TBSの火曜夜10時に放送しているTVドラマ、『ファイトソング』が気になっています。
10万人に一人という「聴神経腫瘍」という言葉、自分が罹ってしまうまで一度も聞いたことがありませんでした。
どういう偶然なのか、なんとドラマの主人公が「聴神経腫瘍」に罹っているというのが、この『ファイトソング』です。
NHKの朝ドラ『おかえりモネ』のモネ役の清原果耶さんが、その主人公の花枝を演じてます。
彼女はこの病により両耳が聞こえなくなってしまうかもしれないという設定です。
学生時代から空手一筋で生きてきた花枝は、ある日交通事故により日本代表の夢を絶たれます。
それ以来無気力に人生を過ごしていた花枝は、幼なじみの慎吾が経営するハウスクリーニングで、バイトをしていました。
そんなある日、ハウスクリーニングで入ったマンションで、運命の出会いが訪れます・・・。
一昔前のドラマを見ているような、リアリティのない台詞や演出と、登場人物たちの演技がことごとく浮いているという、なんだか微妙に盛り上がらないドラマなんですが(笑)、「聴神経腫瘍」をどういう風に扱っていくのか気になって、毎週見ています。
両側に腫瘍ができてしまうっていうのは、極めて希だと思うんですけど、花枝には突然塞ぎ込むような頭痛が襲ってきたり、先週は気を失ったりとかかなり激しい症状が現れています。
この腫瘍はゆっくりと大きくなっていくので、そんな重傷になるまで、なにか耳鳴りとか初期症状が無かったのかとか、なんでもっと早く病院へ検査に行ってないのかとか、ドラマなんですが悔しくて悔しくて。
私の場合は、耳が聞こえずらいとか、めまいやふらつきということもなかったです。
発見できたのは、会社で定期的に受けている健康診断の脳ドックです。
この脳ドックが無ければ、今も分かってないと思います。
至って健康なので、検査なんて必要ないと思う方もいると思いますが、私のように検査で異常が発見されるケースもあるし、異常が無いということを確認するという意味でも、定期的な検査は大事だと思います。
ドラマの方は、いよいよ手術をする日がやってくるようです。
ドラマチックにするためだけに「聴神経腫瘍」が使われていそうですが、実際に現実の世界で今もこの病気で悩み闘ってる人たちがいるという事実が認識されるということにおいて、目が離せないドラマかなあ、なんて思いました。
幸せなエンディングを期待しています。
ガンマナイフ治療から明日で2週間目になります。
治療後ずっと気になっていた症状で、ガンマナイフを放射した右側の頭皮の麻痺があったんですが、今日現在まだ少し麻痺が残ってるんですが、麻痺の範囲がちょっと小さくなっています。
この頭皮の麻痺は、事前に症状として先生からも聞いてなかったので心配でしたが、時間が経てば自然に消えていく気がします。
あと少し^^
さかのぼって術後の夜のことを書きます。
多分麻酔は切れていたと思うんですが、フレームを固定するために刺さっていたピンの痕はそれほど痛くありませんでした。
どれぐらいの傷になっているのか気になって、額に貼ってあったガーゼをちょっと剥がしてみます。
思ったより小さくて安心しました。
後頭部の方は、既に傷から浮いてただ髪の毛についてるだけの状態だったので、もう剥がして捨てちゃいました。
ただこれがいけなかった。
後頭部の方はやはり枕に付けるので、ちょっと痛みがあり、浮いてても貼ってた方が良かったです。
おまけに枕のシーツに、直径1cmぐらいの丸い血痕が二つ付いてしまいました。
慌ててタオルを敷いて寝ました。
その後は多分ホッとしたのか、疲れてたのかいつしかグッスリ寝ていました。
次の朝、目が覚めるとちょうど窓の外から日が昇るのが見えました。
思わず急いで起き上がり写真を撮っていました。
「ああ~、なんかあっという間に終わっちゃったなあ」
この日は特に検査もなく、10時に退院ということでのんびりしていたんですが、朝食前突然担当の先生が病室に入ってきました。
