Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 25(花唐草に唐獅子文六寸皿)

2019-11-11 23:08:23 | 古伊万里
 いつもウチのブログに心あたたまるコメントを頂いている、遅生さんDr.kさんのブログで
キズ物ではあるものの、それ以上に魅力のある古伊万里が取り上げられていましたので
「傷物ならウチも負けていない」という、なんの自慢にもならない理由で取り上げるのが今回の品です。

恐らくは延宝~元禄期の盛期伊万里と思われる六寸皿です


縁の部分を二段に菊形に成形した中期に見られる形で、見込み部分には三頭の唐獅子を描き、その周囲は繊細な花唐草文が描かれています
この狭いスペース(実測してみたら、中央の二重圏線の中は直径10cm)に唐獅子を三頭も描く細かな絵付けは見事しか言いようがありません


この品は確かトリノ・オリンピックの開催中に見つけて買った記憶がありますので、今から14年も前に購入した品ですが
傷物とはいえ、当時はそこそこの値段だったように思います。
見ての通り、縁に下手な直しが一箇所あり、そこから3cmほどのニュウ、さらに別のところにも3cmほどの裏に通ったニュウがあります
完品であれば上手の藍柿として市場へ出たのでしょうが、立派な傷物であるが故にウチへやって来た品です。

裏面も中期の上手の特徴を備えています


かの中島センセイは、「傷物ばかり集めてはイカン」というようなことを書いていたように思いますが
完品では入手できない品を傷物で入手して審美眼を育てるという考え方もあるようには思います。
(ま~、貧乏コレクターの屁理屈ではありますが・・・)



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4 コメント

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疵物オーライ (遅生)
2019-11-12 07:30:26
先にDr.Kさんに、「疵物合戦」とコメントしましたが、さらに「疵物混戦」から「疵物大展覧会」へと進化してきたようですね(笑)
業者が、ことさら疵物を低く評価するのは、完品の値を吊り上げるためではないかと勘ぐっています。参考品なんて言葉、意味がわかりません(^^;)
唐獅子と花唐草の絵、初めて見ました。当然の組み合わせですが、地紋としての花唐草中に異国風の唐獅子が合わなかったのでしょうか。その点、染付で小さめの唐獅子を3頭描いたこの皿は、非常によく考えられた品だと思います。
この大きさで、縁2段というのも洒落た上手品ですね。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2019-11-12 10:34:46
ホント、「疵物大展覧会」の様相を呈してきましたね(笑)

疵物にも、一級品の疵物と二級品の疵物があるんでしょうよね。
やはり、無疵の一級品の疵物は、腐っても鯛ではないですが、一級品の疵物なんでしょうよね。
確かに、二級品の疵物ばかりを集めていたのでは、いっこうに審美眼は養えないでしょうけれど、止むを得ず、一級品の疵物を集めてしまうことは許されるのではないかと思います。

今回の物の中で、遅生さんの初期伊万里が横綱なら、この獅子文の6寸皿が三役格で、私の所の小皿が平幕というところでしょうか(笑)
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遅生さんへ (酒田の人)
2019-11-12 20:37:23
美術館や博物館では「疵物大展覧会」なんていう企画はありえませんので
そういった意味では貴重な?イベントかも知れませんね~

ま~、いわゆる「お道具」は直しがあっても景色ですが、伊万里のような食器となると
ただの「欠けた焼物(当地では瀬戸物と呼ぶ)」になってしまう訳で
このあたりが古美術と古道具との分かれ目なのかも知れません。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2019-11-12 20:41:49
ウチには立派な疵物からどうしようもない疵物まで揃っていますが
一流の疵物は勉強になるのは確かだと思っています
完品は間違っても買えないが、疵物でも入手した喜びが味わえる、これがポイントのような気がします。
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