- シャッター押すのをやめてじっと、まぶたに焼きつけています。
[しっかり見る。しっかり感動する。
簡単にみえても、案外、コツがいったりするんです。]
(そうだ 京都、行こう。)
龍安寺の近くの金閣寺へ。また時間を合わせてオープンの9時直後に行ったのに、すでに修学旅行生でいっぱいでした。
京都に修学旅行に来る学生は、全員がここを訪れるでしょうからね。
日本人は「銀閣寺の方が好き」という声が多いですが、外国人に、京都で印象的なお寺はどこかと聞くと、十中八九、「Golden Pavillion」だと言います。
美的感覚の違いでしょう。
鏡湖池(なんてきれいな名前なんでしょう)に映える金閣寺。
写真ではよくよく見慣れた構図ですが、実際に見ると、キラキラと輝きを放つ寺院にかなり圧倒されます。
浄土思想の表現と、足利義満の権力誇示がミックスした、不思議な建造物。
屋根の上には、居間にも飛び立ちそうな鳳凰が飾られています。
モンサンミッシェルの上に立つ、天使の像のようでした。
本当に、どこもかしこもピカピカです。確かに、溜息が出るほど美しいのですが、私は(息が詰まりそう…)と思いました。
金が隙間なく、ピッチリ張られているからです。
スパンダー・バレエの「Gold」というPVに、全身金箔を塗った女性が出てきたことを連想しました。
友人が「昔、金閣寺って、本当に黄金でできてるって思ってた」と言いました。
私もそう思っていたので、ほっとしました。
壁を削られないよう、いつでも見張り続けるのは、大変ですからね。
中を見せてくれないのが残念でした。銀閣寺は見られたのにー。
(というか、1階が改修中だったので、覗けたせいですが)
銀閣寺を訪れた時、タクシードライバーのガイドさんが、「銀閣寺は国宝だけど、金閣寺は違うんだ。なぜだかわかるかい?火事で焼け落ちたからだよ」と説明していました。
つまり、建築物としての価値は、銀閣寺の方が上なんでしょうか。
でも、強いインパクトを与えるのは、断然こちらの方ですね。
どちらも世界遺産なので、国際的には大きな差はないということでしょう。
修学旅行生の行列に混じって、裏山の回遊式庭園の散策をしました。
義満がお茶の水に使ったと伝えられる泉、銀河泉もありました。
今でも水が湧きだしています。
ここは、どれも名前がすてきです。
鹿苑寺は、義満の法名、鹿苑院殿から取られた名前だそうです。
キンキラした印象の金閣寺ですが、敷地内にあった数寄屋造りの茶室、夕佳亭(せっかてい)は、とても渋くて趣がありました。
閑散としていたら、じっくり義満の夢にひたりたかったのですが、おそらくここは、一日中学生観光客が途切れることはなさそうなので、あまり長居はせず、早々に人ごみの喧噪の中から抜けだしました。
あまりの混雑ぶりにびっくりして、ここでは写真もほとんど撮りませんでした。
観光は、空いているところがいいですね。(なかなかそうもいかないんですけどねー)
でもほんとに、あそこまで金金しているとは思わなくって。
日本の光景にあるまじきものというか、なんというか・・・。だからすごいんだけど・・・。