「お疲れ様でした、調子はどうですか?」
私は朝目が覚めたときから感じていた
「何だか朝から耳鳴りがしないんです。直ったんですかね」
と言うと、先生は笑いもせず、
「気のせいです」
と言います。
そう言われた途端、ちょっと耳鳴りがし始めました^^;
それから、事前にも聞いていたんですが、このガンマナイフは治療後半年から1年でいったん腫瘍が大きくなるので、何かしらの症状が出る場合があり、気をつけて経過観察する必要があるとのことでした。
ホッとしたのもつかの間、油断ならない現実を突きつけられました。
そして退院の時が来ました。
脳ドックで腫瘍が見つかり、一年経過観察後手術するかどうか悩み、思い切ってガンマナイフ治療。
今やっと一区切りつきました。
今年に入ってからは、なんだかバタバタした感じしか残ってないけど、手術して良かったと言うよりも、早く家に帰ってこれから先のことをゆっくり考えたいっていう気分でした。
自身の状態としては手術前とほとんど変わりなく、普通に動けるしダメージもありませんでした。
帰りは自分で車を運転しました。
予定としては1ヶ月後と3ヶ月後に診察が予約されてます。
引き続き症状や、思いつくことを書き綴っていこうと思います。
とうとうガンマナイフで手術する当日を迎えます。
朝食もなく、前日に予定は8:50頃に頭を固定するフレームを付けにいきますと聞いていたので、7時くらいに目を覚ましたあとは、しばらくボーっとしてました。
ちょっと細かい時間を既に憶えてないんですが、8:30頃看護師さんが病室に来て、点滴を打つことになりました。
この時フレームを固定するために頭の前後二つずつ刺すピンの痛み止めの麻酔も一緒に入れます。
そして予定通り9時前に、自分で点滴をぶら下げたスタンドを持って移動します。
なぜか記憶がないくらい、あっという間に頭にフレームを着けられてました。
当然麻酔を打っているので痛みはありませんでした。
そしてフレーム付きのMRI検査を行いました。
その後のことも聞いていたんですが、いったん自分の病室に戻り、昼食をとって手術に入る予定になっていました。
なぜそのまま続けて手術する流れではないのかは分かりません。
さすがにフレームを着けた後は、ストレッチャー(担架みたいなやつ)に寝かされて、病室まで運んでもらいました。
病室に戻ると、手術まで待機となります。
フレームがどんな風についてるのか、ここでやっと鏡を見て確認できました。
フレームだけだったので、思ってたよりコンパクトでした。
看護師さんに記念写真も撮ってもらい、結構余裕(^^)
今ガンマナイフは別の患者が入っているので、その方の後になるためたぶん12時過ぎくらいかなと聞かされます。
なので早めに食事をとってください、ということで11頃に、フレームを着けたまま食事です。
改めてなぜそのまま続けて手術する流れではないのかと思いました。
この時の食事のメニューも憶えてないんですが、食べやすいようにどれも細かく裁断されてたことだけ記憶にあります。
余裕があったつもりだったんだけど、写真を撮るのは忘れてました。
そしてこっそりのど飴を舐めました。
先にやったMRI検査でも、朝に一粒のど飴を舐めていたので、全く喉のイガイガもなく最高に余裕でした。
のど飴恐るべし。
12:10頃看護師さんがやって来ました。
病室の前でストレッチャーに自分で乗り、さあいくぞ!って時に看護師さんの一人が、私がマスクをしてないことに気がついたのか、どこに置きましたかって聞いてきました。
んん~って考えてるときに、マスクが私の顎下にずらされてるのを発見。
小さな笑いが起きます。
どうでもいいですけど(笑)
手術室に入ると、まずそこまでいなかったかも分かりませんが、10人ぐらいの人が群がっているのが見えました。
ストレッチャーから6人ぐらいで別の台へ私をシートごとヨイショっと持ち上げて移します。
