さて 講演が終わるとすぐに参加者は上級、中級、初級の三つのグループに
分かれて朗読の練習が始まりました。
こちらは初級のクラスです。
難波先生と内山エレーナさんの指導で勉強したテキストは実はソ連時代の歌「Пусть
всегда будет солнце」(いつもお日様が輝いていますように)の歌詞です。今回参加の
初級クラスのみなさんには少し難しい言葉もあったようですが、何度も繰り返される
「пусть ____」(==でありますように、誰々に==をさせなさい)は実際の会話でも
よく使われる表現でもあり、語彙を増やしながら発音の練習もじっくりと。
最後は実際に子どもが歌うこの歌も聞いてみました。
ブレンコーワ先生の中級のクラスです。まず発音しにくい言葉を練習。
テキストはウシンスキーの「四つの願い」から。ミーチャという男の子が「冬に
スキーやスケートで楽しく遊び、お父さんに「ずっと冬だといいなあ」と言います。
ところが春になるとチョウを追いかけて遊び「すっと春だといいなあ」と言い、
同じく夏になると夏、秋になると秋がいい、と言う、というテキストでした。
内容の説明の後はひとりひとりが文を読んでブレンコーワ先生にチェックして
もらいます。
上級クラスは山崎タチアナ先生のご指導でレールモントフの「現代の英雄」の
一節と彼の詩「утес」の朗読の練習です。
軍人としてカフカスに送られた彼の代表作「現代の英雄」からの
一節では「朝5時に部屋の窓を開けると部屋は庭の花の香で満たされ、風が
吹くと窓際に咲いているサクランボの白い花びらが机の上を覆う。東側を
見るとそこにはいろんな言葉を話す人たちの声が響き、鉱泉が音を立てる
小さな町があり、その向こうにはぐるりとコーカサスの山々がそびえている」
と美しい文章が続きます。
単語はぐっと難しくなり、また詩では韻を踏むために普通とは違うところに力点が
置かれたりすることもあって、みなさん、真剣な顔で取り組んでおられました。
朗読だけでなく先生からは「レールモントフはなぜカフカスに行ったのでしょう?」と
質問があり、反政府的な詩を書いたので罰としてカフカスに送られたことや軍人として
戦場に立った彼がカフカスの自然に魅了され、その偉大な自然を前にして人はなぜ
殺し合うのだろうかと疑問を持っていたというお話もありました。
また この日ゲストとして参加してくださったニキータ・ヴァルラーモフさん
(モスクワ生まれのロシア人で、目の不自由な方です。モスクワで日本語を
習い始め、モスクワ大学から名古屋大学に留学されて、それから20年ほど
名古屋にお住まいです)「ロシアの学校ではよく詩の暗唱をさせられました。
私はこの詩を選んだんですよ、どうしてかわかります?短いからです!」と
みんなを笑わせながら утесの朗読を聞かせてくださいました。
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