サモワールを囲んで

日本ユーラシア協会愛知県連ブログ

第32回ロシア語特別講座報告  参加者の方々の感想

2024年09月13日 | ロシア語特別講座
 今回の参加者の方々に感想文を書いていただきましたのでご紹介します。

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中級クラス:西村 千輝(にしむら かずき)様

自分の名前がキリル文字で書かれたネームプレートを受け取り、緊張と興奮を
覚えながら、特別講座に臨みました。学生の方、社会人の方…様々な方が
参加されているのを見て、「こんなにもロシア語を勉強している人がいるん
だな」と学習のモチベーションが上がりました。

 エレーナ先生の大学受験に関する講演では、耳に飛び込んでくる言葉を
理解しようと必死でした。本場のロシア語に触れる貴重な機会を頂き、
感謝しています。同時に、ちゃんと予習をしておけばよかったと後悔しま
した。次の機会があれば、しっかりと準備をして、お話を堪能したいと思い
ました。

 朗読練習ではブレンコーワ先生のきめ細かいご指導に感激しました。
アクセントやイントネーションについて、丁寧にご教授頂き、改善すること
ができました。また、ロシアの童話をじっくり味わうことができ、とても
満足しております。テキストの内容は、心がほっこりするもので、練習を
通してお気に入りの作品になりました。

おしゃべりタイムでは、文法学習に関する参加者の皆さまの様々な情報が
記憶に残りました。私事ですが、月に数回、オンラインでロシア語レッスン
を受けています。時折先生が、「文法を苦労して覚えていないので、どう
教えていいか分からない」と仰るのを思い出しました。自分のことを振り
返ると確かに、日本語の文法を苦労して覚えた記憶がありません。まわり
との触れ合いの中で、自然と身についたのだろうと思います。しかし、
文法は学習者にとって、上達の大きな助けになるものだと思っております。
特にロシア語の文法の壁は高く感じられますが、壁の上に立った時、遠く
まで見ることができるものと信じております。

また、難波先生のレストランに入った時のお話は面白く、とても勉強になり
ました。「ヤー、ハチュー、イェースチ」の精神でロシア語をどんどん使って
上達できればと思いました。

特別講座に参加させて頂き、本当にありがとうございました。これからも
ロシア語の学習を、細く長く続けていきたいです。

注)文中「ヤー・ハチュ-・イェスチ」の精神で、とありますが、これは
おしゃべりタイムに難波先生が話してくださった体験談のことです。まだ
ロシア語がほとんど話せなかった頃にモスクワのレストランに行かれた
先生はロシア語で料理の注文ができず、その当時知っていた唯一の表現
ヤー・ハチュ-・イェスチ」(Я хочу есть ! 私は食べたい)をひたすら
繰り返し、とうとう料理を食べることができたのでした。
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上級クラス:SJ様

今回ほどに発音と文字のつながりを強く意識した回はなかったと振り
返っております。
今回は三回目の参加となりました。最初の二回は中級で小説に取り組みま
したが、今回は上級に参加し同じレールモントフの詩と小説に取り組みま
した。

特に小説の中で同じ単語で異なる格が数回登場しており、その時のウダレ
ーニエの違いが文全体の発音にどう影響するかを自分なりに考えることと
なりました。山崎タチアナ先生による詩と小説の解説をロシア語で拝聴し、
単なる発音特訓にとどまらない朗読講座となりました。

内山エレーナ先生の講演では、受験制度においてカルチャーショックを
感じることとなりました。専門分野選びが受験生にとってどのようなもの
だったか、そして入学後にどのような科目を履修するか等を知るに至り
ました。

前回までは詩や絵画等の文芸分野がテーマだったのに対して、今回は受験
制度を通じて当時のロシアの社会事情を知る機会を得ました。更に広範に
渡ってロシア語圏を知りたいと思いました。

最後のおしゃべりタイムまでエレーナ先生への質問は止まりませんでした。
加えて山崎タチアナ先生からもロシア語圏の社会で人々がどのような生活を
営んでいたか、ほんの少しではありますが知ることができました。
ここまで密度の濃い回はなかなか無いのではないかと思います。今回は
愛媛松山から来た甲斐がありました、有難うございました。

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第32回ロシア語特別講座報告 その3

2024年09月13日 | ロシア語特別講座
短い休憩を挟んで14時50分からはみんなで2階のホールに集まり、
「おしゃべりタイム」です。

今回は難波先生のご提案で簡単なロシア語クイズが行われました。一年の12ヶ月
を当てるクイズです。配られた用紙にはロシア語で問題が書かれています。
例えば

В __________ начитается учебный год в школах в России.

