ウチの古伊万里はいよいよ在庫切れ近し(恐らくあとは1~2品)のようです
とりあえずあちこち探してみますが、ろくな品はないはずです。
それはさておき、今回の品は古伊万里が飾ってある棚(安物)を探したら出て来た品です
「染付菊文深皿」
一見して中期の品と判る四寸半サイズの深皿です
一応、菊文としてみましたが、中央から放射状に引かれた線が妙に印象的な品です
中央の菊の花の部分は濃みによるグラデーションが効いており、若干濃いめの発色も手伝って、なかなか魅力的です
中央に菊の花を描いただけではなく、器全体でも菊の花を表現しようとしたような、ある意味モダンな意匠かも知れませんね。
落款は一般的な「大明成化年製」、裏面の唐草繋ぎは中期の比較的に上手の品によく見られるタイプのものです。
私が購入したときは5桁の値段でしたが、近年はこれくらいの品でも4桁で売られているようです。(300年以上前の品だと思うと、複雑な気分ですね)
これ、やはり傘紋ではありませんか。
それに菊があしらってある。茎が傘の柄。
後期の見え見えの傘皿より、はるかに酒脱だと思います。
菊の花びらを数えてみましたら50弁もありますね!
これだけの数を、整然と描くとは至難の技ですよね。
江戸後期に出てくる、傘文の皿は、この辺からヒントを得ているのかもしれませんね。
なるほど~、確かに傘文ですよね。
購入してからずっと「菊文」だと思っていましたので、目からウロコです
あらためて江戸期のデザインセンスの凄さを感じます。
わざわざ数えていただき恐縮です。
線が適当にまっすぐでないことを思えば、間違いなく一本ずつ引いている訳ですから
これは並外れた技術と言えますよね。
花弁が50もあることを思えば、「傘文」の原型という感じかも知れませんね。