週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
045-941-3541

元日の軌道修正

2011-01-02 00:03:28 | 近況報告

横浜は気持ちの良い青空が広がる年明けでした。

それでも霜が下り、水盤に氷が張るほどの冷え込み。
外に出ると耳が痛くなるほど寒かったのですが、冷たくも澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで、新年を新たな気持ちで迎えられました。

昨日の元旦には、午前9時より【修正会】が勤まりました。

早朝ということに加え、今年から正式に始めた行事だったので、お参りに来られる方がいらっしゃらないかもと、内心ヒヤヒヤしながら刻限を待っていると、パラリパラリとお参りの方が…。



寒さをものともせず、9名の方がおいでくださいました。(写真外にもお一人)
皆さんと『正信偈』の読経の後、住職より短か目の法話と続き、お汁粉の接待となりました。
昨日の夜に仕込んだお汁粉と白玉が無駄にならなくてよかった!


「やり直しのきかないけど、見直すことができるのが人生」

真宗の僧侶にして仏教学者であられた金子大栄師のお言葉です。

後悔のない人生などあるのでしょうか?
少なくとも、後悔ばかりの人生を歩む私には想像もできません。

あのとき、こうしていたら…。
あの人が、ああしていれば…。

過去を思って、「たら」「れば」を想像しては、そうできなかったことを悔やみ、心を痛める。
心を痛めるのは、過去には戻れないし、やり直しがきかないということを、嫌というほど知っているから。

けれど、痛めた心が教えてくれることもあります。
やり直すことはできないけど、やり直すことができないからこそ、素通りしてしまっていた事柄にも、配る心が生まれるはず。
いろんな思いを味わいながら歩んだ自分の人生を見直すこと。
それが、痛みを受け入れた先にある、喜びへと繋がる一歩になる。

【修正会】は、例えばロケットが軌道修正するように、年の初めに仏さまの前で新しい年を迎えさせていただいた喜びを思い、自分の人生の軌道修正(=見直し)をする行事です。

今年は初めてということもあり、最乗寺としても反省すべき点が多々ありました。
また、少ないお参りに、来られた方も戸惑われたかと思います。
ですが、近くの浄土真宗のお寺を探されて最乗寺に来られた方もいらっしゃり、有り難いご縁を実感する行事ともなりました。

来年は更にきちんと式次第を整え、皆さんと一緒に新たな年への軌道修正をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞご期待くださいませ。

ちなみに、今回作った白玉は、白玉粉に水の代わりにお豆腐を入れて作りました。
これだと時間が経っても固くならず、お餅のような食感に…。
ちょっと食べてみたいなと思われた方は、来年の修正会にどうぞお参りください(笑)