(~~~月に ロシアの学校では新学期が始まります。)

これは 前置詞 в がついていますので この月名の格変化も必要ですね。

用紙を配ってから5分後に答え合わせです。ブレンコーワ先生が進行役で答えが
分った方に手を挙げていただいて指名します。初級の方もいらっしゃるので
「答えは分ったけど スペルがわからない」という声も聞こえました。

ロシアの学校では9月(сентябрь)に新学期が始まりますので答えは
В сентябре начинается учебный год в школах в России.

この後は自由なおしゃべりの時間になり、いろいろな質問が出ました。今日は
エレーナさんの大学受験の話を聞いたのですが、10年生、11年生になると
将来の仕事を意識してどの学部に行くかを決めている人が多いそうです。
大学に行かずに職業学校に行くという選択肢もあり、この場合は9年生まで
学校に通ってそれから工業学校などに行くのだそうでした。

今回は台湾の方(Lさん)も参加されたのですが、日本の大学院で勉強中、歯医者を
目指しておられるとのことでした。英語とのバイリンガル教育を受け、日本語も堪能
です。外国語の習得の話も出ましたが、今では文法をほとんど習わず、いきなりロシア
に行ってロシア語でロシア語を習うという人もあります。3カ国語がネイティブ
スピーカーレベルで話せるLさんや文字もろくに読めないままロシアの大学に
入学して卒業された難波先生の体験談なども出ましたが、やはりよく分って
いる母語でじっくり文法の勉強をするのが外国語習得の近道ではないか、
という話になりました。

このほかにムラヴィンスキー(ソ連時代の有名は指揮者 1903-1988)の大ファン
という参加者のSJさんから彼の東京公演の際の面白いエピソードが紹介され、
その後はロシアのアネクドートとロシア人のユーモアについて参加者のみな
さんとロシア人の先生方、ゲストのニキータさんとの間でいろいろとお話が
はずみました。

最後に 今日の初級のテキストに使われたソ連時代の歌「Пусть всегда 
будет солнце」を聞き、歌を口ずさみながら今回の講座が終わりました。


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第32回ロシア語特別講座報告 その2

2024年09月11日 | ロシア語特別講座
さて 講演が終わるとすぐに参加者は上級、中級、初級の三つのグループに
分かれて朗読の練習が始まりました。

 こちらは初級のクラスです。

難波先生と内山エレーナさんの指導で勉強したテキストは実はソ連時代の歌「Пусть
 всегда будет солнце」(いつもお日様が輝いていますように)の歌詞です。今回参加の
初級クラスのみなさんには少し難しい言葉もあったようですが、何度も繰り返される
「пусть ____」(==でありますように、誰々に==をさせなさい)は実際の会話でも
よく使われる表現でもあり、語彙を増やしながら発音の練習もじっくりと。
最後は実際に子どもが歌うこの歌も聞いてみました。

ブレンコーワ先生の中級のクラスです。まず発音しにくい言葉を練習。

テキストはウシンスキーの「四つの願い」から。ミーチャという男の子が「冬に
スキーやスケートで楽しく遊び、お父さんに「ずっと冬だといいなあ」と言います。
ところが春になるとチョウを追いかけて遊び「すっと春だといいなあ」と言い、
同じく夏になると夏、秋になると秋がいい、と言う、というテキストでした。
内容の説明の後はひとりひとりが文を読んでブレンコーワ先生にチェックして
もらいます。
上級クラスは山崎タチアナ先生のご指導でレールモントフの「現代の英雄」の
一節と彼の詩「утес」の朗読の練習です。

