サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第32回ロシア語特別講座報告  参加者の方々の感想

2024年09月13日 | ロシア語特別講座
 今回の参加者の方々に感想文を書いていただきましたのでご紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中級クラス:西村 千輝(にしむら かずき)様

自分の名前がキリル文字で書かれたネームプレートを受け取り、緊張と興奮を
覚えながら、特別講座に臨みました。学生の方、社会人の方…様々な方が
参加されているのを見て、「こんなにもロシア語を勉強している人がいるん
だな」と学習のモチベーションが上がりました。

 エレーナ先生の大学受験に関する講演では、耳に飛び込んでくる言葉を
理解しようと必死でした。本場のロシア語に触れる貴重な機会を頂き、
感謝しています。同時に、ちゃんと予習をしておけばよかったと後悔しま
した。次の機会があれば、しっかりと準備をして、お話を堪能したいと思い
ました。

 朗読練習ではブレンコーワ先生のきめ細かいご指導に感激しました。
アクセントやイントネーションについて、丁寧にご教授頂き、改善すること
ができました。また、ロシアの童話をじっくり味わうことができ、とても
満足しております。テキストの内容は、心がほっこりするもので、練習を
通してお気に入りの作品になりました。

おしゃべりタイムでは、文法学習に関する参加者の皆さまの様々な情報が
記憶に残りました。私事ですが、月に数回、オンラインでロシア語レッスン
を受けています。時折先生が、「文法を苦労して覚えていないので、どう
教えていいか分からない」と仰るのを思い出しました。自分のことを振り
返ると確かに、日本語の文法を苦労して覚えた記憶がありません。まわり
との触れ合いの中で、自然と身についたのだろうと思います。しかし、
文法は学習者にとって、上達の大きな助けになるものだと思っております。
特にロシア語の文法の壁は高く感じられますが、壁の上に立った時、遠く
まで見ることができるものと信じております。

また、難波先生のレストランに入った時のお話は面白く、とても勉強になり
ました。「ヤー、ハチュー、イェースチ」の精神でロシア語をどんどん使って
上達できればと思いました。

特別講座に参加させて頂き、本当にありがとうございました。これからも
ロシア語の学習を、細く長く続けていきたいです。

注)文中「ヤー・ハチュ-・イェスチ」の精神で、とありますが、これは
おしゃべりタイムに難波先生が話してくださった体験談のことです。まだ
ロシア語がほとんど話せなかった頃にモスクワのレストランに行かれた
先生はロシア語で料理の注文ができず、その当時知っていた唯一の表現
ヤー・ハチュ-・イェスチ」(Я хочу есть ! 私は食べたい)をひたすら
繰り返し、とうとう料理を食べることができたのでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上級クラス:SJ様

今回ほどに発音と文字のつながりを強く意識した回はなかったと振り
返っております。
今回は三回目の参加となりました。最初の二回は中級で小説に取り組みま
したが、今回は上級に参加し同じレールモントフの詩と小説に取り組みま
した。

特に小説の中で同じ単語で異なる格が数回登場しており、その時のウダレ
ーニエの違いが文全体の発音にどう影響するかを自分なりに考えることと
なりました。山崎タチアナ先生による詩と小説の解説をロシア語で拝聴し、
単なる発音特訓にとどまらない朗読講座となりました。

内山エレーナ先生の講演では、受験制度においてカルチャーショックを
感じることとなりました。専門分野選びが受験生にとってどのようなもの
だったか、そして入学後にどのような科目を履修するか等を知るに至り
ました。

前回までは詩や絵画等の文芸分野がテーマだったのに対して、今回は受験
制度を通じて当時のロシアの社会事情を知る機会を得ました。更に広範に
渡ってロシア語圏を知りたいと思いました。

最後のおしゃべりタイムまでエレーナ先生への質問は止まりませんでした。
加えて山崎タチアナ先生からもロシア語圏の社会で人々がどのような生活を
営んでいたか、ほんの少しではありますが知ることができました。
ここまで密度の濃い回はなかなか無いのではないかと思います。今回は
愛媛松山から来た甲斐がありました、有難うございました。


第32回ロシア語特別講座報告 その3

2024年09月13日 | ロシア語特別講座
短い休憩を挟んで14時50分からはみんなで2階のホールに集まり、
「おしゃべりタイム」です。

今回は難波先生のご提案で簡単なロシア語クイズが行われました。一年の12ヶ月
を当てるクイズです。配られた用紙にはロシア語で問題が書かれています。
例えば

В __________ начитается учебный год в школах в России.

(~~~月に ロシアの学校では新学期が始まります。)

これは 前置詞 в がついていますので この月名の格変化も必要ですね。

用紙を配ってから5分後に答え合わせです。ブレンコーワ先生が進行役で答えが
分った方に手を挙げていただいて指名します。初級の方もいらっしゃるので
「答えは分ったけど スペルがわからない」という声も聞こえました。

ロシアの学校では9月(сентябрь)に新学期が始まりますので答えは
В сентябре начинается учебный год в школах в России.

