今日は、土曜日のリサイタルのための、
ピアニストと最後のリハをした後、
なんとなくすっきりしない気持ちで、
会場である教会へひとりで向かいました。
午後4時、誰もいない静かな場所へ。。
扉を開けると、普段とは何かが違う、静と深みのある空間。
ステンドグラスから入ってくる明かりで、全体的にオレンジかかっています。
誰もいないので、持っているヴァイオリンケースをあけて、バッハを弾いてみる。
途中でやめて、音響を聞いてみる。
上から音が降ってくる。
祭壇の十字架を見ながらも、入り口の扉を見ながらも、
脇のステンドグラスや、壮大なパイプオルガンを見ながらも、
私の音は上から降ってきます。
なんて贅沢な時間なんだろうと思いました。
そして、入り口に置いてあった1冊のノート。
色々な方が書き込みをしています。
その1ページにみた一言。
”私たち70年前の今日この教会で式をあげました。私は、現在96歳、妻は92歳。
今も、供に生活をしています。
今日は、70年目の結婚記念日で訪れました。ありがとう。”
何時間の練習よりも、この教会での30分が、私の音楽への深みを教えてくれた気がします。