軍人としてカフカスに送られた彼の代表作「現代の英雄」からの
一節では「朝5時に部屋の窓を開けると部屋は庭の花の香で満たされ、風が
吹くと窓際に咲いているサクランボの白い花びらが机の上を覆う。東側を
見るとそこにはいろんな言葉を話す人たちの声が響き、鉱泉が音を立てる
小さな町があり、その向こうにはぐるりとコーカサスの山々がそびえている」
と美しい文章が続きます。

単語はぐっと難しくなり、また詩では韻を踏むために普通とは違うところに力点が
置かれたりすることもあって、みなさん、真剣な顔で取り組んでおられました。
朗読だけでなく先生からは「レールモントフはなぜカフカスに行ったのでしょう?」と
質問があり、反政府的な詩を書いたので罰としてカフカスに送られたことや軍人として
戦場に立った彼がカフカスの自然に魅了され、その偉大な自然を前にして人はなぜ
殺し合うのだろうかと疑問を持っていたというお話もありました。

また この日ゲストとして参加してくださったニキータ・ヴァルラーモフさん
(モスクワ生まれのロシア人で、目の不自由な方です。モスクワで日本語を
習い始め、モスクワ大学から名古屋大学に留学されて、それから20年ほど
名古屋にお住まいです)「ロシアの学校ではよく詩の暗唱をさせられました。
私はこの詩を選んだんですよ、どうしてかわかります?短いからです!」と
みんなを笑わせながら утесの朗読を聞かせてくださいました。

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第32回ロシア語特別講座報告  その1

2024年09月10日 | ロシア語特別講座
9月8日(日)午後1時から4時半まで愛知民主会館で第32回ロシア語特別講座が
開催されました。

参加者は13名(うち会員8名)でした。この講座は「とにかくたくさんロシア語を
聞く、朗読する、話す」を目標にしています。

まず最初に今回のゲストスピーカー、内山エレーナさんの講演がありました。彼女は
ベルガラド出身のロシア人で昨年来日、今は日本語猛勉強中です。ヴォロネジ
大学のジャーナリズム学部を卒業されたということで今回は彼女の大学受験に
ついてお話をしていただきました。

彼女が受験した1995年はソ連崩壊のすぐ後で、ロシアの人たちはまだ新しい国の
体制に慣れず、呆然としていた時期です。またソ連崩壊後はかつてのソ連の共和国
からロシアに戻ってきたロシア人もたくさんいた上に子どもに高等教育を受け
させたいという人も多く、つまり、大学に行きたい人がとても多かったのでした。
当時はまだ国立大学ばかりで 小さな町には大学の数も少なかったのです。

10年制の学校を卒業したエレーナさんは大変な優等生だったようですが、文章を
書くことが好きでジャーリストになることを夢見ていました。彼女が目指したのは
ヴォロネジ大学のジャーナリズム学部でした。ここではジャーナリスト、作家、
俳優、演出家、映画監督などを目指す人たちが勉強します。

こうした学部では独特の入学試験がありました。まず作文試験があり、その
結果を見て二日後に面接試験がありました。作文試験では最初に3つのテーマが
提示され、それぞれその一つを選んでエッセイを書かなければなりませんでした。
エレーナさんはこの学部に憧れて受験に来たものの、自分に自信がありません
でした。でもエッセイを書いているうちに、「どうしても合格したい、ここで
勉強したい」という気持ちが燃え上がり、一生懸命に書いたそうです。次の
試験までの二日間、興奮と緊張とで彼女は眠ることも食べることもできませ
んでした。

面接では二人の教師から書いたエッセイについて質問され、更に今どんな
本を読んでいるか、どんな映画が好きか、興味のあることはなにか、などの
質問がありました。
そして重要な質問「なぜここで勉強したいのか、ジャーナリズムでなにを
成し遂げたいのか?」には彼女は「文章を書くことが好きです。プロとして
書くことを学びたいのです。そして有名になりたいです」 と答えました。

面接が終わって、付き添ってきたお母さんと廊下でしばらく待っていると
先ほど面接した先生がやってきて「おめでとうございます!成績は5です。
おうちに帰ってもいいですよ」と言いました。

あんまりあっけなくて、彼女とお母さんは訳が分らずその場に立ったまま
でした。そしてお母さんは「これで全部ですか?この先はどうなりますか?」
と聞いてしまいました。先生の答えは「ええ、これで全部です。お嬢さんは
合格です。もうお帰りになっていいですよ。新学年の始まる前にまた来て
ください。」でした!

