サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第30回ロシア語特別講座に参加して(その3)

2022年09月20日 | ロシア語特別講座
この感想を書いてくださったJSさんは遠く広島から参加されました。
ドイツ語を10年以上学びドイツ語の詩の朗読もされていました。ロシア語学習
は5年めで「ロシア語の詩の世界」に興味を持って参加されたそうです。
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ロシア語を学び続けていく中で、どうしても発音(特にウダレーニエ)が上手くいかなくて
悩んでおりました。その矢先に今回初めて本特別講座を受講しました。

予てより朗読大会と特別講座が名古屋で開催されているということを耳にしておりました。
そのこともあって、どこかで必ず参加したいと思った次第です。

タチアナ先生の詩の講義からは、ロシアの文学史の一端を垣間見ることができました。加えて、
「なぜ人は詩を書くか」という答えのない問いを考えるきっかけを頂きました。

朗読練習では、ブレンコーワ先生の中級クラスを受講しました。練習のパートでは、朗読
における課題がお陰様で明らかになりました。私自身、時間の許す限り予習してきたつも
りです。それでも思ったより上手く朗読できず、課題は山積みであったと感じました。
それでも、一つ一つ発音できる語彙を増やし、朗読に磨きをかけていきたいと思います。

最後のおしゃべりタイムでは、様々なきっかけでロシア語を学ばれている方からのお話を
伺いました。ロシア語のアプローチの仕方が多種多様であることを知り、自分に合った
やり方をもう少し模索していきたいと思った次第。

そして、次回は是非とも特別講座と併せて朗読大会も開催して頂きたいと思います。といい
ますのも、自分の朗読技術がどのレベルにあるのかをもっと知りたいもので。

最後になりますが、今回は特別講座を開催してくださいまして誠にありがとうございます。

第30回ロシア語特別講座に参加して (その2)

2022年09月16日 | ロシア語特別講座
元ロシア語講座受講生のMさんからも参加された感想を
うかがいました。
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出産を機にロシア語学習から遠ざかっていましたが、今年の特別講座は午後だけでしたので、思い切って
参加してみました。テキストは上級を選びました。

クラス別講座の時間、私以外の方はしっかり予習をされ、澱みなく流れるように朗読されていました。とても
焦りました。私は自分がもう少しスラスラ音読できると思っていたので、悔しさが残り「継続は力」だなあと
痛感しました。

タチアナ先生の詩の講義は、時間が足りず内容が途中になってしまいましたが、先生の声はとても迫力に
満ちていて、ネイティブロシア語を聴くという点においては充分満足できるものでした。

おしゃべりタイムには、参加された方々がロシア語を始めたきっかけを話して下さいました。皆さんとても
個性的で、聴いているのが楽しく「やっぱりロシア語やっている人ってちょっとユニーク」と思いました。

現在は以前に比べてネット環境が良くなり語学も色々な方法で学べるようになりました。それに伴って、
ユーラシア協会のロシア語講座も存続が難しくなっていくのでは?と考えていました。しかし、今回特別講座に
参加して感じたのは、直接会って話すリアルな現場の重要性でした。ロシア語を発する音の響き合い、
お互いに出し合うエネルギーによって学習意欲がさらに増し、切磋琢磨し合える素晴らしさ、そのようなものを
再発見させて頂きました。

コロナ禍でなかなか「集う」ことが難しい中、特別講座を企画して下さったこと、また、人と人とが直接会って
会話する大切さ、重要性に気付かせて頂けたことに本当に感謝いたします。このような機会を与えて
くさだいました、協会関係者の方、先生方にお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

第30回ロシア語特別講座に参加して(その1)

2022年09月15日 | ロシア語特別講座
特別講座に参加されたNさんに感想を書いていただきました。
Nさんは独学でロシア語を勉強しておられ、ジョージア、アゼルバイジャン
などを旅して旅先でロシア人と交流があったとのことでした。
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 初めてロシア語特別講座に参加をさせていただきました。現在は独学でロシア語を勉強しており
生のロシア語を聞く機会がないため、とても充実した時間になりました。

 タチアナ先生の講演では、音や情景を表すロシア語表現から人はなぜ詩を書くのか、ということまで
幅広くお話しいただき私自身にとってとても新鮮で面白いと感じました。
普段のロシア語学習やそれ以外の読書でも詩を含め文学作品を読まないので、今更ながら作者がどのような
意図でこの言葉を選んでいるのか、どのような意味が込められているのかという事を考えながらロシア語の
勉強をすると表現の幅が増えより上達するのではないかと考えるようになりました。

 朗読練習ではアリビナ先生の中級クラスに参加しました。力点がついている時の発音について
自身の理解が曖昧であったところもあり、そこを見直すきっかけになりました。また、予習はしたものの
普段あまり目にしない長めの単語は舌が回らないことがあり、改めて様々なジャンルの作品や文章を読む
ことの重要性を感じました。

朗読練習後のおしゃべりタイムでは旅行やロシア語学習の方法など多くのお話を聞き、もっと
ロシア語を勉強して上達したい、もっといろいろな場所に行ってみたいという気持ちになりました。


ロシア語特別講座報告 その2

2022年09月13日 | ロシア語特別講座
講演に続いて 初級、中級、上級の3クラスに分かれてテキスト朗読の練習が始まりました。参加者は
自分のレベルに合わせて前もってテキストを選んで予習してきました。

