風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

仲良し友との近場の休日(三浦 2-2)

2016-06-12 | 神奈川
その1からの続きです。

○ 東叶神社

浦賀の渡しで対岸に渡り、次には東叶神社を参拝します。
ここもまた海のそば。波打ち際といってもよいくらいの近さです。





境内には見たこともないような枝ぶりのすごいソテツがありました。
源頼朝公が手ずから植えたものだそうです。
海のそばだし、境内の砂は砂浜っぽく見えるし、ソテツも生えているし、南国風だわー。



子育て中の狛犬。背中によじ登っているやんちゃ坊主です。
お母さん(お父さん?)の尻尾は子供が乗っても形が崩れません。



○ 黒塗りの神輿

拝殿の横の倉には、ピカピカに磨かれた神輿が保管されていました。
ガラス越しで反射してうまく撮れませんでしたが、とても立派で華やか。
細部まできちんと作りこまれていて、惚れ惚れします。



修復時の神輿職人の親方からのコメントをまとめたレポートが掲示されていました。
宮司さんの角印まで押されていて、愛情を感じるわ。



平成23年に完了した神社神輿修復事業については、神社のサイトにも乗っていました。

○ 裏山登山

やけに犬を連れて参拝する人が多いなあ、ペットOKかしらと思っていたら、みんな参拝はそこそこに、拝殿の横の道へと向かいます。
裏には長い石段があり、そこを登って行きました。
どうやらお散歩コースになっているようです。



石段は終わったと思ったら90度曲がってまだまだ伸びています。
どこまで続くのー?
途中でめげそうになりますが、「ここまできた以上はもう登るしかない」「後ろは振り返らないのだ」と、かっこいいことを言いながら(口先だけ)、ヒーコラようやく一番上まで登りました。

そこには、勝海舟が断食をした場所がありました。
咸臨丸に乗船するにあたり、身を清める意味で行ったそうです。

○ 勝海舟と吉田松陰

あれ、軍艦に密航しようとして捕まったのは誰だっけ?
それは吉田松陰でした。幕末の人たちは、すぐごっちゃになってしまいます。
勝海舟と吉田松陰って、7歳しか違わない、まさに同時代の人なんですね。



山を下りた本殿横には、勝海舟が断食修行の前に身を清めた井戸がありました。

緑に覆われた岩窟の中には、弁天様が祀られていました。
海の神様ですからね。小さい洞窟で、しゃがんでお参りしました。



○ 吾只足るを知る

そばにあったつくばいを見つけて「わ~!」と喜んで近寄る私。
いつも探しているもので、ひとりで小躍りします。
私の知足つくばい写真コレクションが、また一つ増えたわ~♪

浮かれる私の横で「これ、なんだろう?」とさっちゃん。
「銭形の真ん中の四角を"口"に見立てて、口を使った漢字として上から時計回りに読んでいくの。」
「吾・只・足・知」
「そう、"吾只足るを知る"って読むのよ」
「へえ~」



こういうちょっとマニアックな話に、まったく興味を持たない人は結構います。
だから、聞かなければ喋りません。
その点、さっちゃんは興味のアンテナがたくさん立っている、好奇心いっぱいの人。振り幅広い友人です。

神社のすぐ隣には、洋風の洒落た家が建っています。
まさに和と洋。お隣さん同士が際立って見えました。



○ 海沿いのイタリアン

三浦半島を結構移動しているため、お昼にはもうおなかがペコペコです。
ふたつの叶神社を参拝したところで、ランチにしました。
向かったのは、イタリアンのラ・ペントラ(la Pentola)。
イタリア語で「鍋」という意味だそうです。



車道から細道に入った静かな場所にありました。
店内には、やはり参拝帰りの女性たちが3人でランチ中。
ワインをボトルで開けて、にぎやかに乾杯していました。

お店の外は浦賀港という素敵なロケーション。
海面がキラキラ輝いています。対岸は、先ほど参拝した西叶神社がある方です。



二人とも、パスタ・デザートセットを選びました。
海を見ていたら、魚介類を食べたくなった私は、熊本産の大きなアサリときのこのパスタにしました。
十三湖の大しじみに目がないので、大アサリも楽しみー。

