さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

タイル工事が始まった☆ ~長野市 古民家再生~

2012年11月20日 | 現場6~長野市の古民家再生

長野市 古民家再生現場です。

P1250673

現場近くではリンゴがたわわに実っております♪

 

さて

施主施工で行われていた木部の塗装工事ですが

柱や構造材、造作材等はほぼ塗り終え

残すは床のみとなりました。

(お施主さん、がんばりました

 

これでようやく

壁の仕上げに入ることが出来ます。

 

まずはタイル工事入りました。

お施主さんがとっても楽しみにしているタイル!

 

タイルは予め、私の方でいくつか候補を選んでおいて

その中からお施主さんに選んでもらうようにしているのですが、

  

今回決まった台所のタイルは

私的には 隠し玉的に選んであったタイル候補でした。

この隠し玉タイル、

最終的に決定したのは、

実は旦那様のご意見によるものでした

奥様がお仕事に出られるようになってから

台所に立つようになったという旦那様

クックパットを見ながら

いろんな料理を作るようになったそうです。

素晴らしい~

   

さて、タイル、

どんな感じになったかといいますと

  

ワクワク

 

まだ貼り始めたばかりで途中ではありますが

こんな感じ↓

P1250682

わぉ~っ

想像以上にカッコいい~

男のキッチンって感じ?!

あ、いえいえ

もちろん奥様も使うキッチンです☆

(まだキッチンは据えられておりませんケド

 

P1250680

タイル割の関係で

ボーダーをアクセントで入れてあるのですが、

この錆びた感じのタイルといい

ちょっと勇気がいったのですが

いやいや、大成功です

あとはキッチンを入れた時がどうなるか。

ドキドキ。

  

 

台所の背面には、

台所用電化製品を置くスペースとして棚を設けてあるのですが

その棚の壁は、居間から見えるところですし

こちらもアクセントとして

ちょっと素敵なタイルにしましょうとご提案しまして

こちらは奥様が選んで下さいました☆

P1250690

古民家の重厚感漂うダークな雰囲気が

このタイルによって

一気に明るさが増し楽しい気分に

  

ムフフ♪

 

仕上げ段階にきて

やっと建物の最終形が

なんとなく見えてきて

お施主さんの表情も明るい。

 

と言いますのも

古民家再生ではよくあることなのですが

この建物、

どうなってしまうのか

お施主さんは図面があったとしても

想像がし難いものです。

  

それもそのはずで

解体したり揚前したり

工事中の様子を目の当たりにすると

 

ちゃんと暮らせる家になるのだろうか・・・

不安になるのも無理ありません。

新築と違って

建設的な状況には到底見えない。

 

実は、この家をやって頂いた大工さんですら

完成形が想像出来なかったそうなので

(古民家再生は初めての大工さんでしたので)

  

完成形をきちんと想像しながらやっていたのは

実は私達だけだったということに

お施主さんも驚いておりました。

  

この最終形を想像できない状況、

なんていうのでしょう、、、

例えば、

舞台ではなく

映画製作現場に似ているかもしれませんね。

  

   

台本(≒図面)を見ながら

役者(≒職人)が

各シーン(≒各工程)を部分撮り(≒それぞれ施工)する。

  

自分の仕事が全体でどのような役割を果たしているのか

台本上(図面上)は理解しているつもりでも、

実際、完成するまでその全貌はわからない。

編集して完成した映画(古民家再生)を観るまでは。

  

みたいな。

  

そうすると我々設計者の役割は何かというと

映画の脚本&監督 あたり?になるのかしら。

  

そう言えば、以前、

お施主さんから唐突に

「この建物に、刻印みたいなもの入れないのですか?」

と聞かれたことがありまして

 

刻印って?とお聞きしましたら

「栖風采って刻印を」

 

?!

あっ 

棟札のようなものかー

 

今まで、そういうこと言われたことが無かったので

気が付かなかったのですが

良く考えてみると

いつしか棟梁不在の家づくりになってしまっていて

お施主さんから見れば

一番身近で建物と関わっているのが

大工さんよりも、

我々のように見えている

ということでしょうか? 

 

刻印かぁ。

考えたこともなかったし

名を残したいと思ったこともないので

     

大工さんはもちろんいるのですが

大工さん自身が完成形が想像出来ない

仰るくらいですから

全体を見通している棟梁としては

存在していない。

 

では、我々が棟梁なのかと言えば

やはりそれも違う。

 

棟梁不在の家づくり、、、

いいのだろうか。これで。

  

棟梁もいて、

我々設計者が

お施主さんや世の中の流れ(法的なことなど)

の橋渡しとして

棟梁の女房役?のように

やっていくのが本当はいいのになぁ

と思っているのですが

実際はそういうことになっていない。。。

   

うーむ。 

  

ともかくもっ

長かった工事を経て

ようやく家らしくなって参りまして、

なんとなく、

お施主さんに似合う家になってきたなぁ~

と思えるのが

自分でも不思議。

   

私共はお施主さんの意向に沿うように

設計をするものではあるのですが

お施主さんの意向をそのまま聞けば

お施主さんに似合う家が出来るとは限らないと思うのです。

 

洋服に例えてみても分かりますが

好みの服を着ることと

その人に似合うことは

必ずしも一致するとは限りません。

  

お施主さんとは

設計のお問い合わせを頂いてから

丸3年経ってますから

長~いお付き合いの中で

徐々に

ちゃんとお施主さんらしい家に

なってきたのかもしれません

 

さて、年内引き渡しを目指して

(本当は9月完成予定だったのですが

頑張ってまとめて参りたいと思います

 

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