この時からずっと目をつぶってたので、なにやらわあわあ言いながら、大勢が頭のフレームにガチャガチャ何かを付けていっている感覚がありました。
大きなヘルメットを付けた写真を事前に見ていたので、多分そのヘルメットを付けてたんだと思います。
そしてまた何人かにヨイショって別の治療台に移されます。
さあ、いよいよ放射開始です。
放射の間も意識はありましたが、なぜか無性にだるかったというか眠かったです。
どこかで麻酔を打たれていたんでしょうけど、これもよく憶えていません。
放射中は痛みも全くなく、のど飴の効果もあり咳をしてしてしまう恐怖もなく、最後までリラックスした状態でいられました。
放射時間大体30~40分ぐらいだったと思います。
ガンマナイフ治療終了です。
終わるとまた大勢がフレームの解体に群がります。
まあここでも目はつぶってたのでどれぐらいの人が群がっていたのかは分かりませんが。
フレームのピンを外すと、つーっと何か液体が流れる感覚があったので、多分血が流れてたんだと思います。
いそいでそこへガーゼを貼り付けていきます。
すべて外し終わったらしく、またまたヨイショって何人かが持ち上げて、ストレッチャーへ移します。
病室へ移動しているときに、自分で右耳の横で指を擦ってみました。
カサッカサッ
と音が聞こえます。
大丈夫、聞こえなくなってはないとちょっと安心しました。
病室に着き、看護師さんに自分で降りれますかと聞かれたので、降りてみます。
なんともありません。
成功したのか、失敗したのか結果は知らされませんでした。
私もなぜか全部終わってホッとしてたからなのか、看護師さんにも聞きませんでした。
とにかくやっと終わりました。
とうとう入院の日がやってきました。
場合によっては4人部屋になるかもって入院案内の日に説明されてたので、希望通り個室に案内されてホッとします。
人間ドックで病室には泊まったことはあったけど、気分は全然違います。
病室に入って、年季の入ったベッドや棚とかをみて、まず思ったのが、様子見で経過観察でよかったんじゃないか、でした。
今更(笑)
看護師さんに「これからMRI検査がありますけど、準備がありますのでちょっとここで休んでいてください」と言われたので、看護師さんがいなくなってから部屋をあちこち見て回り、とりあえず部屋の写真を撮りました。
他にやることもないので、改めて入院案内のパンフレットを読みます。
その中にしきりに院内での盗難に気をつけてくださいと書いてあります。
ホテルと違って、病室のドアは鍵がかからないんですよね、当たり前だけど。
まず引き出しの中の保管BOXを確認しました。
財布とスマホぐらいは入るなあ。
冷蔵庫に持ってきた水のペットボトルを2本入れます。
院内にコンビニの売店があったので、いろいろ買いに行けばいいって思ってましたけど、結局最後まで空いた時間にコンビニに行くということはありませんでした。
入院前は、多分暇になるので病室を出てコンビニでお菓子でも買っちゃおうか、なんて思ってましたけど、そんな気分も全く起こらず、とにかく部屋にじっとしていたかったです。
水持ってきといてよかったあ。
病室の中をうろうろトイレやらシャワーを確認していると、看護師さんがやってきてMRI検査の部屋へ連れて行かれます。
そこで検査着に着替え、検査台に横たわり、動かないように頭や体にベルトを巻かれ、さあMRIの洞窟に移動かなと思った瞬間、検査室の人が私の両腕を慌てて確認しだしました。
私も忘れてたんですが、造影剤を入れる注射器を病室で刺しておくはずが、看護師さんが忘れてたようでした。
もう一度検査台から解放されて、看護師さんがやってくるまで検査着の着替えの小さい部屋で待たされることになりました。
15分ぐらい経って看護師さんがやってきました。
待ってる間、
「こんなことでミスってて、ガンマナイフほんとに大丈夫?」
なんて、ちょっと不安になりました。