合格と聞いてうれしかったそうですが、、それでも新学期にヴォロネジ大学に
行って事務所に貼り出された合格者のリストに自分の名前を確認するまで
エレーナさんは「ひょっとして なにかの間違いだったら?」と不安でたまら
なかったのでした。

参加者の皆さんには事前にロシア語の原稿とその和訳を配布してありました
ので結末は分っていたはずですが、エレーナさんはとても生き生きと上手に
お話されるのでみなさん、ドキドキしながら聞いておられたようです。



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第31回ロシア語特別講座開催のお知らせ

2023年08月09日 | ロシア語特別講座
9月10日(日)に第31回ロシア語特別講座「生のロシア語に“触れて”みよう」を開催いたします。
今回は最初にウクライナ出身のタチアナ・サエンコ先生にロシアの画家イリヤ・レーピンについて
講演をしていただきます。前回は講演を逐次通訳しましたが、今回は通訳はなしです。約20分の
スピーチをじっと耳を澄ませて聞いて、どれだけ内容が聞き取れるかチャレンジしてみてください。
当日スピーチのロシア語テキストと和訳を配布しますので復習に役立ててください。

レーピンはロシアの偉大な画家ですが 日本での知名度は今ひとつ。
この絵をご覧になったことはありますか?

これは彼の代表作のひとつ、「ヴォルガの船曳」です。
彼は1844年に生まれ、長い生涯の間にロシアの民衆の姿、歴史的なできごとなどを描きました。
また多くの優れた肖像画を描いたことでも知られていて、特にトルストイやムソルグスキーの肖像画は有名です。

次に各自がレベル別のテキストを選んで先生の指導を受けながら朗読の練習をします。前回より少し時間を
延長し、じっくり練習します。

最後は全員でのおしゃべりタイムです。ロシア語の勉強法、情報交換、いまさら聞きにくい(?)
ロシア語についての疑問、なんでもありでご自分のクラス以外の講習生や先生方とおしゃべりしてください。
(ロシア語でも日本語でも)また、講習生以外の方のご参加も大歓迎です。今回は3人のネイティブ
スピーカーの先生方の指導で「生のロシア語に触れ」、ロシア語を読んだり、聞いたり、話したり
する3時間半、いつもの教室とはちょっと違うロシア語の世界へぜひおでかけください。
                             
 日 時    9月10日(日) 受付開始午後0時30分、講座開始午後1時
 会 場    愛知民主会館2Fホール(名古屋市東区葵一丁目22-26      
        電話052-508-4368)
 参加費    1000円 (日ユ協会会員とロシア語講座受講生:500円)
 
プログラム
      12:30~13:00  受付

     13:00~13:10 開会あいさつ、スケジュール説明

     13:10~13:40 タチアナ・サエンコ先生の講演「レーピンについて」

     13:40~14:40朗読練習・指導(初級:難波先生、中級:ブレンコーワ先生、上級:山崎先生)
     14:40~14:50 休憩
     14:50~16:30 おしゃべりタイム

 ☆ 申込は日本ユーラシア協会愛知県連合会へ℡052-508-4368 
    mail :kokoshka2011@gmail.com
    メールでお申込みの際は氏名(ふりがな付)、住所、電話番号、会 
    員、受講生か、希望される朗読テキストの級をお知らせください。
    
 ☆ 申込み期限:9月5日(火)
 ☆ 朗読用テキストは申し込み時にお渡ししますので、自宅でも練習してください。
(メール添付で送付も可)
 ☆ 参加費は申し込み時にご入金下さい。
 
