風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

雪の金沢、北の幸 1-(1)

2016-04-05 | 中部(北陸)
[2016.2.14]
○ prologue

2016年2回目の旅行は、金沢。
久しぶりの北陸、楽しみ~。北陸新幹線も通ったし。
前回同様、今回も用事ありきの旅ですが、時間を調整して観光もできそうです。
おいしいものを食べたいな。

前回訪れたのはずいぶん前の話ですが、その時は白川郷と飛騨・高山がメインのツアー旅行でした。
「雪が積もった景色が見たいね」と真冬に行ったのです。
だから、次は夏に訪れたいと思っていましたが、またもや真冬!
しっかり防寒していかなくちゃ。

金沢出身の友人にいろいろと情報を教えてもらいました。いよいよ期待が募ります。

○ 強風の始発

当日は4時台に起床。
この日は強風で、朝から風が窓をガタガタと揺らしています。
始発で東京駅に向かいました。
新幹線は止まらなくても、それに乗るために東京駅へ行く途中の在来線が徐行したり、止まってしまって、新幹線に乗り損ねてしまっては大変です。
こういう、天気が不安な時には、予定より速い電車で向かいたいのですが、そもそも始発電車に乗っていくため、それ以上早い電車はなく、どうにもできませんでした。

この日は日曜日。サタデーナイトに深酒しすぎたのか、派手に眠りこけている人がいます。
でも私は、それどころではありません。(電車が遅れませんように)とハラハラ。



○ 初めての北陸新幹線

JRは少し遅れたものの、それでもまあまあ予定通りに東京駅に到着。
先頭車両を撮影する時間もありました。カッコイイ~!
無事に新幹線に乗ることができて、あーよかった。ほっとひと息です。



初めての北陸新幹線。普通席でも間隔があって、足が楽です。
日曜の始発便なので、かなりガラガラ。横に2+3で5列ある席にいるのは私だけ。



乗客はみんな寝ています。
東京を出た頃は、外はまだ暗かったけれど、大宮を過ぎたあたりから少しずつ明るくなってきました。

○ 話題の上田城を探す

東京は春の気候でしたが、長野に入るとがらりと変わって、窓の外は雪景色。
長野の人に「新幹線から上田城が見えるよ」と教えてもらっていました。
上田は今年の大河ドラマ『真田丸』で、今ホットに盛り上がっている場所。
見つけよう!と意気込んでいましたが、探せずにいるうちに、長野駅に到着。
ということは、通り過ぎてしまったんだわー。



後で聞いたところ、上田城は3列席側(東京からだと通路右側)から見えるそうです。
私は、2列席の方に座っていたので、逆サイドでした。
いくら窓の外を探しても見つからなかったわけです。ぎゃふん。
まあ、一目でパッと上田城がわかるかと言われると、微妙ですしね…。



長野を過ぎると、次第にトンネルが多くなってきました。山岳地帯に入ったということです。
外が暗くなると、比例して眠くなってきます。
朝早かったので、目を閉じてうつらうつら。
北陸も天気が悪いようで、サンダーバードも運行中止だというアナウンスが聞こえてきました。

○ 初めての富山をスルー

富山駅までやってきました。
実は富山は私にとって、47都道府県内で唯一行ったことがない県。
富山県の中に入ったのは、初めてです。
別に北陸を避けていたわけではありません。福井県にももう行っています。
マイ未踏の地ラスト3県は散らばっており、一昨年は鳥取、去年は愛媛を訪れて、いよいよ最後に残ったのがこのお薬の国でした。

なぜ一番最後に富山が残ったのか、自分でもわかりません。
黒部に行きたいなあと、前々から思っているんですけれどね。



「かがやき」は数駅しか停車しません。
初めての北陸新幹線でテンションが上がっているせいかもしれませんが、思ったよりもあっさり富山まで来た感じです。

隣駅は「くろべうなづきおんせん」。ふむふむ。
漢字で書くと、宇奈月温泉でした。頷くんじゃなかったのね。

通ったものの、まだ未踏の地のままなので、今回はカウントに入りません。
富山を訪れるのはいつになるかしらー。
最後の場所は、しばらく残しておきたいなあという気もあったりします。