看護師さんは謝りながら手際よく注射器を刺し、再びMRIの検査台の乗せられ、無事検査終了です。
この何度も受けたMRI検査なんですけど、一度めちゃめちゃ喉がイガイガして、咳をして頭が動かないように相当我慢したトラウマがあり、看護師さんに検査前にのど飴なめていいですかと、案内の道すがら聞いてみました。
ガンマナイフでも、いくら頭を固定しても咳が出たらどうしようという不安が、ずっと頭の中にありました。
看護師さんは
「んん~、なんとも言えません。いいですとも言えないです」
と苦笑いしながら答えました。
んっ、どっち?私は、
「まあ分からないように事前に舐めときます」
といっても看護師さんはただただ苦笑いです。
でもこののど飴のおかげで、MRI検査もガンマナイフもかなりリラックスして受けることができました。
術中に舐めてたんじゃないですよ、当然ですけど^^;
MRI検査が終わり、注射器を刺したまま今度は聴力検査です。
前回は周波数を変えて、聞こえたらボタンを押すっていう検査でしたが、今回は言葉をしゃべるので、聞こえた言葉を順番に紙に書いていくというものでした。
音量を変えて何度も書いていきます。
ヘッドホンから聞こえてくる言葉は機械がしゃべってる言葉なんですけど、毎回「し」が「び」に聞こえてかなり音量を上げるまで繰り返し検査しました。
最後はもう「び」がないことが分かったので、聞こえたら「し」と書いて、正解率100%で終了できました。
絶対機械の発音が悪いw
検査が終わってやっと病室に帰ります。
そこで看護師さんが言います。
「注射器どうします?このままにします?」
いやいや、注射器腕に刺したまま眠らないでしょう。
抜いてくださいというと、
「明日の朝、点滴があるんでまた注射することになりますよ」
いやいや、寝てる間に注射器の針が突き抜けてるイメージしかないというと、
「注射器の針はもう入ってなくて、代わりに血管に細い管が入ってるんですよ」
それでも抜いてほしいというと、やっと注射器を抜いてくれました。
抜く瞬間を見たんですが、針の代わりに極細の長さ2cmぐらいの管が、にゅうって出てきた時はちょっと引いちゃいました。
でもこれで安心して寝れます。
いろいろ記録を残そうとこの日の夕食の写真まで撮りました^^
入院中の食事ってこんなに少ないんだって、ちょっと驚きました。
と同時に普通はこれくらいでいつもが食べ過ぎなんだな(笑)
消灯時間が9時半だったので、9時には部屋の明かりを消し寝る態勢になったんですが、やっぱりいよいよ明日がガンマナイフだと思うと、なかなか眠れません。
夜中の2時までは何度も枕元に置いた腕時計で確認してたので憶えています。
そして次の朝を迎えます。
ちょっと眠れたようです。
それは目が覚めた瞬間、
「あ~、ここ病室だ」
って、今病室にいることに気がついたから(笑)
大丈夫、なんとか眠れたみたい(^^)
ガンマナイフ治療を受けて、今日でちょうど一週間が経ちました。
現在の状態は、耳鳴りの状態は相変わらず一日中キーンという高音が、右側の耳から鳴りっぱなしです。
聴力でいうと、これも手術前と変わらず普通に聞こえています。
ただガンマナイフ治療で、頭が動かないようにフレームをつけた時の、頭の前後二つずつの締め付け後の1mmぐらいの丸い傷が残っています。
額側二つは既にかさぶたが出来かけています。
後頭部の二つは見えないのでよくわからないけど、タンコブが出来たみたいに盛り上がってて、触ってももう痛くないです。
そして今一番気になっていることが、右側の額の傷の周りから頭頂部の皮膚感が若干麻痺してるとまでは言わないけど、ちょっと鈍いです。
んん~、ちょっと顔面麻痺なんじゃないか心配してます。
年が明けて、もう一度新しく紹介された病院へ行きます。
経過観察とどちらにしようかずいぶん悩みましたけど、この時点ではガンマナイフを決意してました。
先生にその旨伝え、2/3の手術日が決定します。
