ヴァイオリン日記

オーストラリア・メルボルンでヴァイオリン弾きをしてます。日常生活で感じたこと、経験した事、きままに更新しています。

ホリデー

2010年06月26日 | ひとりごと
風邪をひいてしまいましたが、

消毒にビール?を飲んで10時間寝たらすごい汗をかいて、

何故か、熱は下がって、今は、セキのみです。

そして、今日で2週間のホリデーです

朝早起きしなくていいのが、すごい嬉しいけど、

何気に、学校に行って生徒の待ち時間に練習するのはすごいはかどるんです。

私のレッスン室は音楽学部のはしっこの突き当たりで、結構広い。

となりは、ホールのロビーになっていて、十字架とか、学校創始者のシスターの絵とかが、
飾ってあって、結構豪華だけど、トイレに行く度にそこを通らなくてはならない。

この前なんて、そこを通ったときに白髪のおじ様が、
生徒の書いた宗教的な絵を見て、「これ、すばらしいね。」と話しかけられたので、

大して見もせず、「ええ!色合いがいいですね。」とつたない英語で言ったら、

後で、牧師だったこと、発覚。。。

朝礼の時にはいつも白い衣装を着てるから雰囲気が全然違うんだもん。
わからない。

ともかく、今学期も無事に終わり、また充電して、がんばります




父の日

2010年06月21日 | ひとりごと
昨日は日本は父の日だったんですね。

明日は父の月命日。

亡くなってから、早くも10ヶ月。

私が聞いた最後の父の言葉は「おねえちゃんありがとね」だった。

具合が悪くなった時に、
日本に帰って、一緒に病院に行ったり、歩く練習のために散歩をしたりして、
いろいろ話をした。今までで一番一緒にいた時期かな。。

いつもの通りにメルボルンに旅立つ時、家を出るとき、父は背中を向けて寝ていた。

「お父さん、行ってくるね。ちゃんと歩く練習してね。」
「あ、行くの?がんばってね。何かあったら知らせるんだよ。
 おねえちゃん、いろいろありがとうね。」

子供の頃、工事現場の砂山?に入って足が抜けなくなった時、父が、必死に助けてくれた。
代わりに父が足をガラスで切って怪我をした。

おやすみと言いに店に行くといつも熱いちゅ~は~?と言って冗談を言っていた。

お腹が空いて店にいくと、大好きないくら巻きとしそ巻きをつくってくれた。

遠足の時のお弁当は父の海苔巻きだった。

なんか、書いてるうちに涙が止まらなくなった。

いい供養になるかぁ。

お父さん、ありがとうね。








ありがとう肩当!

2010年06月19日 | 演奏について
ヴァイオリンには肩当てという付属品がある。

ここ50年で随分普及され、今では、ヴァイオリン演奏の必需品になっている。

私も、ヴァイオリンをはじめた頃から肩当を使っていて、
約25年ずっと疑問を持つことなく当たり前として使っていた。

でも、最近というか、ここ1週間で外してみようかな~という気がして迷っていた。

その理由は、さらにいい音を出したいという欲求と、
尊敬するヴァイオリニストたちがまったく肩当を使ってないという憧れ→単純。。

で、はずしてみたら、昔はまったく肩当なしじゃ弾けなかったのに、
??? いける。。

という事は、首が短くなった??→太った???

でも、洋服を着てると滑る、
肩を出して弾いてみたら滑らないけど、
洋服を着たままだと滑る。。

でもとりあえず、耳元で良く鳴る。

ヴァイオリンを構える位置が低くなるから聞こえる音は以前より大きい。
でも、果たして聞いてる人には変わるのかという事で、
録音したり、人に聞いてもらったら、多少発音がいい。
ちょっとシャープになる感じ。

いろいろな、不安要素を抱え、そのリスクなどを調べて、
決心をつけるまでここ1週間かかった。

そして、今日から肩当をケースに入れないことにした。
代わりに、滑り止めのセーム皮をあてて弾くようにする。

演奏会シーズンまであと3ヶ月弱。
とりあえず、二股かけずに、きっぱり肩当辞めます。

私にとってはかなりの転換期で、慣れるまで体にも少し負担がかかるけど、
挫折しないよ。がんばります。

今まで愛用してきたKUNの肩当さん。
さようなら&ありがとう!







簡単な事、難しい事。

2010年06月18日 | ひとりごと
あなたにとって簡単な事が、ある人にはとてつもなく難しい事かもしれない。

現代の大ヴァイオリニストのパールマンがセサミストリートにでてる映像を発見!!


http://www.youtube.com/watch?v=z3richcoCUI



たった1分ちょいの映像だけど、すごく考えさせられる映像です

高校生の時に、運良く大パールマン先生にお会いできた事があった。
とっても、明るく、ジョーク好きのキャラで、天性のエンターテイナーだと思った。
私が、学生時代に使っていたヴァイオリンケースには
パールマンナンバー1のサインが今でも残っています。


彼は足が不自由だが、彼の演奏を見ると自分の手に障害があるように思える。。

パールマンが共演者の子供に最後に言う「ナイス」という言葉に愛情がたっぷりあって
温かい気持ちになりました!








