大切な友人のことを綴ろうと思う。
先日、大切な妹分であるピアニスト野口茜ちゃんが旅立った。
なんであんなに才能溢れる彼女が…と、まだなかなか心の整理がつかない。
茜ちゃんとの出会いはものすごく古い。
お互いのプロフェッショナルとしてのキャリアの一番最初の頃の話。
彼女は確か高校生か高校卒業したばかりくらいだったと思う。僕はまだブラジル音楽ピアニストとして活動し始めたかしてないかくらいの頃。
少し早く演奏家として活動していた僕が茜ちゃんに出会い、彼女がピアノを奏でた時に僕よりもはるかにとんでもなく上手くて、本当にすごい才能で!
で、まだプロとしては活動していなかった彼女にLIVEハウスを紹介したり、イベントを一緒にやったり、なんていう間柄。
その後の野口茜の活躍はたくさんの方が知る通り。
本当に素晴らしい大活躍。
一番最初の駆け出しの頃の仲間で、今でも高いレベルで活躍している音楽家は彼女だけ。
僕も自分が進んできたからこそわかるけど、あのレベルで活躍しているということは本当に計り知れない努力をしてきたからこそ。
しょっちゅう連絡を取ることはなかったけど、いつもお互いの活躍を気にしていてリスペクトしていて、時には嫉妬することもあったり、心から励みになったり、いつもいつも刺激とエネルギーをもらえる存在だった。
ジャンルは違うけど、良きライバルであり、愛すべき妹分。
会えばいつも昔話に花が咲いたね。
彼女がパーソナリティをやっていたラジオ番組に出演したこともあったな〜。
今度は僕の番組に遊びに来てね!なんて約束もしてた。
一昨年、大きな病気がわかり、一生懸命闘病してきた彼女とご家族。
その姿に、どれだけたくさんの人が勇気をもらったことか。
茜ちゃんもご家族も、本当に本当にすごいです。
闘病の合間、元気の良かった時期であった昨年のアタマに、一緒に二台ピアノでレコーディングをした。
あの時の感覚、今でも鮮明に覚えてる。
ピアノ同士だから、それまでなかなか演奏で絡めなかったけど、やっぱりお互いの根底のところを知ってるから何も打ち合わせしなくても楽しいアンサンブルになるんだよね。
お互いの持つカッコ良さがわかってるから、心から楽しくて。
素晴らしい時間だった。
その時に録音した野口茜のソロピアノ。
本当に凄まじかった。
素晴らしいという言葉では足りない。
思わず涙した。
素晴らしい技術も音楽性も超えた、本当にすごい演奏だった。
あの茜ちゃんの音源、いつかみなさまに届くといいな。
茜ちゃん、本当におつかれさま。
そして、ありがとう。
またいずれ、一緒に連弾、2台ピアノ、やろうぜ!