前回日を空けてもう一度話をということだったので、そのまま入院の手続きに入ると思ったんですが、ここからまたMRI検査・心電図・採血・聴力検査・記憶力検査を受けました。
何回MRI検査受けてんだか(笑)
さあ、入院の手続きに入ります。
入院から退院までわずか2泊3日です。
既にもう憶えてないですけど、いろんな書類にサインをした後、病室は三日なので個室でお願いし、入院用のパジャマやタオルのセットを申し込んだり、ああ~、入院するんだという実感が沸いてきました。
そして大事な入院費の話になります。
治療費は自己負担3割で大体18万円ぐらいだと言われました。
そして自分で調べていたんですが、医療費が高額になる場合は、『高額医療費制度』というものがあり、事前に手続きをしていれば窓口で支払う医療費が、自己負担限度額までになります。
私はこの手続きをして、入院日に『健康保険限度額適用認定証』を提出し、自己負担8万円(所得によって変わってきます)になりました。
一通り入院案内を聞き、最後に入院の二日前にもう一度PCR検査に来てくださいと言われます。
唾液を容器に入れ提出するだけです。
結果は教えてくれなかったけど、入院できたってことは陰性だったんでしょうね^^;
そして予定通り入院します。
新しく紹介された病院は、車で1時間ほどかかる隣県の脳血管・脳神経疾患を中心に治療を行う病院でした。
よくよく調べると、この放射線治療で使うガンマナイフ装置は限られた病院にしかありませんでした。
あらかじめ前の病院からMRI検査の画像やら、紹介状も送っていただいていたので、受付から担当の先生がいる部屋まで迷路のような院内を看護師さんが案内してくれます。
部屋に入ると先生は、挨拶するやいなや、すぐに放射線治療におけるメリット・デメリットをいろんなデータの数値も上げながら説明をしてくれました。
・放射線治療による聴力の損失や、顔面神経麻痺が発生する確率が外科手術に比べて極めて低い
・デメリットとして極めて希に術後に悪性化することもあるが、まずない
・聴力は大体半数の確率で落ちてしまうが、ほっておくよりは落ち方が緩やかになる
・私のように有効聴力がまだある人は、ほとんど下がらないケースもある
・入院して治療を行えば2泊3日で退院できる
・つい最近、何も症状がない場合でも、放射線治療を行った方がいいという論文が出た
この症状がなくても放射線治療を行った方がいい結果が出ているという話、ネットにもなく初めて聞くものでした。
さらにガンマナイフ治療の話の中で、強烈に先生に信頼を預ける気持ちになりました。
それはガンマナイフは放射線を集中して腫瘍にピンポイントに当てる必要があるため、術中は頭を固定させるためフレームをつけます。
局所麻酔を打って固定するためかなり強烈に締め上げるようでした。
ただ事前にこの病院のHPで、そのフレームの代わりに新たに顔全体を編み目のマスクで固定する『マスク固定システム』を導入していて、痛みもないような記事があったので、当然マスクかなと思っていると、先生はマスク固定をきっぱりと否定しました。
「マスクはわずかでも絶対に放射がずれるので、私は絶対に使いません」
HPでもおもっきり紹介しているのにこの潔さ、もうすっかり気分はガンマナイフです。
さらにこちらの病院はガンマナイフ装置も『ガンマナイフIcon(アイコン)』に更新されており、かなりの患者数の実績もあったので先生に「手術します」と言うと、先生は今気持ちが高ぶって手術する気持ちになっているはずなので、後日日を開けじっくり考えたあともう一度話をしましょうと言われました。
この日は去年のクリスマスイブ12/24、そして年明け1/7にもう一度病院を訪れることになりました。
こんなに落ち着かない年末始は初めてでした。
聴神経腫瘍になって一番悩んだことは、このまま経過観察でいくか、手術するかでした。