さっちゃんはローマ風カルボナーラをチョイス。
「うん、ローマっぽい味だわ」「えっ、ほんとに?」
「う、そんな気が…」追い詰めてはいけませんね。

○ 自家製プリンとレモネード



美味しくいただいた後、デザートはカスタードプリンにしました。
自家製レモネードがあると聞いて、迷わず頼みます。
甘酸っぱいさわやかさで、一口飲むごとに夏が近づいてくる感じ。(まだ2月だけど)
プリンも本格的で、満ち足りました。



お店の人と少しお話しました。
今日、市場に熊本産の大アサリが入ったので、このメニューにしたとのこと。
私「彼女が熊本に住んでいるんです(とさっちゃんをさす)」
お店の人「まあ、わざわざここまで?」
さっちゃん「横浜出身なので、帰省を兼ねて足を伸ばしてみました」

「今回は神社巡りが目的ですか?」と聞かれて、少し考えます。
うーん、それもそうですが、それだけではないような。
恋愛祈願のために二つの神社を訪れる女性たちとは、ちょっと違う気がして、
「渡し船に乗ってみたかったんです」と言いました。
言ってみたら、たしかにそれが一番の目的のような気がしてきて
「ポンポン船が近くにあるって、いいですね」と重ねて言いました。
ただ、お店の方は「今月に入ってから運賃が100円値上げして、近所では不評なんですよ。
バスより高くなっちゃったから」と言いました。
うーん、観光客向けになりつつあるんでしょうか。普段使っている人にとっては、ゆゆしき問題ですね。

○ 三浦の早咲き桜

お店を出て、バスで浦賀駅に戻りました。
そこから京急に乗って、堀の内で乗り換え、三崎口に向かいます。

窓から海を眺めていたら、突然桜並木が目に飛び込んできました。
「えっ、桜?なぜ?」
まだお花見のシーズンではないので、桜のことなどまったく頭の中になく、景色を見てめんくらいました。
「これ、河津桜だね」
きれいに咲いているので、野生ではなくきちんと育てているようです。

駅を降りると、普段よりも人が大勢いました。
ホーム沿いにも、きれいな河津桜が咲いています。
これを見にやって来た人たちが、たくさんいるのです。



ちょうど満開の時でした。みんな、いいタイミングがわかっているんですね~。
まったく知らなかった私たちは、駅の大賑わいっぷりに面食らいましたが、狙わずして今年お初の桜を観られて、ラッキー。
一足早いお花見ができました。



ニャ~。桜と猫。お昼寝中みたい。



ここからバスで三崎港に向かいますが、停留所前にはバス待ちの長蛇の列ができていました。
三崎口まで桜を見に来たから、ちょっと足を伸ばして、港でおいしいまぐろを食べて帰ろう、とみんな思っているのかしら。
まあ、それはわかります。私だってそう考えますから。

バスの中はギュウギュウの大混雑。30分ほど揺られて、終点で降りました。

○ かまの歓迎

下りたところに大きなカマが、デデーンと置かれていました。
さすが、三崎口らしいお出迎えです。



三崎港の辺りには、まぐろ専門店がいくつもあります。
バスから降りた人々は、それぞれお目当てのお店に散っていきますが、私たちはそうした人々に背中を向けて、内地に向かう道を歩いていきました。

○ 三浦の断層

「あっ、断層だ!」「わあ、きれい!」
お喋りを突如中断して、二人で無言で撮影し始めます。



だって私たちは、高校で地学を選択した者同士。
当時は校外学習として、地学の先生の引率の元、一緒にこの辺りの断層のスケッチをしていました。
その教えを受けた私たちにとって、三浦といったらまず断層なんです~。
いやあ、久しぶりにいいラインが見られました。

○ 海南神社

いい断層を間近で見られてテンションが上がった私たち、足取り軽やかに次に訪れたのは、海南神社でした。



三崎港の守護神となっているこの神社。朱色の拝殿は、竜宮城のような華やかさです。



瘤が下がっているようなイチョウは、周りと比べると、かなり巨木だということがお分かり頂けるでしょう。
その下には、備前焼の狛犬がいました。
関東ではあまり見かけないので、嬉しくなります。
見どころの多い神社でした。