この後は自由なおしゃべりの時間になり、いろいろな質問が出ました。今日は
エレーナさんの大学受験の話を聞いたのですが、10年生、11年生になると
将来の仕事を意識してどの学部に行くかを決めている人が多いそうです。
大学に行かずに職業学校に行くという選択肢もあり、この場合は9年生まで
学校に通ってそれから工業学校などに行くのだそうでした。

今回は台湾の方(Lさん)も参加されたのですが、日本の大学院で勉強中、歯医者を
目指しておられるとのことでした。英語とのバイリンガル教育を受け、日本語も堪能
です。外国語の習得の話も出ましたが、今では文法をほとんど習わず、いきなりロシア
に行ってロシア語でロシア語を習うという人もあります。3カ国語がネイティブ
スピーカーレベルで話せるLさんや文字もろくに読めないままロシアの大学に
入学して卒業された難波先生の体験談なども出ましたが、やはりよく分って
いる母語でじっくり文法の勉強をするのが外国語習得の近道ではないか、
という話になりました。

このほかにムラヴィンスキー(ソ連時代の有名は指揮者 1903-1988)の大ファン
という参加者のSJさんから彼の東京公演の際の面白いエピソードが紹介され、
その後はロシアのアネクドートとロシア人のユーモアについて参加者のみな
さんとロシア人の先生方、ゲストのニキータさんとの間でいろいろとお話が
はずみました。

最後に 今日の初級のテキストに使われたソ連時代の歌「Пусть всегда 
будет солнце」を聞き、歌を口ずさみながら今回の講座が終わりました。



第32回ロシア語特別講座報告 その2

2024年09月11日 | ロシア語特別講座
さて 講演が終わるとすぐに参加者は上級、中級、初級の三つのグループに
分かれて朗読の練習が始まりました。

 こちらは初級のクラスです。

難波先生と内山エレーナさんの指導で勉強したテキストは実はソ連時代の歌「Пусть
 всегда будет солнце」(いつもお日様が輝いていますように)の歌詞です。今回参加の
初級クラスのみなさんには少し難しい言葉もあったようですが、何度も繰り返される
「пусть ____」(==でありますように、誰々に==をさせなさい)は実際の会話でも
よく使われる表現でもあり、語彙を増やしながら発音の練習もじっくりと。
最後は実際に子どもが歌うこの歌も聞いてみました。

ブレンコーワ先生の中級のクラスです。まず発音しにくい言葉を練習。

テキストはウシンスキーの「四つの願い」から。ミーチャという男の子が「冬に
スキーやスケートで楽しく遊び、お父さんに「ずっと冬だといいなあ」と言います。
ところが春になるとチョウを追いかけて遊び「すっと春だといいなあ」と言い、
同じく夏になると夏、秋になると秋がいい、と言う、というテキストでした。
内容の説明の後はひとりひとりが文を読んでブレンコーワ先生にチェックして
もらいます。
上級クラスは山崎タチアナ先生のご指導でレールモントフの「現代の英雄」の
一節と彼の詩「утес」の朗読の練習です。

軍人としてカフカスに送られた彼の代表作「現代の英雄」からの
一節では「朝5時に部屋の窓を開けると部屋は庭の花の香で満たされ、風が
吹くと窓際に咲いているサクランボの白い花びらが机の上を覆う。東側を
見るとそこにはいろんな言葉を話す人たちの声が響き、鉱泉が音を立てる
小さな町があり、その向こうにはぐるりとコーカサスの山々がそびえている」
と美しい文章が続きます。

単語はぐっと難しくなり、また詩では韻を踏むために普通とは違うところに力点が
置かれたりすることもあって、みなさん、真剣な顔で取り組んでおられました。
朗読だけでなく先生からは「レールモントフはなぜカフカスに行ったのでしょう?」と
質問があり、反政府的な詩を書いたので罰としてカフカスに送られたことや軍人として
戦場に立った彼がカフカスの自然に魅了され、その偉大な自然を前にして人はなぜ
殺し合うのだろうかと疑問を持っていたというお話もありました。

また この日ゲストとして参加してくださったニキータ・ヴァルラーモフさん
(モスクワ生まれのロシア人で、目の不自由な方です。モスクワで日本語を
習い始め、モスクワ大学から名古屋大学に留学されて、それから20年ほど
名古屋にお住まいです)「ロシアの学校ではよく詩の暗唱をさせられました。
私はこの詩を選んだんですよ、どうしてかわかります?短いからです!」と
みんなを笑わせながら утесの朗読を聞かせてくださいました。