そしてその手術には頭に穴を開けて腫瘍を切除する外科手術と、腫瘍に放射線を照射して腫瘍の増大を押さえるガンマナイフ治療がありました。
この腫瘍は大体一年で1mmとか2mmぐらい徐々に大きくなるというデータがあり、私は1.5cmぐらいだったので当分経過観察でいいと思っていました。
さらにこれもネットからの情報でしたが、経過観察中に腫瘍が小さくなっていく驚きの事例がありました。
そこには慌てて手術する必要もないとも書いてありました。もっとも怖かったのは、手術をしたことで聴力を失ったり、顔面神経麻痺が起こるという情報でした。
*私が一番参考にした『脳外科医 澤村豊のホームページ』
https://plaza.umin.ac.jp/sawamura/braintumors/acoustictumor/
なので1年後の検査でも、経過観察するつもりでいました。
大学病院で造影剤を使ってのMRIの再検査を受け、腫瘍の大きさが1.45cmぐらいだと確認できました。そのときの画像がこちらです。
この赤丸で囲った白いものが腫瘍です。
はっきり写ったこの腫瘍を見た第一印象は、結構大きいでした。
MRI検査と併せて聴力検査も行い右側の聴力が、左側と比べて若干下がっている結果もでました。
先生から症状が現れてきたので、手術した方がいいかもと言われました。
当然ずっと経過観察でいこうと思っていたので、そう答える予定だったのですが、なんとこの検査の2ヶ月前から急に耳鳴りが頻発するようになり、1ヶ月前からはキーンという高音の耳鳴りが毎日一日中なるような状態になっていました。
このタイミングで何でって感じです。
なので先生から手術の話が出た時、私の気持ちはこの時点で手術をする方向へ気持ちが少し変わっていました。
なのでなんだかあれよあれよと手術するという方向へ話が進み、先生が指で3cmぐらいの輪を作り、耳の後ろにこれぐらいの穴を開けて摘出しますと説明まで受けました。
「えっ、開頭手術!」
いやいや、手術するつもりにはなってきたけど、開頭手術じゃない。
できれば放射線治療でお願いしたいと言いました。
これもネットで調べたのですが、外科手術後の生々しい傷跡の写真や、外科手術治療よりも起こるリスク(顔面麻痺・聴力損失)が放射線治療の方が小さいという知識が入っていたので。
すると先生は
「放射線治療は、腫瘍以外の正常な部位にも放射線があたるので、すぐには影響はないがこの先悪性化するリスクがある」
と説明されました。
それでも一度放射線治療の先生に話を聞きたいというと、別の脳神経の病院を紹介されました。
えっ、どういうこと?
ここでやっとこの大学病院には放射線治療科がないことが判明しました。
なにやってんだか。
すぐにまたこんなことを考えました。
こういう別の医療機関のお医者さんの意見を聞くって言うのを、セカンドオピニオンっていうのかな。
セカンドオピニオンってお金かからなかったっけ。
すぐに先生にこれってセカンドオピニオンで費用がかかるんじゃないですかと聞きました。
先生はこの病院では、こういう放射線治療のケースでは大体この紹介した病院を指定しているので、費用はかからないと言われました。
さあ、次の病院へ行きますか・・・
1年半ほど前の脳ドック検査後のある日、病院から頭に1cmほどの腫瘍ができているので精密検査を受けるようにと連絡が入りました。
すぐに検査した病院に行き、一緒にMRIの画像をみると、脳の右側あたりにぼんやり小さな塊が確認できました。
先生から腫瘍ができている場所が脳から耳につながっている内耳道内にできていることから、『聴神経腫瘍』と宣告されました。
なんで私がこんな病気に、という言葉が頭の中をぐるぐると回っていました。
そこから現在、私は2/3にガンマナイフという放射線治療を受け、定期的に検査を受ける経過観察期間に入っています。
そしてブログにこれまでの経緯を書き残そうとしています。
