(1月のお経の会の法話より・前編)
皆さん、「七仏通誡偈(しちぶつつうかいげ)」という偈文はご存知でしょうか?
たぶん聞きなれない言葉だと思いますので、まずは「七仏」から説明いたしましょう。
お釈迦さまは悟りを開かれて、この世で生きながらにして仏、つまり仏陀になられました。
そして、仏教の開祖として、後の世に広く知られる人物になりました。
しかし、それは歴史的な側面のとらえ方で、お釈迦さまの入滅後しばらくすると、仏教があまりに偉大な教えだったことから、仏教はお釈迦さま一代で作られたものではなく、それ以前のもっともっと昔に悟りを開かれた仏陀たちの功徳が、お釈迦さまの代で開花したという考え方が出てきます。
つまり、ここでいう七仏とは、お釈迦さま以前に、この世に現れたといわれている6人の仏陀と、お釈迦さまを含めた7人の仏陀のこと。
そして、その七人の仏陀が共通して説いた教えを一つにまとめたのが、この七仏通誡偈だということが、法句経などに納められています。
では、とりあえず、どのような偈文であるかと言いますと。
諸悪莫作 (しょあくまくさ) ― もろもろの悪を作すことなく
衆善奉行 (しゅうぜんぶぎょう) ― もろもろの善を行い
自浄其意 (じじょうごい) ― 自ら其の意(こころ)を浄くす
是諸仏教 (ぜしょぶつきょう) ― 是がもろもろの仏の教えなり
直訳すれば。
悪いことはするんじゃない
良いことをするのです
そして自分の心を綺麗にしましょう
これがあらゆる仏のみ教えです。
というのが、この【七仏通誡偈】の内容です。