昨日久しぶりにイオンの中にあるMOVIXへ映画を見に行った。
目指す映画は9時40分からのウディ・アレン監督作「ミッドナイト・イン・パリ」だ。
あまりにも久しぶりすぎて、いつも行ったら車を停める4階屋上の駐車場への通路がなぜか通行止めになっていて、あわてて一つ下の3階駐車場へ移動する。
まあ私は心配性なので15分前には着いていたので余裕なのだ。
10分もあればここから歩いて2階の劇場に行って、ネットで予約したチケットを自動発券機で出しても大丈夫だと思い、9時30分に車から出て、ビルの入口へと向かう。
???、入り口自動ドアの前に立ったが、ドアは開く気配がない。
そういえばイオン自体の開店時間は10時からなので、入れる入り口が限られていたことを思い出す。
そこで周りを見渡すと、女性が一人30m程離れた入り口に向かっているのを発見、急いでそちらに向かう。
何も問題なく開く自動ドア。
やれやれと思い2階への階段を下りる。
???、目の前に大きなシャッターが立ちふさがるように降ろされ、中に入れない。
あわてて時計を見ると9時35分。
とりあえず1階まで駆け下り、いったん外へ出て別の入口を探そうと思い、すぐ目の前にあったドアから外へ出る。
見覚えのある場所だったが入り口は近くには全くない。
おまけに自分が覚えてるMOVIXへ外から入る階段のある場所は、ここからだとビルの真反対の場所だと確信する。
慌ててまたビルの中に戻り、出ていくときにちらっと見えたある店舗の中の店員を目指す。
「すいません、ここから2階の映画館へ行こうと思ったらどう行けばいいんですか?」
店員が意外そうな表情で、
「すぐ横の階段を上がればいけますけど」
と答える。
そこでシャッターが閉まっていることを説明すると、
「ああ~、シャッターが閉まってたらグルッとビルの反対側に回って行くしかないかもしれませんねえ」
とのんきに答える。
今からビルをぐるっと回ってると絶対間に合わないと思い、別の入口があったかもと思いながら、もう一度階段で2階へ向かう。
なんという奇跡、シャッターは魔法のように消え失せ、目の前にMOVIXが現れていた。
助かった・・・。
んん?窓口の方に大行列が見えるけど、みんなネットで予約してないのかね、なんて思いながら自動発券機へ向かい、チケットを取り出す。
今日は昼から「メン・イン・ブラック3」も見ることにしてたので、予約番号を間違えて出してないか確認しようとチケットをよく見る。
開始時間9時45分。
確かに予約時間は9時40分だったが、上映時間は9時45分だったんだなあ。
すでに9時40分を回った時計を見ながら、自分の慌て振りが可笑しくなってくる。
なんとか間に合ったよ。
入り口に立つもぎりの若い男にチケットを渡す。
???、「ちょっとお待ちください」なんて言いながら、男は耳にかけたイヤホフォンマイクで7番シアターに入るお客さんが来ているが通していいか、などと確認している。
さっき見たあの大行列が何か関係してるのか?あと5分で始まることを説明する。
「最初の方は予告編ですから」と思わぬ答えが返ってくる。
「いやいや、どう見てもあの行列とは関係ない映画だし、時間過ぎても入れないっておかしいでしょ」
と諦めずに説明する。
またマイクに何やら入れていいかどうか確認するもぎりのあんちゃん。
「お待たせしました、7番シアター通路右側方向へお進みください」
今日は散々だと思い、時間切れでコーヒーが買えなかったことを悔やむ。
やっと劇場の中に入ると、客席100席ほどの小さなホールに客は一人もいない。
おお!これはラッキーかもと思い、予約した中央少し後ろの6列目の真ん中に座る。
そしてすぐに場内に流れていた音楽が止み、スクリーンにはコマーシャルが流れ出す。
このまま誰も来なかったら貸切だよ、なんて思った瞬間に、大きな女性の喋り声が近づいてきた。
前方の通路から現れる二人の年配の女性と一人のおじいちゃん。
瞬間嫌な予感がする。
尚もしゃべり続ける女性二人は、私の席を通り越し、二つ後ろの列斜め右側に座る。
一方のおじいちゃんはどうやら連れではないらしく、一人前から3列目の真ん中に座る。
ウディ・アレンのおしゃれなパリの映画ってわかってるんだろうか、なんて偉そうに思う私の後ろでひたすらしゃべり続ける女性二人組。
人が少ないせいもあるのだろうか、普通であれば少なからず遠慮して、声を抑えて喋るんだろうが、二人はお構いなしに道端で普通に喋ってるようなトーンで喋り続ける。
んん~、まだ予告編だからいいけど、始まったら静かにしてくれるんだろうかと徐々に心配になってくる。
そしてスクリーンにはいよいよ上映開始寸前に流れるお馴染みのMOVIXのテーマソングと、カバさんと人間が映画を見てるアニメが映し出される。
「映画って楽しいねえ~、みんな一つになれるよ~♪」
いよいよ調子に乗ってしゃべり続ける2人。
ここで私が声を出して注意すれば、相手もせっかっく映画を見に来てるのに不愉快な気分にもなるだろうし、自分も言ってしまったらしばらく集中できないだろうなあ、なんてこの期に及んで考えていた。
が、そこへ場違いな大きな笑い声がこだまする。
「すいません、もうちょっと静かにしてもらえませんか!」
気が付いたら大きな声を出していた。
「すいません・・」
という小さな声が返ってくる。
その瞬間に映画が始まる。
次々と映し出されるパリの美しい街並み。
予想してた通り、興奮状態で全く映画に集中できず。
まあそんな気分は開始5分くらいですぐに消えてしまい、なんとか普通に映画を楽しむことはできた、ッホ。
そして無事映画は終わると、まだエンドロールの流れている暗い場内を、こそこそと出ていく二人の女性を見てしまい、すぐに現実に引き戻され複雑な気分になる。
たぶん始まったら静かにしてくれたんだろうになあ~、言っちゃったなあ~・・・。
それにしても騒々しい朝だったなあ。
場内が明るくなってもしばらく席に座り続けていた・・・。