それはなぜかというと、手術を受けるまでに、この10万人に一人という極めて希な病気を、同じように診断された人たちの何かの参考になればと思ったからです。
宣告を受けてからのというもの、この病気のことを少しでも知ろうと、ネットで「聴神経腫瘍」を検索しまくりました。
有名な脳外科の先生の文献やら、闘病日記的なものを読みまくりました。
そこで得た情報や体験記などからいろんなことを教えてもらい、心を落ち着かせることもできました。
私も誰かの参考になるような情報を残せないだろうか、そんなことを考えました。
もともとは映画レビューを中心にしたブログでしたが、聴神経腫瘍でガンマナイフ治療をするまでの、心の動きや実際の経緯が何かのお役に立てればと思い、今日から少しずつ思い出しながら書いていきます。
あくまでもネットからの情報とか、先生の話からなどからですが、私は聴神経腫瘍をこんな風に理解しました。
・前庭神経というバランス感覚の神経にできる良性の腫瘍であり、転移もなくたちまち命に関わるような病気ではない
・初期症状としては、聴力が落ちたり、めまいや頭痛などが起こる
・ほっておくと確実に聴力も失っていき、最後は聞こえなくなってしまう
・ゆっくりだけど進行が進むと腫瘍の大きさが3cm・4cmほどにもなり脳を圧迫し、手術しなければ命に関わってくる
・年に1~2mm程度大きくなっていく
・腫瘍の大きさが3cmを超えると、放射線治療は困難
あくまでも素人の私の個人的な情報なので、正確な情報は直接担当のお医者さんに聞いてください。
まず脳ドックを受けた病院から、地元の超有名な大学病院を紹介してもらい、MRIの画像を診てもらうことにしました。
先生は画像を見て、間違いなく聴神経腫瘍ですねと即答。
そして両耳の横で指を鳴らしたり、口をニッとしてみてくださいと言われました。
口をニッとさせたのは、この腫瘍の症状で、聴神経の近くに顔面神経が通ってて、もしこの神経にも影響があれば口角が上がらないとのことでした。
私はいずれも異常は出てないということでしたが、次に先生から言われた言葉から、この先ずっと悩んでいくことになりました。
「様子見にしますか?手術しますか?」
えっ!ほとんど何も知らない私にそれを決めさせるの。
どちらがいいのかジャッジしてくれるのかがお医者さんの仕事じゃないの。
よくわからないけど、そこら辺のファイナルアンサーは本人が決めることになってるんでしょうね。
ここへ来る前に、ネットでいろんな情報をすでに読んでいてたので、私のように症状も特になく、大きさも1cm程度なら様子見だと勝手に思っていたので、悩みましたが経過観察でお願いしますと答えました。
その場で1年後のMRIを予約しました。
ここで後悔してることがひとつありました。
先生が大きさがはっきりわかるように、もう一度造影剤をつかってMRIをとりますかって聞かれたときに、検査から1ヶ月も経ってないのにまたMRIとる必要ないでしょうと勝手に思い、検査を断ったことです。
そして一年が経過し、もう一度MRI検査を受けました。
そこで腫瘍の大きさがなんと約1.5cmと予想より大きくなっていたことが判明。
よくよく聞いてみると、最初に受けたMRIと今回のMRIの性能の違いで、スキャンする幅が今回の方が密で、前回はちょっとずれたところをスキャンしていた可能性があり、前回も同じぐらいの大きさだったかもしれないとのことでした。
そしてもっと正確に腫瘍の大きさを確かめるために、1週間後にもう一度今度は造影剤を入れてMRI検査を受けることになりました。
わずか1週間後に(^^;)
あの1年前に造影剤入りのMRI検査をしていればこんなことにはならなかったのに。
いやいや、この1年後のMRI検査で造影剤入れて検査すればよかったことじゃないか、なんてことも思ったけど後の祭り。
MRI検査は大体受診料1万円なので、この1週間で2万円が飛んでいきました。
そして1週間後、造影剤を注射してMRI検査を受けました。