伊万里のシリーズも142回目ですが、ま~自分でも良く集めたもんだと思います。
(Dr.kさんをはじめとする、この世界の大先輩コレクターとでは比較にはなりませんが)
さて、このシリーズでも何度か書いていますが、250年近い江戸期の伊万里の歴史の中で、個人的には寛文期の品が一番好きです
そんな訳でウチでは寛文期の染付の品がそこそこ多いんですが、すべてが魅力的かと言えばそうでもなく
後で引っ張り出し見ると、「なんでこれ買ったかな?」という品もあったりします。今回の品はそんな「普通の寛文期の品」です。
「染付草花文五寸皿」
成形はちょっとだけ凝っていますが、古色はあるものの、なんてことない草花文の五寸皿です
見込みの周囲にはラーメン丼でお馴染みの「雷文」が描かれています
草花文の描き方はこの時代の典型的なもので、寛文期によく見られる濃い呉須で上から塗っています
落款は古九谷様式でよく見られるタイプのもので、薄くまっすぐに立った高台もまたこの時代ならではです
裏文様も寛文期によく見られるタイプのもので、個人的にはもっと後の時代の唐草繋ぎよりずっと好きです。
という訳で、間違いなく寛文期の藍九谷なんですが、特に何の変哲もない品であることは確かです
古いことが取り柄といえば言えなくもありませんね。
染付けのべたーっとした感じが、藍色の上釉で上絵付けしたような不思議な雰囲気を出しています。
力強い線描とよくマッチしています。
途中、止めてしまった方も多くいますよね。その点、酒田の人さんは、長く続けているほうですよね。
長く集めていますと、今になってみると、確かに、「なんでこれ買ったかな?」と思うものもありますが、これは、それには該当しないようですね。
典型的な寛文期のもので、今では、なかなか手に入らないものではないでしょうか(^-^*)
古色につられて購入してしまう訳ですが、長く収集を続けると
こういった「普通」の品に飽き足らなくなるという、困ったコレクター心理が働くんでしょうね。
とは言え、350年も前の品であることは確かです。
ここまで続けられた原点は、「太明庵」で出会ったドクターさんやミーコさん、猫の蔵さん
いにさんの存在なのは確かです。
藍九谷は古伊万里のなかでも価格の下落が大きいジャンルですが
逆に良い品が出れば買い時なのかも知れません。