初級は難波先生の指導で まずテキストの文法の説明がありました。それから文を読む練習になったのですが
この日初めてロシア語の授業を受けた方もあり(キリル文字も読めないわけで)、また初級は簡単過ぎでは?
と思われる方もあり、皆さんのレベルが違いすぎてちょっと困りました。

中級のクラスです。テキストはチェーホフの短編”Моя она"。このクラスは男性ばかり8名、みなさんロシア語には
慣れておられ、文は読めるのですが 力点や発音の上でやはり我流になっているところ、間違っているところがあり、
ブレンコーワ先生はまず発音の基本、例えばС Чが続いてСЧとなるとЩと発音されること、アクセントのないЯや Еは
Иという発音になることなどを復習するところから始められました。

(先生はフェイスガード、生徒はマスクで。生徒が一人しか
写っていませんが、実は右側のドアの向こうに7人の生徒さんが)

上級のクラスです。こちらは4名だけで 山崎タチアナ先生の指導で、ノーベル文学賞受賞者でもあり、
華麗な文章で知られているイヴァン・ブーニンの夏と子供時代についての文を読みました。内容に
ついての質問や感想を聞かれた後で朗読の練習になりました。みなさん、さすがにお上手ですが、
細かなミスやイントネーションについての注意などがありました。


最後の一時間はなんでもありの「おしゃべりタイム」です。
全員で輪になって お菓子を食べながら

まずは自己紹介も兼ねてロシア語を始めたきっかけや学習法についてお話していただきました。
ロシアの指揮者や演奏家やバレエが好き、ウラジオストック、サハリン、ジョージアなどへの旅行、ラジオ講座
(どんどん不便な時間に押しやられていますが)などの他に「ピアノを習ったら教則本がロシアのものでそこに
書かれている文字が読めず、興味を持って習ってみようと思った」という方もありました。
思いがけない出会いがあるものですね。

今回の感想として「ロシア語を習ってもロシア人のロシア語を聞く機会がなく今日はそれが聞けてよかった」
「家が遠くて毎週講座に通うことができないのでこういう講座を時々やってほしい」という声もあり
ました。今回の目標は「生のロシア語に触れる」ということだったので少しはお役に立てたでしょうか。

第30回ロシア語特別講座報告 その1

2022年09月13日 | ロシア語特別講座
9月11日(日)午後1時から愛知民主会館2階のホールで第30回ロシア語特別講座が開かれました。

参加者は17名、現役の受講生、リモート授業を受けている受講生(先生に実際に会うのはこれが初めて!)、
独学で勉強している方、ロシア語を学ぶのは初めてという方などバラエティに富んだメンバーが集まりました。


まず最初は山崎タチアナ先生の講演「ロシアの詩について」です。「人はなぜ
詩を書くのか」という質問で始まり、小さい子供は
手遊びの歌や短い詩を覚えそれによって自分の回りの世界を認識していくこと、
詩を書くのは自然や物事に対しての自分の態度や認識を表すためだということ、
というお話の後で、いろいろな詩の一節を繰り返し朗読しながらの詩の説明がありました。

最初に取り上げられたのはロシア文学の金の時代(19世紀の初めからチュッチェフまで)の
天才詩人プーシキンです。まず例に挙げられたのは「青銅の騎士」ですが、彼は豊かな語彙と
卓越した詩作のテクニックを駆使して 音や情景を詩に描き出しました。例えばグラスに注が
れる泡立つスパークリングワインの音はп やш を含む言葉で 水が流れる音はлで表され、
ペテルブルクの街路を重い騎士を乗せた馬が疾走し、石畳の道が揺れる様子も選ばれた「重い
言葉」で表され、読者にはその音が聞こえ情景が目に浮かんできます。

こういう「詩作のバトン」を受け取って彼に続いた詩人はレールモントフでした。

Когда волнуется желтеющая нива,
И свежий лес шумит при звуке ветерка,
(黄色く色づき始めた麦は波打ち
みずみずしい森はそよ風の音に騒ぐ)

と山崎先生が朗読されると それはまるで歌のようです。
残念ながら参加者全員が耳で聞いてすぐ内容を把握することは難しいので
手元の資料で
ロシア語の詩と和訳を見ながら聞いたのですが、、

レールモントフは軍人としてカフカスに行き、実際の戦闘に参加しました。血みどろの戦いの
後で、雪をいただくカフカスの5000メートル級の山々を見て自然への畏敬の念に打たれ、
気高く静かな自然に対してあまりにも哀れな人間たちの様子に「この青空の下にみんなの場所は
十分にあるのになぜ人間は敵対しあうのだろう」と嘆きます。

特別有名なこの二人の詩人の他に「金の時代」の優れた詩人として日本ではよく知られていない
バラティンスキー(1800-1844)の紹介もありました。彼の残したアフォリズムは
Лица необщим  Выраженьем.
(人の顔にはそれぞれ違う表情がある)
これはつまり、人はそれぞれに違っていて個性がある、ということです。人はすべて均等と考え、
ある一つのスタンダードを押しつけようとする人たちには気に入らないことです。詩はなによりも
まず 個人の自由の表明なのです。

この先にまだ面白いお話があるはずだったのですが、、先生が初心者のために特別ゆっくり話し
てくださったり、詩の一節を繰り返して読んでくださったりされたこともあり、また通訳にも
時間がかかって 予定の時間を過ぎてしまい、講演はここで終わりになってしまいました。
(続く)