日本ユーラシア協会愛知県連のお料理サークル『ペチカ』の企画で 4月22日(土)午後2時半から
地下鉄東山線の『本陣』駅の近くにあるウズベキスタン料理のレストラン「タバスム」でランチ会が
開かれました。
「ペチカ」ではこれまで旧ソ連の共和国の方々を講師にお願いして それぞれの国の料理をいっしょに
作り試食する例会を20回開いてきました。コロナ渦で3年ほどお休みしてしまいましたが
そろそろ再開することにしました。久しぶりに開催するにあたり、いろんな案が出たのですが
名古屋初のウズベキスタン料理のお店の話は以前から耳にしており、またペチカのメンバーで
この店によく行くという方が店長と相談してアイディアを出してくださったこともあり、今まで
とは趣向を変えて「ここで会食をする」ということになりました。
この日は日本人、ウズベク人、中国人、総勢16名がテーブルを囲み、おいしい料理とおしゃべりを
楽しみました。
メンバーは ユーラシア協会員、現受講生、元受講生の他に大学の先生、日本語教師、最近
結婚された娘さんのお相手がウズベク人という方、「この店の噂は聞いていたがなかなか
来られなかったので」でという方など様々でした。
メニューは代表的なウズベク料理の盛り合わせです。
左上がチキンの串焼き、その右がマンティ(餃子のような小麦粉の皮で羊肉を包んで蒸したもの)、
真ん中がポロフ(ピラフの原型と言われています。ニンニクとニンジン、牛肉をたっぷりのオイルで
炒めて煮込んだもの)、キュウリとトマトのサラダです。串焼きの肉は本来は羊肉ですが日本人は
苦手な人があるということでチキンも選べるようにしたのですが、結局チキンを選んだのは5名だけ
でした。肉はスパイスを利かせて直火で焼かれ、とても香ばしくおいしいものでした。ポロフも
ニンニク臭はそれほどでもなく、油っぽくもなくておいしい味、日本人の口に合う料理と思います。
イスラム教徒のお店ですので 肉はハラール(イスラムの規則に従って処理された肉)、
アルコール類の提供はありません。飲み物はアプリコット、マンゴー、チェリー、ザクロの4種類の
ジュースから選べました。いずれもフルーツが豊かなウズベキスタン直送の ジュースです。
少し遅れて参加されたお二人のウズベク人、アリシェルさんとモハメッドさん(名古屋大学法学部卒業
とのことで日本語堪能!)からはいろいろ面白いお話が聞けました。以前は早く結婚したウズベキ
スタンの女性たちも今では高い教育を受け、仕事に就いている人も多くなり、結婚も急がないとか、
ロシア語は今でも小学校の5年生から習うが『外国語』として学習されている、以前は『第二国語』
という感じだったとか、ソ連時代に校長になったというモハメッドさんのお祖母さん(女性の校長は
当時まだ珍しかったのです)のお話やラマダン(イスラム教の断食。毎年一ヶ月ほど夜明けから
日没までは水も飲まないとのこと)の話なども出ました。
そこで日本人から出た質問は
「名古屋の夏はどうするんです?水も飲まないなんで熱中症になりませんか?」
この断食は15才までの子供や妊婦、病人などは免除されるのだそうですが、
元気な大人でも名古屋の夏のラマダンはほんとうに大変とのことです。ただ「頑張って乗り切ると
清々しい気分になれるし、体調もよくなる」とお二人とも口をそろえておっしゃっていました。
ちょうどこの日がラマダン明けだったそうで、となりのインド料理店も賑やかでした。
デザートは 甘いシロップとピスタチオのパウダーのかかったバクラバとトルコ風のアイスクリーム
でした。
この後、店内に展示されていた民族衣装を試着させてもらうことになり 素敵な衣装に女性たちは
大喜びで試着、記念撮影をしました。
ゴージャスな刺繍がいっぱいのこの衣装は男性用でかなり重いものです。モデルは安原ユーラシア協会
理事長です。
店内にあった女性用の衣装はもう少しカジュアルなもので、日本の着物のかすりのような模様が
面白いのです。ちょこんと頭にのせる小さな帽子もかわいい!
左から、ロシアに留学経験もあるという宮嶋さん、大学の先生のアリシェルさん、日本の会社の法務部
勤務のモハメッドさん、店長のルスタムさん。
アリシェルさんは福沢諭吉の「学問のすすめ」に感銘を受け、ウズベク語に翻訳されたそうでした。
左から新会員の立岩さん、初級クラスの佐藤さん、日本語教師の宮島さんです。それぞれウズベキスタンの衣装が
お似合いですね!
「タバスム」はウズベク語で『笑顔』『微笑み』という意味だそうです。最後に前日ウズベキスタン
出張から帰ってこられたばかりという市橋克哉名古屋経済大学特任教授からウズベキスタンの
お土産もいただいて、みんな笑顔で帰路につきました。
すぐ近くにモスクがあるということでこのあと有志数名は見学に行きました。