以前書きました胃痛の件ですが、なかなか治まらず、それなら念のためということで、人生初の内視鏡(胃カメラ)検査を受けてきました。
「苦しいよぉ」という家族の応援を背に家を出て、恐る恐る診察台に横になったのですが、眠くなる注射を打たれ、即爆睡。
気がつくと、ベッドの上で点滴を受けた状態でした。
どうやら最近は、眠っているうちに検査をしてしまう方法が主流のようです。
結果は、特に問題視する所見はなし。
ただ4、50代にみられる胃の収縮があるとのこと。
胃が疲れているようだから、ご飯はよく噛んで食べましょうとのアドバイスをいただきました。
…三十路の私には、胃の状態もさることながら、いつも子供に言っている言葉を言われてしまうという、ちょっとショックな診察結果でした。
さて、今回受けた内視鏡検査ではなく、X線検査によって、胎内の内臓(五臓六腑)が発見された仏像があるのをご存知でしょうか。
それは京都嵯峨野にある清涼寺のご本尊、「三国伝来の釈迦像」です。
(仏像画像データベースより)
清涼寺は987年(平安時代)に創建されたお寺で、然(ちょうねん)という東大寺から出た僧侶が開基となっています。
然は、中国(宋代)に渡ったときに1体の釈迦像と出会います。
その釈迦像は、お釈迦さまのご存命中、優填王という人物がお釈迦さまの37歳のお姿を、栴檀という香木に彫らせて作られたものでした。
インドより、ヒマラヤを越えて中国へと渡ってきた釈迦像に感銘を受けた然は、その像を模刻し日本へと持ち帰り、安置するために清涼寺を創建したといいます。
そして、昭和28年の調査によって、胎内に様々な納入品があることが判明。
その中に、模刻したときに5人の尼僧によって納められたとされる、絹で作られた内臓の模型がありました。
仏像に内臓が納められたのは1000年以上も前のこと。
その当時、既に中国では五臓六腑の形が明確にされていたほどの解剖学があったということに、改めて驚きを感じます。
しかし、お釈迦さまを始め、仏に備わっているとされている身体的な特徴「三十二相八十種好」によれば…。
四十歯相 ― 40本の歯を有し、それらは雪のように白く清潔である。(常人は32歯)
歯斉相 ― 歯はみな大きさが等しく、硬く密であり一本のように並びが美しい。
牙白相 ― 40歯以外に四牙あり、とくに白く大きく鋭利堅固である。
……これならきっと、絹製の内臓であろうと、何を食べても負担がないほど噛み尽くすことでしょう。