1月18日(日)午後2時から ロシア語教室で 第3回新春サモワールお茶会が開かれました。
ゲストはアルメニア人のアストヒク・モフシシャーンさん。
名古屋大学国際言語文化研究科博士課程1年生でアルメニアの首都エレヴァン出身です。
来日されたのは2010年、日本語堪能でチャーミングな方です。
ノートパソコン持参でアルメニア観光名所やアルメニアのクリスマスや冬のお話をしてくださいました。
まずアルメニアってどこにあるのでしょうか?地図を見てみましょう。
この地図の右側にあるのはカスピ海、左端が黒海です。アルメニアはグルジア、トルコ、イラン、アゼルバイジャンに
囲まれた内陸の国です。
この地図に大きな湖が見えますが これはセヴァン湖で 観光地となっています。アルメニアは世界で最初に
キリスト教を国教とした国であり、固有の言葉と文化を持っていることをアルメニア人は大変誇りにしています。
国内には多くの古い教会や修道院が残っています。ロシア正教とは違い、クリスマスは1月5日に祝います。
アルメニア側から美しい姿を見ることができるアララト山(5137m)は 今ではトルコ領ですが
アルメニア人には特別の山で国章やお札に印刷されています。
アルメニアは別名「ハヤスタン」というのだそうです。読めそうで読めないアルメニア文字。
ブドウの葉で肉やコメを包んで煮る「トルマー」やドライフルーツを使ったものなど おいしそうな料理の
写真もいっぱい見せていただきました。
お話がひと段落したところでお茶を飲むことにしました。小さなポットに濃い紅茶を作り、これをカップに少なめに
入れてサモワールのお湯で好みに薄めて飲みます。
今日のお茶菓子はブリヌィ。ロシア風のクレープです。その場で焼いていては時間がかかりすぎるので
今日はもう焼いたものを持ってきました。くっついてしまわないように間にクッキングペイパーを挟んで
います。
ブリヌィ用の小さいフライパンを持ってくるのを忘れてしまいました。それでしかたなく事務所にあった
中華鍋のような大きな鍋を使いました。右の方はまるで野菜炒めでも作っているかのようですが
バターを敷いたなべでブリヌィを温めているのです。
10人でお茶を飲むと小さなサモワールのお湯はすぐなくなってしまうので しょっちゅうお湯を足さなければ
なりません。参加者のみなさんに手伝っていただきました。
両面焼いてあたためたブリヌィにジャム、それにサワークリームをのせて食べてもよし、
(今日のジャムは モルドヴァ産のいちごとアプリコット)
おつまみ風のものをくるんで食べてもおいしいですよ!
今日はラトビア産のオイルサーディン、ビアソーセージ、ヴィネグレット(ビーツとポテトのサラダ)、キュウリの
ピクルス(ポーランド産)、など。
エカチェリンブルクから帰って来た羽根渕さんがロシアのお菓子を差し入れてくださいました。
これは пряники(プリャーニキ)です。
小麦粉に糖蜜やスパイスを加えて焼いたもの。もちもちした触感です。うすくお砂糖の衣がかかっています。
ロシアでは「飴と鞭」の代わりに”кнут и пряник”(鞭とプリャーニク)と表現されるほど
ポピュラーなお菓子です。
オレンジ色のお菓子はやはりロシアのゼリー。
フルーツケーキや
メレンゲのお菓子も。
何杯も紅茶をお代わりし、いろんな食べ物を食べながら 話が弾みました。
アルメニアの学校では外国語はまずロシア語、第二外国語は選べます。アストヒクさんはフランス語を習いました。
英語は大学で勉強したそうです。今ではフランス語は忘れてしまったそうで、一番使うのは日本語と英語、
旧ソ連の国からの留学生たちとはロシア語が共通語になっています。
日本でびっくりしたことは?
「来日直後、大学の学食で 白いチーズが売られているのをみて 買って食べたところ、、
それは全く別の食べ物でした! 冷奴だったみたいです。
和食は最初は苦手でしたが だんだん慣れてきて 今では豆腐や味噌は大好きになりました。」
お暇な時は何をしていますか?
勉強が忙しくて ほとんど暇な時間はありません!
でも 時間を作って旅行には行きます。最近行ったのは 高山ですが とても素敵なところでした。」
将来は何なりたいですか?
「研究者になると思います。また 日本語や日本の文化を教える教師になるのもいいですね。」
アルメニアでは村上春樹の小説のアルメニア語訳 ロシア語訳が売られていて 川端康成も
知られているとのことでした。
アストヒクさん、面白いお話をありがとうございました。
いろいろ差し入れてくださった皆様、準備と後片付けをしてくださった皆様
ありがとうございました。