○ スナック イタコ

参拝を終わって神社からの直線道を歩いていると、突然目に飛び込んできたのが、このお店。
「スナック イタコ」という看板が出ています。
・・・ええっ!?
びっくりして立ち止まりました。
「イ、イタコ??」
「どうしてこの名前なんだろう?」
「神社のそばなのに・・・」
「そしてなぜステンドグラス調?キリスト教風じゃない・・・」

周りには誰もいないのに、ついひそひそ声で話をする私たち。

何度見ても、見間違いではありません。
とっても気になったのですが、休日だからか時間が早いのか、まだお店はやっておらず、謎は謎のままでした。

この看板を見た瞬間、「恐山のイタコ」のことを連想していましたが、後になって考えてみると、もしかすると「潮来」の方かもしれませんね。でもカタカナですから、やっぱり青森かな。
どなたか、「イタコ」の店名の由来を知っている方がいらしたら、教えて下さーい。



満足して再びバス停に戻ってきたら、先ほどよりも人がびっしり。
そうかあ、行きが混んでいたから、同じ数の人が駅に戻る帰りだって激込みになりますね。
行列はバス停のある小さな公園の周りに長く伸びていきます。
その囲みを抜けて、夕暮れ時の港をパチリ。
無人に見えますが、人の列は私の背後にとぐろを巻いていました。



やってきたバスになんとか乗り込みました。車内は混み混みで、足の置き場もないほどですが、夕暮れ時の帰りの車が増えて道路が混み、バスはしょっちゅう止まります。
大幅に時間がずれてようやく駅に到着した時には、日はほとんど沈んでいました。
本当は、この後葉山方面にある神社に行って、そこからの夕日を眺めたかったのですが、お花見というイレギュラーなイベントによる大混雑により、タイムアウト。
ちょうど逢魔時(おうまがとき)です。無理はやめておきましょう。

○ どぶ板うろうろ

では夕食にしましょう。
「どこで食べる?」
パスの範囲内なら、どこにでも移動できます。
「横須賀にしようか」
「OK!じゃあなに食べよう?」
ネット検索したら、横須賀にも勝烈庵があるとわかったので、さいか屋に行ってみました。
お店がないなあと調べ直したら、売店のみで食堂はないと判明。

「じゃあ、横須賀カレーか横須賀バーガーにしよう」
両方食べられるお店に向かいますが、すぐに見つけられず、どぶ板横丁をぐるぐる回ります。
すっかり夜になり、ネオンが輝き始めている頃。
ここはアメリカ色が強い地域なので、危なくないかなとちょっと気になりましたが、家族連れの子供も歩いているのを見て(思ったより安全みたい)と、緊張を解きました。



それでもやっぱり迫力があります。
一人で歩くのは勇気がいる感じ。



○ 横須賀グルメのお店

探していた店、Shellは、上のお店の向かいにありました。
居酒屋というので、それっぽい外観を探して、前を素通りしていたのです。
全く居酒屋っぽくない、英語ベースのオシャレな店構えでした。



軍港がそばにあるからか、マリン関係のものがたくさん展示されていました。
そこに「Tシャツ 空母信濃オリジナル ☆アメリカサイズ☆S・M・L」
という手書きの紙が貼ってありました。



マニアにはたまら~ん!なのでしょうね。
空母信濃Tシャツって、どういう柄なのか気になります。
信濃の国は海なし県なのに、名前のついた空母艦があるとはねえ・・・。
 


横須賀カレーと横須賀ハンバーグ、どちらもメニューにありました。
私はハンバーグ、さっちゃんはカレー。本格ビーフがおいしいハンバーグでした。



○ 京急横浜の桜ポスター

食後は京急の上りに乗って、一路横浜まで。
途中でさっちゃんとバイバイしました。

行きには気がつきませんでしたが、帰りの京急横浜駅には、びっしりと桜のポスターが貼られていました。
混んでいたのは、これだったのね~!



○ epilogue

たっぷり移動して、三浦半島を満喫した一日。
初めての神社ばかり巡ることができて、どこも新鮮でした。
身近だけれと少し遠い三浦半島には、まだまだ知らない場所は多そう。
便利な1日パスがあるので、また気軽に訪れたいです。



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