金沢まではあと20分。もうすぐです。
前に金沢に行った時には空路しかなく、飛行機で小松空港まで飛び、それから金沢市街に移動したので、東京駅から一本で行けるなんて、便利になりました。

それでも最速新幹線で2時間半はかかるので、日本横断にはそれなりの時間がかかるんだなあと、改めて思います。

○ 品のある金沢駅

初めての金沢駅に到着しました。
なんとなく品の良い雰囲気に包まれている、さすがは加賀百万石の城下町。
おヒゲのダルマの、ひゃくまんさんがおでむかえしてくれます。



鼓橋は、繊細なマイクロファイバー的なイメージでしたが。近くで見るとかなり頑丈。
むしろ「ジャックと豆の木」のようです。
新幹線開通と同時にできたオブジェかと思っていましたが、もうできてから10年たつんだそうです。



レンタサイクルで町の中を動き回ろうと思っていましたが、雨が降っていたので、残念ながらアウト。

「金沢駅は遠くから見る繭の形をしているのよ」と母が言っていたので、駅から少し離れた場所まで行って振り返ってみました。
確かにコクーンでした。
一見スタジアムのような大きな白いドームが駅だと考えると、珍しい感じがします。



駅前大通は、ずっと長いアーケードが続いていたので、バスに乗らずにそのまま歩いて行きました。

○ 雨の中を散歩

もともと自転車で気ままに動こうと思っていたため、どこに行こうかはっきり決めていません。
さしあたり、ひがし茶屋町に向かうことにしました。
雨はそんなにザーザー降ってはいませんが、風が強く、アーケードがなくなると、雨風が四方八方から吹き付けてくるため、傘をさしていても全身濡れてしまいます。



バスに乗ったら濡れずにすみますが、金沢の古都散策をしたかったので、やっぱり歩くことに。
我ながら(物好きかも)と思いますが、ふとこうした味のある古い建物に出くわすと、足が停まります。



途中、「市媛(いちひめ)神社」という神社がありました。「市姫神社」とも書くそうです。
京都には、同じ読みの「市比賣神社」があります。
関係があるのかしら?

久保市乙剣宮を参拝。ご祭神は素盞鳴命(スサノオノミコト)。神社の名前は、彼がヤマタノオロチを退治した草薙剣を意味しているのでしょうか。



向かいには泉鏡花記念館がありました。金沢の人なんですね。
子供の頃、彼は乙剣宮の境内で遊んでいたそうです。



女川と呼ばれる浅野川ですが、この日は雨で水かさが増していました。
もうちょっとであふれそうで、ドキドキ。



浅野川のほとりにある川沿いの整備された公園、橋場町緑地。



大正11年(1922年)に架けられた、レトロ感あふれる浅野川大橋。
ここを渡ると、いよいよ茶屋町です。



○ ひがし茶屋町

ひがし茶屋街。前に訪れた頃のぼんやりとした記憶があります。
憶えている辺りに行けるかなと思いながら向かうと、すぐに記憶がよみがえってきました。



以前訪れた時も確か天気が悪くて、この辺りを観光した時にはやっぱり傘をさしていたなあと思い出しました。
それはそれで、しっとりとした趣があっていいものです。



金沢は日本の金箔の99%を作っている、ほぼここだけの産業。
金箔黄金のマスクに目が吸い寄せられます。ギリシアの考古博物館で見た、アガメムノンのお面みたい。



烏骨鶏の卵で作ったアイスに金箔を乗せるのが、金沢流ソフトだとか。
贅沢~~!でも寒い日だったので、眺めるだけにしました。

○ 整いつつある金沢城公園

藩士の家を眺めたりしながら、金沢城へ向かいます。
前に訪れた時のお城の印象はまったく残っていないため、おそらく石垣の中は観光しなかったはず。

以前、ここには金沢大学があり、ドイツのハイデルベルク大学と同様に「城壁の中の大学」と言われていたそうですが、今では大学は移転し、かつてのお城の姿が少しずつ整えられているのだそう。
大手門から入ると、だだっ広い新丸広場があり、その向こうにそびえたつ巨大な復元城郭が見えました。



