小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量として
文部科学省が年間20ミリシーベルトを基準にさだめた問題で、
関連続報をとり急ぎご紹介。
まずは4月22日に日本弁護士連合会(日弁連=JFBA)がだした、
「福島県内の学校等の校舎・校庭等の
利用判断における暫定的考え方について」に関する会長声明。
*** 日弁連会長声明JFBA Statement ***
4月19日、政府は「福島県内の学校等の校舎・校庭等の
利用判断における暫定的考え方について」を発表し、
これを踏まえて、文部科学省は、福島県教育委員会等に
同名の通知を発出した。
これによると
「児童生徒等が学校等に通える地域においては、
非常事態収束後の参考レベルの1~20mSv/年を学校等の
校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安と」するとされており、
従前の一般公衆の被ばく基準量(年間1mSv)を
最大20倍まで許容するというものとなっている。
その根拠について、文部科学省は「安全と学業継続という
社会的便益の両立を考えて判断した」と説明している。
しかしながら、この考え方には以下に述べるような問題点がある。
…(以下略。日本語版全文は以下のURLからどうぞ:
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110422_2.html
For English statement, please visit:
http://www.nichibenren.or.jp/en/activities/statements/110422.html)
*** *** ***
4月29日には、
内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)氏が
抗議の辞任、と報じられた。
*** 福島第1原発:内閣官房参与、抗議の辞任 ***
(引用者注:内閣官房参与の小佐古敏荘氏は)
小中学校の屋外活動を制限する限界放射線量を
年間20ミリシーベルトを基準に決めたことに
「容認すれば私の学者生命は終わり。
自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」と異論を唱えた。
(全文は以下のURLからどうぞ:
http://mainichi.jp/select/today/news/20110430k0000m010073000c.html )
*** *** ***
***Cabinet nuclear advisor resigns
in protest over government response to plant crisis***
...Kosako protested against the government's decision
to revise the maximum permissible level of radiation exposure
among children up to 20 millisieverts per year, saying,
"Should I approve that decision, I would no longer be a researcher.
I would not want my children to be exposed to that amount of
radiation."
Kosako revealed the Cabinet did not accept his advice that
outdoor school activities for elementary and junior high school
students near the crippled power station be restricted
to prevent them from being exposed to over 1 millisievert of
radiation per year.
"It is quite rare for nuclear power plant workers dealing with
radioactive materials to be exposed to 20 millisieverts of
radiation per year. I cannot allow infants and children
to be exposed to such high levels of radiation from an academic
as well as humanitarian point of view."...
(For full-text information, please check:
http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/national/archive/news/2011/04/30/20110430p2a00m0na005000c.html )
*** *** ***
*** 小佐古内閣参与が抗議の辞任 ***
内閣官房参与の小佐古敏荘東大大学院教授(放射線安全学)は
29日、福島第1原発事故をめぐり「政府は法律などを軽視し、
その場限りの対応で事態収束を遅らせている」と批判し、
首相官邸に参与を辞任する意向を伝えた。(中略)
同時に、福島県内の小学校校庭などに累積した放射性物質に関し、
文部科学省が示した被ばく線量基準は「国際的な常識ではなく、
行政の都合で決めている」と述べ、厳格化するよう求めた。
(全文は以下のURLからどうぞ:
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011042901000682.html )
*** *** ***
小佐古氏の辞意表明全文が以下に掲載されていた。
あわせてご紹介を。
***内閣官房参与の辞任にあたって(辞意表明)***
平成23年3月16日、私、小佐古敏荘は内閣官房参与に任ぜられ、
原子力災害の収束に向けての活動を当日から開始いたしました。
そして災害後、一ヶ月半以上が経過し、事態収束に向けての
各種対策が講じられておりますので、4月30日付けで
参与としての活動も一段落させて頂きたいと考え、
本日、総理へ退任の報告を行ってきたところです。
(中略)
ただ、まだ対策が講じられていない提言もあります。
とりわけ、次に述べる、「法と正義に則り行われるべきこと」、
「国際常識とヒューマニズムに則りやっていただくべきこと」の点では
考えていることがいくつもあります。今後、政府の対策の内の
いくつかのものについては、迅速な見直しおよび
正しい対策の実施がなされるよう望むところです。
1.原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたい
(中略)
初期のプリュームのサブマージョンに基づく
甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量
については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、
福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、
隠さず迅速に公開すべきである。
さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構による
WSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域を
カバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、
福島県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、
公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。
(中略)
放射線審議会での決定事項をまったく無視したこの決定方法は、
誰がそのような方法をとりそのように決定したのかを含めて、
明らかにされるべきでありましょう。この点、強く進言いたします。
2.「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていただきたい
(中略)
小学校等の校庭の利用基準に対して、
この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、
再度の見直しを求めます。…(後略)
全文は以下のURLからどうぞ:
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.html#more
*** *** ***
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