万歳チェコ人

2010年06月16日 | ひとりごと
久しぶりにシンドラーのリストを見た。

空気が凍る寒い時期にアウシュヴィッツに友達と行った事を思い出した。
多くの人が毒殺されたというガス室にも入った。
ユダヤ人の髪でできた絨毯や、主人を亡くしたトランク、
さっき脱ぎ捨てたのかと思われる靴やサンダル、義足やメガネ、金歯などが大量に残されていて、
その夜は、ショックのあまり寝付けなかったのを覚えてる。

音楽家には才能のある素晴らしいユダヤ人が多い。

シンドラーのリストを弾くパールマンもそうだし、
ヴィニアフスキー、クライスラー、ハイフェッツ、メニューイン、
ミルシュテイン、オイストラフ、コーガン、シゲティ、カールフレッシュ。。。
名前をあげたらきりがないほど、歴史に名を残すヴァイオリニスト達。
今の美しい音楽は彼らの遺産とも言えるだろう。

そしてナチスが犯した罪を背負ったドイツはその罪を認識している。

日本も歴史認識は必要ではないか。

その時の<正しいもの>はその環境や時代によって変わってくる。
でも、私は、人が感じる根本的な<美しさ>は変わらないんじゃないかと思う。

人には時間という観念があるからこそ、美しさを感じるのではないか。
<命>は、生まれた瞬間にもうすでに時間を持っている。

シンドラーが救った命は現在も命を持ち続けている。

それは、ほとんどの人が感じる正しいことだ。



















ドリーム アンサンブル

2010年06月11日 | ひとりごと
すごい映像を発見。

http://www.youtube.com/watch?v=tJ49G2-Chhs

アルゲリッチ、プレトニョフ、キーシン、クレーメル、レーピン、サラチャン、マイスキー。。ヴィオラの今井信子も一瞬写った。

サラチャンが、楽しそうに第2ヴァイオリンを弾いてるし、
愛しきレーピンがクレーメルの裏を弾いている!


すごすぎ。。。

偉大な現代を代表するソリスト達が一緒に音楽を楽しんでる点がすごい。
この演奏会のチケットは相当高かったかも。。。??

アルゲリッチの存在感はやはりすごい。

それにしても、キーシンだけなぜ白衣装?
かわいいからいいけど。。。















名弓

2010年06月05日 | 演奏について
今日は久しぶりにリハがあった。

ギターのミシェルもチェロのカーラも相変わらずで、
前の曲を弾いてみたが半年のブランクはまったく感じませんでした。

次の演奏会は、パガニーニとフォッサのトリオ全楽章を演奏予定です。
特にパガニーニのヴァイオリンパートは、技術的に難しいので、がんばらなくっちゃ。

ところで、日本の楽器商のサイトでロシア出身の弓作家
ニコラス・キッテルの弓が紹介されていた。

弓はフランスものにすばらしいものが集中している。
トルテ、ペカット、ペルソワ。中には2000万ほどするものもある。

ニコラス・キッテルの弓はロシア出身の作家だが、
あのハイフェッツや、エルマン、ビュータン、コーガン、メニューイン
歴史に残る大ヴァイオリン奏者が、愛用していた事でも有名で、
ロシアのトルテと言われている。

最近はなかなかお目にかかれない超貴重な弓だ。

で、楽器商に問い合わせをしてみたら、860万だそうだ

弓は結構、消耗品で、すばらしい弓でも、演奏家が一生涯で使いつぶす事もざらだ。
そういった理由で、18世紀末から19世紀の弓は徐々に少なくなって、
その価値も上がってるのかも。。

それでも、才能のあるヴァイオリニストが努力をして、
その貴重な歴史ある弓で美しい音を奏で、何万人という人を感動させる。
そう考えたら860万も決して高くないのかも?

それにしても、弓の違いがわかる人がどれくらいいるかは不明だけど。。。



















適齢期

2010年06月03日 | 教えること
6月に入りました。

メルボルンは冬に入りましたが、

昼間は暖かくまだコートは必要ないくらいの季節です。

という事でこのブログも模様替えをします。

でもこのテンプレートはすごく寒々しいですね。
ヨーロッパの冬を思いまします。

さて、この前オーディションを受けた生徒の結果がでました!
一番いい成績ではなかったけど、2番目だったので、まぁまぁですね。
うちのボスに話をしたら、学校で表彰されることになりました

生徒の成長を見るのは嬉しいものです。

来月には3人の生徒がメルボルンのコンクールに出場します。

そのうちの一人はまだ5歳。

でも、素質のある立派な演奏をします。

5歳というとまだ楽器も小さいし、手も小さいので、
余計に神経を使います。
お医者さん?で言ったら小児科→???

ある程度成長した人の悪い姿勢や変な癖は
よく見えるので、すぐに発見し、指摘できますが、
手や音が小さいとその癖も見逃してしまいがちな気がします。
5歳の手ってぐにゃぐにゃどれが癖なのかわからないこともあります。

それでも、その小さな手のちょっとした変な角度で
そのまま練習し続ける事によって、
大きな癖になってどうしようもなくなってしまうこともあります。

その角度をどうやって矯正するか。
5歳には、なかなか難しいです。

ヴァイオリンは3歳からが常識になりつつありますが、
変な癖をつけてしまうよりも、その子に合った時期を見つけて、
始める方がすんなりいくこともあります。