リニューアルしたての河北門に上ってみました。眺望がよく、遠くまで見渡せます。
広々とした二の門の中にも入れました。出来てから数年経ちますが、丁寧に保存されているのか、まだ木の香りがするような新しさがありました。

○ 白門の中を歩く

国指定重要文化財の石川門が、この日特別公開されていました。
中は暗そうですが、靴を脱ぎ、勇気を出して、おそるおそる入ってみることに。



東大の赤門と比び称されて、白門と呼ばれる優美な門。
枡形門の形式です。



門の中は、長い廊下になっていました。
中には明かりがなく、窓から差し込む外の光のみのうす暗い空間。
とてもすいていて、角を曲がると広々とした空間にほぼ一人。



ここから出してくれぇ~!と、しがみついて叫びたくなるほど、雰囲気たっぷり。



それにしても美しい白い門。
通常非公開の建築物の中に入れて、ほとんど貸し切りで満喫できたので、嬉しくなりました。

○ 三十間長屋

門の中をぐるりと一回りし、ニコニコ顔で戻ってきたせいか、帰りしなに出口の係員に「三十間長屋も特別公開中ですよ」と教えてもらいました。
そこで場所を聞いて行ってみることにします。
三の丸広場と二の丸広場を通り抜けていったところにあった、藩政時代の建造物。
こちらも、国の重要文化財に指定されています。

京都の三十三間堂に名前が似ているなあと思いましたが、もちろん完全に別もの。
こちらは納屋ですからね。でも外側は優美です。



中に入るとやっぱり暗い~。
2階に上がり降りする時に、木の階段がよく見えなくて、かなり自分のバランス力が試されました。
こちらもほぼ貸し切り状態で見学できました。なんだか贅沢だわー。



ここでも、満足してニコニコしていたのか、そもそも女性一人でふらりと訪れるのが珍しい場所だからか、帰りがけに係員の人に「次はどこに行くの?」と話しかけられました。
「尾山神社に行こうと思って」と話すと、行き方を教えてくれましたが、初めて行くにはちょっとわかりにくいルート。
目をパチパチしていたら「数年後には、お城からまっすぐ行けるようになるよ」と教えてくれました。
お城から石川門を通って兼六園にまっすぐ行けるように、神社への新しい道を作るんでしょうか?

通常、雷は夏に起こるものですが「北陸では冬に大きな雷が起きる」とも教えてくれました。
空気が乾燥している時だと、盛大な静電気も起こりそう。関係ないかな?

○ 庭や石垣

三十間長屋の中からも窓越しに見えた、玉泉院丸庭園の横を通って、坂を降りていきます。
去年の3月に、加賀藩時の池泉回遊式の庭園の姿が再現されたばかりだそうです。



天守閣がないのは、作っても作っても雷が落ちてしまうので、作るのがイヤになったため。という説明。
徳川家康に目を付けられないための対策だと聞いていたけれど、どっちかな。どっちもかな。
久しぶりに訪れた金沢城が、かなり整備されていることに驚きました。



いろいろな時代の石垣が残されている金沢城は「石垣の博物館」と呼ばれているとか。
ほとんどの石垣が、藩の頃のままに保存されているそうです。
見とれるほど立派です。丁寧に作られているわ。

城門や納屋の中に入って喜んだり、石垣に見とれたりと、我ながらちょっとマニアックになってきたなと思いながら、その2に続きます。


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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2016-04-05 15:25:13
すごいところで酔いつぶれている乗客ですね。
よく気づかれずに撮れましたね。

大阪だったら
「何勝手に撮っとんじゃい」
なんて言われたりして・・・(笑)

真田丸を楽しみに見てるので
上田城へは行ってみたいですね。
戦国時代に築城したものは
石垣や城の工夫は要塞そのもですね。

金沢は魚も美味しくて素敵な街です。

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アネッティワールドさん (リカ)
2016-04-06 00:28:29
あの乗客は、熟睡していて全然動きませんでした。ほかの乗客もみんな寝ていて静かな車内。休日の始発はまったりしているなあと思いましたよ。

私も真田丸を観ていますが、ちょっと今は精霊の守り人の方に気持ちがいっています(笑)。
金沢に行きやすくなって、嬉しいでーす。
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