また雨が降っている。ただ今、絶賛「遅れてきた花粉症」の真っ最中。
目をこすりつつ鼻かみながらかかりつけ医のもとに駆け込み、処方された飲み薬、点鼻薬&点眼薬で何とかしのいでいるところ。
長編小説は今そんなに読みたくない、と思っていることが如実に表れた感のある選書だったのだろうか?
いや「音楽」と「ソナチネ」というそれぞれ短歌集と詩集の題名にまず惹かれて読みたくなり、エッセイは夏葉社の新刊ということに惹かれて手に取った。
短歌の岡野大嗣さん、詩の呉基禎さん、そして小説家の万城目学さんとこの三冊、この三人の作品を読むのは初めてだった。
そして、どの本も手に取った時、大事にしよう、大切に読もうと思わせる佇まいの美しさにまず魅了される。
ぐっときたり、何度も読み返したり、へへへっっと思わず笑いながら読んでいたりなのだが、小さな本を開いて見つける、また導かれる世界の広さに現実をつかの間脇に置いて夢中になれる楽しさに溺れる。
『音楽』
著者:岡野大嗣
装画:佐々木美穂 装丁:佐々木暁
ナナロク社
収録歌は300首を超えますが、ボリュームを感じるよりも、 読後感は、自分だけの名曲にふれたような高揚感に満ちています。 装丁には佐々木暁を迎え、上製「継ぎ表紙」の造本による美しい造本の歌集になりました。~「ナナロク社」HPより
『ソナチネ』
著者:呉基禎
1990年生まれ。2017年、ユリイカ新人賞。「ユリイカ」掲載2017年1月号「雨」2018年4月号「柳」「トチノキ」「くちなし」2020年11月号 「世界井戸仮説」「白鷺」「滝」~「古書善行堂」HPより
『万感のおもい』
著者:万城目学
夏葉社
さまざまな媒体で発表されてきた作品の中から
42編を精選。
創作のこと、大阪のこと、京都のこと、季節のこと、家族のことなど収録。
装丁のストライプは、本書のなかにある「色へのおもい」から着想。~「青と夜ノ空」HPより