古九谷様式の染付(いわゆる藍九谷)には現代のデザインにも通じるようなモダンな印象の品がありますが
今回の品も、文様的には特に珍しいものではありませんが、見込みの文様を囲む部分に特徴があります。
全体の印象としては寛文より少し前の時代(1650年代前期)といった感じですが、単なる染付ではなく薄瑠璃で
特にその見込み周囲の抜き方が350年以上前とは思えないモダンさを感じます。
主文様である生花を右に寄せて余白を生かすというデザインの代表格は盆栽文で、わりと見かけますが
この品の場合は盆栽というよりは花籠といった感じで、周囲の薄瑠璃の形と合っているように思えます。
落款は「太明成」で、窯の中で温度が上がりすぎたのか、一部の釉薬がハジけています
ちなみに、↓の画像を見ると判るように、薄瑠璃で塗られた部分には八方に「七宝文」(?)が描かれており
この部分には墨弾きの技法が使われているのがわかります。
薄瑠璃の品は大好きなんですが、盛期あたりまでの品は滅多に見かけないこともあって
ウチにあるのはこれ一枚だけです。
今回の品も、文様的には特に珍しいものではありませんが、見込みの文様を囲む部分に特徴があります。
全体の印象としては寛文より少し前の時代(1650年代前期)といった感じですが、単なる染付ではなく薄瑠璃で
特にその見込み周囲の抜き方が350年以上前とは思えないモダンさを感じます。
主文様である生花を右に寄せて余白を生かすというデザインの代表格は盆栽文で、わりと見かけますが
この品の場合は盆栽というよりは花籠といった感じで、周囲の薄瑠璃の形と合っているように思えます。
落款は「太明成」で、窯の中で温度が上がりすぎたのか、一部の釉薬がハジけています
ちなみに、↓の画像を見ると判るように、薄瑠璃で塗られた部分には八方に「七宝文」(?)が描かれており
この部分には墨弾きの技法が使われているのがわかります。
薄瑠璃の品は大好きなんですが、盛期あたりまでの品は滅多に見かけないこともあって
ウチにあるのはこれ一枚だけです。
大陸、半島の様式から骨太の線で描く前期藍九谷への変化した品は時々見かけます。
この品は、さらに、ダミを瑠璃へと進化させているように思います。しかも、薄めの上品な瑠璃。よく見ると、すみ弾きの内側は一段濃い瑠璃になっています。ダミの心がこんな所に生きてますね。芸が細かい。大陸、朝鮮、江戸後期の瑠璃など足元にも及ばないセンスです。
とても洗練された和モダンの藍九谷、しいて言えば、プレ盛期の藍九谷(^.^)
表面を見て、寛文期かなと思いましたが、裏を見ると、初期伊万里の名残を留めており、もっと古いことが分かりますね。
口縁付近には、墨弾きの技法を使った小さな文様が描かれているんですね。技が細かいですね。
多くの技法やデザインが自由に試される中で、大胆でありながら繊細さを持った品が生み出されたんでありましょうか。
この時代の品は独特の魅力がありますよね!
七宝文に墨弾きといえば鍋島に直結しますので、何がしかの影響があった可能性はありますよね~
(証明しようがありませんが・・・)
個人的にはこのあたりから寛文期の伊万里に大きな魅力を感じています。