ヴァイオリン日記

オーストラリア・メルボルンでヴァイオリン弾きをしてます。日常生活で感じたこと、経験した事、きままに更新しています。

ひとりリハーサル

2011年10月05日 | 演奏について

今日は、土曜日のリサイタルのための、

ピアニストと最後のリハをした後、

なんとなくすっきりしない気持ちで、

会場である教会へひとりで向かいました。

午後4時、誰もいない静かな場所へ。。

扉を開けると、普段とは何かが違う、静と深みのある空間。

ステンドグラスから入ってくる明かりで、全体的にオレンジかかっています。

 

誰もいないので、持っているヴァイオリンケースをあけて、バッハを弾いてみる。

途中でやめて、音響を聞いてみる。

上から音が降ってくる。

祭壇の十字架を見ながらも、入り口の扉を見ながらも、

脇のステンドグラスや、壮大なパイプオルガンを見ながらも、

私の音は上から降ってきます。

なんて贅沢な時間なんだろうと思いました。

 

そして、入り口に置いてあった1冊のノート。

色々な方が書き込みをしています。

その1ページにみた一言。

 

”私たち70年前の今日この教会で式をあげました。私は、現在96歳、妻は92歳。

今も、供に生活をしています。

今日は、70年目の結婚記念日で訪れました。ありがとう。”

 

何時間の練習よりも、この教会での30分が、私の音楽への深みを教えてくれた気がします。