ヴァイオリン日記

オーストラリア・メルボルンでヴァイオリン弾きをしてます。日常生活で感じたこと、経験した事、きままに更新しています。

信頼

2005年07月31日 | 演奏について
今日は、カルテットのリハがあった。

音楽的センスや、曲の捉え方、音の性質やリズム感など、
それぞれ、個性がある。
それを、一つの音楽として、演奏するには、信頼と尊重が大切だと思う。

信頼できる仲間と、お互いの音楽を認識しあい、
音楽を膨らましてゆく。

特に、文化の違う彼らとのリハは
私の、想像力を刺激する。
音楽の比喩の仕方も人種によって様々だ。

お互い、私たちの中で眠っている
創造力をひっぱりだし、
さらに、豊かな音楽を創造していきたい。









レイトスタータ

2005年07月29日 | 教えること
レイトスタータの場合<体をどのように使うか?>
というレッスンになるパターンが多い。

例えば、左手の3の指がうまく動かないとする。
それは、なぜか? 
左肩に力を入れて、ヴァイオリンを支えているため、
左の指先にも影響がでてしまうのだ。

こういった類の問題点を少しづつ解消し、
曲を仕上げた喜びというのは、
本当に大きなものだ。

体とヴァイオリンの関係を、一緒に学ぶ事ができる。

教える事は学ぶ事でもある。

環境

2005年07月28日 | 教えること
オーストラリアでは日本人の永住者がたくさんいる。
彼らの子供たちは、家庭では日本語を話し、学校では英語を話さなければならない。
つまり、2ヶ国語を勉強しなければならない。

多くの日本にいる日本人は、
海外にいる日本の子供は、<自然に>言葉を覚えると思っている事が多い。

彼らは<自然に>勉強する事を受け入れているのだ。
それが、普通だと感じているに違いない。

ただ、それは<自然に>英語を話せるようになるのではなく、
もちろん、そこで、学んでいるのだ。
彼らはコミュニケーションの難しさをすでに知っているに違いない。

自然に学ぶことができる環境づくりが
成長の大きなカギだと思う。










毎日の練習

2005年07月27日 | 教えること
毎日練習している子、そうでない子、
ヴァイオリンに対する価値観が、違ってくる。
 
毎日時間を決めて、歯を磨くように、顔を洗うように、
習慣にしてしまうのが良い。
私が子供の頃は、学校に行く前に、必ず練習した。
 
毎日練習している子は、ヴァイオリンに特別な感情を抱くようになる。
 
<自分には、ヴァイオリンがある。>
という気持ちを大切に育てる。




シンプルである事

2005年07月26日 | 演奏について
プラハに留学してた頃、
同じ門下の生徒が国際コンクールで2位をとった。
彼は明るく、無邪気な21歳。
それほど神経質ではなく、
レッスン中もふざけたりおしゃべりしていた。
彼の音楽について、先生は、こう言った。
「彼は、馬鹿ではない。ただ、シンプルなだけだ。」

シンプルである事は難しい。
何かが欠けても、多すぎてもいけない。
つまり、完全である事。
それは、シンプルに聞こえる。

彼のセンスは完全に音楽に溶け込んでいるのだった。
先生が言ったその「シンプルなだけだ。」
という言葉に当時、私は、とても心を動かされた。


教師としての素質

2005年07月25日 | 教えること
新しい生徒にヴァイオリンを教える時、
時々感じる事がある。
<前の教師の素質>だ。

指板に何年もシールを貼りっぱなし。
楽譜には全てカタカナでドレミが書いてある。

その子は楽譜を読み、
正しい音を判断する能力が身についているだろうか?
 
正しい音程を教えるのは難しい。
レッスンだけでなく、家での練習の時にも
注意を払わなくてはならない。
親の協力も必要だ。

私は指板にシールを長い間貼ったり
楽譜に読み仮名をふったりするのは、
逆に遠回りだと思う。

教師にやる気があれば、
子供は遠回りをしなくてもすむのだ。

子供の性格

2005年07月24日 | 教えること
子供によって、ヴァイオリンに対する好奇心がまったく違う。

<好奇心+ねばり強さ>がある子はヴァイオリンの成長もはやい。
これは、もちろん音楽だけではないかもしれない。
ただ、子供だけに、ねばっても、正しいやり方がわからない。
ねばっても、できない。。
これは、もちろんストレスの原因になり、嫌いになってしまう材料になる。

正しい方法で、ねばる。
この正しい練習方法を、うまく教えられるのが、いい教師だと思う。
私は、いつも生徒自身に答えてもらう。
「どこが弾きにくいか?それは何故か?」
 
<好奇心+ねばり強さ>のあとは、
弾く楽しさを知ってもらいたい。

子供が感じること

2005年07月22日 | 教えること
3歳児を教える。
先週教えた,ご挨拶はクリアー。
しかし、ヴァイオリンの構え方を教えようとすると
「もう、やらない!」と駄々をこねはじめた。。

まだ、彼は何も知らない。
いわば <食わず嫌い>の状態。
嫌いだと思うものを食べさせるには、
大好物のものに、何気なーく隠し味程度に混ぜ込むがよし。
その嫌いな食べ物に知らないうちに、慣れるように。
 
子供を教える。
それは、忍耐とアイデアが大半をしめる。