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第30回ロシア語特別講座に参加して(その3)

2022年09月20日 | ロシア語特別講座
この感想を書いてくださったJSさんは遠く広島から参加されました。
ドイツ語を10年以上学びドイツ語の詩の朗読もされていました。ロシア語学習
は5年めで「ロシア語の詩の世界」に興味を持って参加されたそうです。
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ロシア語を学び続けていく中で、どうしても発音(特にウダレーニエ)が上手くいかなくて
悩んでおりました。その矢先に今回初めて本特別講座を受講しました。

予てより朗読大会と特別講座が名古屋で開催されているということを耳にしておりました。
そのこともあって、どこかで必ず参加したいと思った次第です。

タチアナ先生の詩の講義からは、ロシアの文学史の一端を垣間見ることができました。加えて、
「なぜ人は詩を書くか」という答えのない問いを考えるきっかけを頂きました。

朗読練習では、ブレンコーワ先生の中級クラスを受講しました。練習のパートでは、朗読
における課題がお陰様で明らかになりました。私自身、時間の許す限り予習してきたつも
りです。それでも思ったより上手く朗読できず、課題は山積みであったと感じました。
それでも、一つ一つ発音できる語彙を増やし、朗読に磨きをかけていきたいと思います。

最後のおしゃべりタイムでは、様々なきっかけでロシア語を学ばれている方からのお話を
伺いました。ロシア語のアプローチの仕方が多種多様であることを知り、自分に合った
やり方をもう少し模索していきたいと思った次第。

そして、次回は是非とも特別講座と併せて朗読大会も開催して頂きたいと思います。といい
ますのも、自分の朗読技術がどのレベルにあるのかをもっと知りたいもので。

最後になりますが、今回は特別講座を開催してくださいまして誠にありがとうございます。
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第30回ロシア語特別講座に参加して (その2)

2022年09月16日 | ロシア語特別講座
元ロシア語講座受講生のMさんからも参加された感想を
うかがいました。
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出産を機にロシア語学習から遠ざかっていましたが、今年の特別講座は午後だけでしたので、思い切って
参加してみました。テキストは上級を選びました。

クラス別講座の時間、私以外の方はしっかり予習をされ、澱みなく流れるように朗読されていました。とても
焦りました。私は自分がもう少しスラスラ音読できると思っていたので、悔しさが残り「継続は力」だなあと
痛感しました。

タチアナ先生の詩の講義は、時間が足りず内容が途中になってしまいましたが、先生の声はとても迫力に
満ちていて、ネイティブロシア語を聴くという点においては充分満足できるものでした。

おしゃべりタイムには、参加された方々がロシア語を始めたきっかけを話して下さいました。皆さんとても
個性的で、聴いているのが楽しく「やっぱりロシア語やっている人ってちょっとユニーク」と思いました。

現在は以前に比べてネット環境が良くなり語学も色々な方法で学べるようになりました。それに伴って、
ユーラシア協会のロシア語講座も存続が難しくなっていくのでは?と考えていました。しかし、今回特別講座に
参加して感じたのは、直接会って話すリアルな現場の重要性でした。ロシア語を発する音の響き合い、
お互いに出し合うエネルギーによって学習意欲がさらに増し、切磋琢磨し合える素晴らしさ、そのようなものを
再発見させて頂きました。

コロナ禍でなかなか「集う」ことが難しい中、特別講座を企画して下さったこと、また、人と人とが直接会って
会話する大切さ、重要性に気付かせて頂けたことに本当に感謝いたします。このような機会を与えて
くさだいました、協会関係者の方、先生方にお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
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第30回ロシア語特別講座に参加して(その1)

2022年09月15日 | ロシア語特別講座
特別講座に参加されたNさんに感想を書いていただきました。
Nさんは独学でロシア語を勉強しておられ、ジョージア、アゼルバイジャン
などを旅して旅先でロシア人と交流があったとのことでした。
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 初めてロシア語特別講座に参加をさせていただきました。現在は独学でロシア語を勉強しており
生のロシア語を聞く機会がないため、とても充実した時間になりました。

