の国を訪れたRPGの登場人物になった気分です。
工場夜景ファンは、この非日常感たっぷりな光景を、こよなく愛しているのでしょうね。
その2に続きます。
めったに人の画像を載せないですからね~。レオくんのようなモデルボーイもいないので・・・(^o^;
13枚目の写真いいですね。
とっても楽しそうです(笑)
まあ~!!
さっそくサイトにお邪魔させていただきまーす💛
興味を持ち「海ほたる」へ行ってきました。
よかったですよ。ありがとうございます。
今度はここですね、行く機会があるので
覚えておきます。