原発に関連する統一地方選(後半)の結果を
気づいた範囲でとりいそぎご紹介。
***新潟・柏崎刈羽と福井・敦賀***
選挙:統一地方選 再開とんでもない/議論自体タブー 原発立地の苦悩
7基合わせて821・2万キロワットと出力が世界最大の
東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県柏崎市。
市議選(定数26)には30人が立候補し、論戦が繰り広げられた。
07年の中越沖地震で被災し停止した全7基のうち4基が運転を再開し、
停止中の3基の運転再開を進めるかが注目課題だ。
(中略)
高速増殖原型炉「もんじゅ」や、敦賀原発が立地する
福井県の敦賀市議選(定数26)は28人が立候補した。
脱原発を訴え4選された無所属の今大地晴美氏(60)は
選挙戦で福島第1原発事故を取り上げたが、有権者は「敦賀は大丈夫」
という反応が多く驚いた。
(以下略。全文は以下URLからどうぞ:
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110425ddm041010116000c.html)
*****
以下は関連記事。
「原発の恩恵と不安、選挙どう響く 安全前提訴え、争点なく」
(4月21日付福井新聞)
「原発のまちで暮らすことは…」(はるみのちょっとTea-time)
原発に異をとなえて再選された敦賀市議・今大地さんのブログ。
***山口・上関***
「反原発」3人中2人当選
山口県平生町議選は新議員12人が決まった。
福島第1原発の事故を受け、
隣接する上関町で進む原発建設計画の是非も争点化。
反原発を掲げた候補3人のうち2人が当選し、住民の一定の支持を得た。
(以下省略。続きは以下のURLからどうぞ:
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201104250053.html )
*****
***東京・世田谷***
統一地方選:世田谷区長選 保坂氏「原発依存脱却を」
午後11時20分ごろ、激戦を制し初当選を果たした保坂氏は、
「ホサカ、ホサカ」のコールを受けて、事務所に登場。
拳を突き上げた支持者と喜びを分かち合った。(中略)
福島第1原発事故の収束が見えない中での選挙。
電力の大消費地にあって、防災の必要性とともに脱原発を果敢に訴えた。
当選後のインタビューでも「やはり一番危険な原発から
停止を求めていくことは必要」と話した。(中略)
原発を容認する4選を果たしたばかりの石原慎太郎知事も
応援に駆けつけた花輪氏に、5500票余の差で競り勝った。
勝因について保坂氏は
「原発依存から自然再生エネルギーへと訴えたことや、
心ある被災地支援を徹底しようと呼びかけたことが評価された」
と分析した。(全文は以下URLからどうぞ:
http://mainichi.jp/select/seiji/2011local/news/20110425k0000m040116000c.html)
*****
全国紙などでの報道にはいろいろなトーンがあるようだけれど、
統一地方選のさいに、個別の地域ではなく全国で、
これだけ原発問題が注目の争点に浮上した、ということがまず、
今回の大きな変化といっていいのではないかと思う。
世田谷区の結果がもつ意味は、特に大きいだろう。
なぜか。
トーキョーは原発立地地域ではなく、原発でつくる電力の大消費地だ。
そこで原発が争点になるようになったということは、
消費地にいる受益者にとって見えない問題だった原発が
ようやく見える問題となってきたと考えていいだろうから。
もっというと、
原発を受けいれる地域が必要としているのは
原発そのものではなく、
過疎問題とそれに由来する財政など諸問題への対処法。
それが原発受けいれに結びついているのは、国策や諸制度によって
カネや仕事が原発とパッケージ化されてきたからに過ぎない。
だから
いまのこの国で原発問題を考えるには
過疎問題をどうするかを考えることも伴ってくる。
その「過疎」が「過密」とセットで
したがって過疎地だけでは過疎問題の解決が望めない以上、
過密地=都市に暮らす人びとも問題の当事者になることが
不可欠だと考えられるから。
原発震災が起きてしまった今からでは、もう遅すぎるだろうか?
…慙愧の念とともに、遅ればせであることは認めよう。
ただ、遅すぎるということはない。つねに。
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