風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

鎌倉・元のお宮さがし-1

2014-05-17 | 神奈川
○ prologue

友人サユと、鎌倉に出かけました。
横浜から手軽に行けて、旅気分を味わえる場所、それが鎌倉です。

サユは大の鎌倉好き。本気で住もうと物件を探したこともあるとか。
この日は、鎌倉のエッセイを持っていました。
「この本に、鶴ヶ岡八幡宮ができる前にあった、若宮八幡のことが紹介されているんだけど、知ってる?」
「うーん、若宮通りしか知らないわ」
私も、それなりに鎌倉は訪れていますが、聞いたこともありません。
「気になるから、探しに行ってみよう」
そんなきっかけでした。

○ スタバ鎌倉御成町店

のんびり待ち合わせをしたため、鎌倉に着くと、もう昼になっていました。
まずはランチをとろうということに。
サユに連れて行ってもらったガーデンハウスは、残念ながら貸し切り。



「隣のスタバも素敵だよ。縁側に座れるようになってて」
さすが鎌倉通、おしゃれなところを知っています。



次に、小町通りの方へ向かいましたが、混雑を避けたいサユは、地元の人しか知らないようなくねくねとした細道を通って行きます。
たしかに誰も歩いていないけど、この道どこにつづいて行くの?

出たのは、ホテルニューカマクラの前でした。

○ ホテルニューカマクラ



このホテル、ホームの目の前にあるので、いつも眺めています。
おしゃれな外観で気になっていました。
名前が何かに似ているといつも思っていたら、鎌倉ニュージャーマン!
あの鎌倉カスター、おいしいのよね~。
おなかが空いてきました。

駅前なのに、静けさの漂うホテル。
窓があいているのを一度も見たことがありません。
「ここ、今でも営業中なのかしら?」
「看板を掲げているってことは、そうなんじゃないかな?」
ホテルの前には「モータープール」と書かれた看板がありました。
普通のプールじゃありません。これは駐車場でしょう。
たくさんの車が停まっていました。



モータープールなんて言葉を使っているのも、おしゃれだわ。
「ここのホテル、前にV6の岡田君主演の映画に出てきたよ。彼がカメラマン役で」
『おと・な・り』という映画のようです。

「いっぺん泊まってみたいなあ」と言いながら、前を歩いて行きました。

○ 流鏑馬当たり的

若宮大路沿いの蕎麦屋「さくらや」に入り、サユはざる蕎麦、私は天丼を注文しました。
大きめの海老天2尾に茄子天 、南瓜天 、インゲン天と色とりどり。



お会計時、レジの後ろに「的中」と書かれた細い板に目が留まりました。
何枚も飾られています。
「あれ、なんだろうね?」とサユとひそひそ話しましたが、わからなかったので、おかみさんに聞いてみました。



すると「これは、八幡宮の流鏑馬で射られた当たり的の板なんですよ」と教えてもらいました。
「初めて見ました」と言うと、
「数が少なく貴重なものなので」とのこと。
「うちはスポンサーをしているので、関係者として分けていただいているんです」
おめでたい的中板を見ることができました。ありがたや~。



○ おんめさま

若宮大路を海の方に下っていき、二の鳥居を出ます。
すると、10名ほどの団体が、生涯学習センターの横の細道に入って行くのが見えました。お寺の赤い門が見え、「安産子育 産女霊神」という石碑が立っていました。
ママさんの味方のお寺?
私たちも、後に続いてみます。
そこは、「おんめさま」と呼ばれる安産祈願の大巧寺の境内でした。



季節の花が美しい庭を見ながら参拝すると、お堂の反対側に出る道があったので、そちらから出ます。
立ち止まってガイドの解説を聞いている団体さんを越して、歩いて行きました。

○ 足元の力士

本覚寺の門前に着いたので、参拝しました。
鎌倉七福神の恵比寿様が祀られているこのお寺には、何度も訪れています。
今回は、二頭の龍が絡み合った手水舎をチェックしました。
四隅を力士像が支えていました。
私、こういうスタイルのものが好きなので、喜んでしゃがみこんで撮影します。
何度も訪れても、初めての発見ってあるものですね。



このお寺も、違う道から出て、再び若宮大路に戻りました。

○ 元宮さがし

「そろそろ曲がる辺りなんだよね」と、下馬交差点の辺りでサユが言いました。
「この辺かな」とその次の、鎌倉女学院の角を左折します。
「えー、これからどう行くんだろう」



由比若宮、由比郷若宮、元八幡、元鶴岡八幡宮、などと名前がいろいろあるせいか、うまくネット検索できません。
サユがスマホをにらんでいる間、私は通りがかりのおばあさんに、道を尋ねました。
すると「もうちょっと行ったところを入るのよ」と教えてくれました。

検索中のサユに合わせてゆっくり歩を進めていったため、おばあさんとの距離は少しずつ離れていきました。
表示がないかときょろきょろしていたら、サユが「あ、今おばあさん、こっちを向いて指差した」と言いました。
「ここだよ、って教えてくれたんじゃないかな」



そこまで行ってみると、確かに「元八幡宮」と書かれた石碑が立っていました。
おばあさん、どうもありがとう!
その後姿は、もう小さくなっていました。

これはわかりにくい場所にあります。土地の人に聞いて、正解でした。
細道を入っていくと、ほどなくして鳥居を見つけました。

○ 鎌倉初の八幡宮

鶴岡八幡宮よりもずっとずっと小さなお社で、知る人ぞ知るといった感じ
住宅街の中にある社務所はシーンとしており、常駐の神官はいないようです。
境内は、それ程広くありません。おそらく、八幡宮がここも管理しているんでしょう。



でも、とても気持ちの良い場所でした。
念入りにお参りしました。

鶴岡八幡宮は、頼朝が石清水八幡宮から勧請した神社ですが、それより先に、彼の祖先が鎌倉に石清水八幡宮を勧請していました。
源頼義が建てたものが、由比若宮だそうです。
八幡神を呼んだのは、頼朝が初めてではなかったんですね。
むしろ、自分の先祖に乗る形で、もうちょっと大きな神社に建て替えたわけなんですね。知りませんでした。鎌倉好きといっても、まだまだ知らないことは多いです。

横須賀の海軍機関学校で英語教官をしていた頃の芥川龍之介が、隣に住んでいたという表示がありました。



ちなみに、若宮大路の「若宮」とは、この由比若宮ではなく、鶴岡八幡宮のことを指します。

石清水八幡宮から勧請した、まだ新しい神社という意味なので、鶴岡八幡宮、元八幡宮、どちらのことも「若宮」というそうな。
ちょっとややこしいですね。

その2に続きます。



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