第32回ロシア語特別講座報告  その1

2024年09月10日 | ロシア語特別講座
9月8日(日)午後1時から4時半まで愛知民主会館で第32回ロシア語特別講座が
開催されました。

参加者は13名(うち会員8名)でした。この講座は「とにかくたくさんロシア語を
聞く、朗読する、話す」を目標にしています。

まず最初に今回のゲストスピーカー、内山エレーナさんの講演がありました。彼女は
ベルガラド出身のロシア人で昨年来日、今は日本語猛勉強中です。ヴォロネジ
大学のジャーナリズム学部を卒業されたということで今回は彼女の大学受験に
ついてお話をしていただきました。

彼女が受験した1995年はソ連崩壊のすぐ後で、ロシアの人たちはまだ新しい国の
体制に慣れず、呆然としていた時期です。またソ連崩壊後はかつてのソ連の共和国
からロシアに戻ってきたロシア人もたくさんいた上に子どもに高等教育を受け
させたいという人も多く、つまり、大学に行きたい人がとても多かったのでした。
当時はまだ国立大学ばかりで 小さな町には大学の数も少なかったのです。

10年制の学校を卒業したエレーナさんは大変な優等生だったようですが、文章を
書くことが好きでジャーリストになることを夢見ていました。彼女が目指したのは
ヴォロネジ大学のジャーナリズム学部でした。ここではジャーナリスト、作家、
俳優、演出家、映画監督などを目指す人たちが勉強します。

こうした学部では独特の入学試験がありました。まず作文試験があり、その
結果を見て二日後に面接試験がありました。作文試験では最初に3つのテーマが
提示され、それぞれその一つを選んでエッセイを書かなければなりませんでした。
エレーナさんはこの学部に憧れて受験に来たものの、自分に自信がありません
でした。でもエッセイを書いているうちに、「どうしても合格したい、ここで
勉強したい」という気持ちが燃え上がり、一生懸命に書いたそうです。次の
試験までの二日間、興奮と緊張とで彼女は眠ることも食べることもできませ
んでした。

面接では二人の教師から書いたエッセイについて質問され、更に今どんな
本を読んでいるか、どんな映画が好きか、興味のあることはなにか、などの
質問がありました。
そして重要な質問「なぜここで勉強したいのか、ジャーナリズムでなにを
成し遂げたいのか?」には彼女は「文章を書くことが好きです。プロとして
書くことを学びたいのです。そして有名になりたいです」 と答えました。

面接が終わって、付き添ってきたお母さんと廊下でしばらく待っていると
先ほど面接した先生がやってきて「おめでとうございます!成績は5です。
おうちに帰ってもいいですよ」と言いました。

あんまりあっけなくて、彼女とお母さんは訳が分らずその場に立ったまま
でした。そしてお母さんは「これで全部ですか?この先はどうなりますか?」
と聞いてしまいました。先生の答えは「ええ、これで全部です。お嬢さんは
合格です。もうお帰りになっていいですよ。新学年の始まる前にまた来て
ください。」でした!

合格と聞いてうれしかったそうですが、、それでも新学期にヴォロネジ大学に
行って事務所に貼り出された合格者のリストに自分の名前を確認するまで
エレーナさんは「ひょっとして なにかの間違いだったら?」と不安でたまら
なかったのでした。

参加者の皆さんには事前にロシア語の原稿とその和訳を配布してありました
ので結末は分っていたはずですが、エレーナさんはとても生き生きと上手に
お話されるのでみなさん、ドキドキしながら聞いておられたようです。




ロシア語能力検定試験対策講座開催のお知らせ

2024年09月04日 | ロシア語検定試験
今年も10月26日(土)27日(日)にロシア語能力検定試験が行われます。合格を目指して
ぜひ対策講座においでください!
4級レベルでは文法の徹底復習を、そして3級レベルではリスニングの練習に特に重点を置いて、
ベテランの講師が指導します。試験の直前にポイントを押さえた授業を受けて合格を目指しましょう!

今年は検定試験を受験しないという方にもこの講座はお勧めです。少人数のクラスで質問もしやすく
「授業でちょっとここがよくわかりにくかった」という点などがあればぜひ質問しにきてください。
短時間で効率よく文法の総復習ができるチャンスです!

“ロシア語能力検定試験対策講座”
時:10月13日(日)
午前10時ー12時 4級受験クラス(講師 難波忠清)
午後 1時ー3時  3級受験クラス(講師 山崎タチアナ)  

場所:愛知民主会館3F ロシア語教室
   (名古屋市東区葵一丁目22-26 TEL 052 508 4368)
    
受講料:愛知県連ロシア語講座の受講生は(一クラス受講につき)
1,000円、それ以外の方は2,000円
 
お申し込みはこちらまで:
日本ユーラシア協会愛知県連事務所
       TEL 052-508-4368
mail:kokoshka2011@gmail.com
(できるだけメールでお願いします)
お申し込み締め切り:10月8日(火)

**受講申し込みが2名以上で開講します。