マルチエアコンと呼ばれるエアコン。普通のエアコンは室外機と室内機が一対一ですよね。 それが、室外機が一台で、室内機が複数取り付けてあるタイプのエアコンをマルチエアコンと呼びます。
室外機の置き場が限られている場所で多用されています。
狭い敷地の戸建て住宅、マンションの通路側。
室外機が一台で設置面積が少なくて良いメリットの反面、入れ替える時に苦労します。
また、エアコンの故障の多くは室外機の方が壊れます。
室外機が一台壊れると、それに接続されている、全ての室内機が使えないという事が起こります。
昨年とある病院のエアコンの室外機が故障し、病棟の数台の室内機が稼働しなかった為、熱中症で亡くなられたというニュースがありました。
エアコンを入れ替える時、どうしても室内機が複数あるので、商品も工事費も高額となります。
このように、リスクを回避する為にも、できるならマルチエアコンを新築時には導入しないよう設計する方へお願いしたいです。
特に中古マンションを購入する方はその辺を確認した方が良いですよ。
とは言っても現実にマルチエアコンを導入している方でも、入れ替える事はモチロン可能です。ただ、制約が多い事を覚えておいてくださいね。
今回はマルチエアコンでさらに隠ぺい配管でした。かなり条件が絞られました。
(隠ぺい配管・・壁の中に配管が埋め込まれています)
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既存のエアコン。設置してある場所がドアを開いた場所にあります。
・・・という事はこのドアより高い位置に設置しないといけませんよね。
現在市販されているエアコンの室内機の高さというのは、多くが30センチくらいなのです。 この建物が建てられた当時は25センチくらいのエアコンも多くありました。
天井の高さ、ドアを開けた時を考えると、30センチの高さのエアコンは取り付けできません。 そしてマルチエアコンです。
これでほとんど機種は絞られます。
お客様がこれが良い、これが欲しいという要望はほとんどできません。
『これしか取り付出来ません』というのが私の返事となってしまいました。
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配管と電線は流用します。でもこれがちょっと大変なのです。 この場所は長さが足りましたが、別の部屋の配管は短いので長さを足しました。(ジョイントする部材を使いました)
水の流れるホースは壁の中にあるパイプに差し込めたので無事に施工できました。
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こんな感じに新しいエアコンの室内機が設置できました。
今回マルチなので、合計4台の室内機を設置しました。
一番大変だったのは、この場所。
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隠ぺい配管はその位置に壁から出ているので、室内機の場所が決まっています。
今までのエアコンより、厚みがあります。 普通の使用には問題ありませんが、掃除をする時に全面パネルを開けると、カーテンレールが干渉してしまいます。
部屋にはブラインドがあり、カーテンは使っていなかったので、今回はカーテンレールを少しずらして対処しました。
マルチエアコン2セット。室内機4台に室外機が2台という組み合わせでした。
作業は丸一日掛かりました。
でも充実した施工で満足の仕事が出来ました。
ご依頼ありがとうございました。
栄電気のHPが新しくなりました。