今夜は十六夜。
昨日の嵐の中秋の名月が過ぎ、あの暴風雨が嘘であったかのように、今夜は盛りを少し過ぎた丸い月が穏やかな光りを照らしている。
エネルギーが満ち溢れる十五夜…満月。
この日はあまりに神秘的で、月の力で何かが起こるのではないか、と思わすほどに全てのものが月のエネルギーに反応する。
おれの代表曲である「月の光満ちて」はまさにそんな満月の夜がイメージだ。
その満月を一日過ぎた少しかげりのある月。
十六夜(いざよい)の月。
優しく光る十六夜の月はたおやかで、全てのものを優しく受け入れてくれる。
「十六夜」という名前がついているように、日本人は盛りの少し過ぎたこの十六夜の月に美しさを感じて大切にしてきたんだよね。
そんな十六夜の月の中でもおれはまさに今夜、中秋の名月の次の日の十六夜の月がとても好きだ。
十五夜(満月)の中でも、最も強いエネルギーの中秋の名月。
最も光に満ちた月の次の日の月。
天候が崩れ、また晴れるたびに、季節は少しずつ赤や黄に染まっていく。
この穏やかな十六夜の月と変わりゆく季節。。。
夏を越えてこれから枯れてゆく草木と、十六夜の月の光が、なんとも言えない美しさを放つ。
だからかな、中秋の名月の次の日の十六夜の月明かりに身を委ねると、本当に優しく切なく穏やかな気持ちになる。
今日から十月。
今夜の十六夜の月のように、ちょっと切なくて優しくて、そんなノスタルジーなPianoを奏でたいな。