 タチアナ先生の講演では、音や情景を表すロシア語表現から人はなぜ詩を書くのか、ということまで
幅広くお話しいただき私自身にとってとても新鮮で面白いと感じました。
普段のロシア語学習やそれ以外の読書でも詩を含め文学作品を読まないので、今更ながら作者がどのような
意図でこの言葉を選んでいるのか、どのような意味が込められているのかという事を考えながらロシア語の
勉強をすると表現の幅が増えより上達するのではないかと考えるようになりました。

 朗読練習ではアリビナ先生の中級クラスに参加しました。力点がついている時の発音について
自身の理解が曖昧であったところもあり、そこを見直すきっかけになりました。また、予習はしたものの
普段あまり目にしない長めの単語は舌が回らないことがあり、改めて様々なジャンルの作品や文章を読む
ことの重要性を感じました。

朗読練習後のおしゃべりタイムでは旅行やロシア語学習の方法など多くのお話を聞き、もっと
ロシア語を勉強して上達したい、もっといろいろな場所に行ってみたいという気持ちになりました。

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ロシア語特別講座報告 その2

2022年09月13日 | ロシア語特別講座
講演に続いて 初級、中級、上級の3クラスに分かれてテキスト朗読の練習が始まりました。参加者は
自分のレベルに合わせて前もってテキストを選んで予習してきました。

初級は難波先生の指導で まずテキストの文法の説明がありました。それから文を読む練習になったのですが
この日初めてロシア語の授業を受けた方もあり(キリル文字も読めないわけで)、また初級は簡単過ぎでは?
と思われる方もあり、皆さんのレベルが違いすぎてちょっと困りました。

中級のクラスです。テキストはチェーホフの短編”Моя она"。このクラスは男性ばかり8名、みなさんロシア語には
慣れておられ、文は読めるのですが 力点や発音の上でやはり我流になっているところ、間違っているところがあり、
ブレンコーワ先生はまず発音の基本、例えばС Чが続いてСЧとなるとЩと発音されること、アクセントのないЯや Еは
Иという発音になることなどを復習するところから始められました。

(先生はフェイスガード、生徒はマスクで。生徒が一人しか
写っていませんが、実は右側のドアの向こうに7人の生徒さんが)

上級のクラスです。こちらは4名だけで 山崎タチアナ先生の指導で、ノーベル文学賞受賞者でもあり、
華麗な文章で知られているイヴァン・ブーニンの夏と子供時代についての文を読みました。内容に
ついての質問や感想を聞かれた後で朗読の練習になりました。みなさん、さすがにお上手ですが、
細かなミスやイントネーションについての注意などがありました。


最後の一時間はなんでもありの「おしゃべりタイム」です。
全員で輪になって お菓子を食べながら

まずは自己紹介も兼ねてロシア語を始めたきっかけや学習法についてお話していただきました。
ロシアの指揮者や演奏家やバレエが好き、ウラジオストック、サハリン、ジョージアなどへの旅行、ラジオ講座
(どんどん不便な時間に押しやられていますが)などの他に「ピアノを習ったら教則本がロシアのものでそこに
書かれている文字が読めず、興味を持って習ってみようと思った」という方もありました。
思いがけない出会いがあるものですね。

今回の感想として「ロシア語を習ってもロシア人のロシア語を聞く機会がなく今日はそれが聞けてよかった」
「家が遠くて毎週講座に通うことができないのでこういう講座を時々やってほしい」という声もあり
ました。今回の目標は「生のロシア語に触れる」ということだったので少しはお役に立てたでしょうか。
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第30回ロシア語特別講座報告 その1

2022年09月13日 | ロシア語特別講座
9月11日(日)午後1時から愛知民主会館2階のホールで第30回ロシア語特別講座が開かれました。

参加者は17名、現役の受講生、リモート授業を受けている受講生(先生に実際に会うのはこれが初めて!)、
独学で勉強している方、ロシア語を学ぶのは初めてという方などバラエティに富んだメンバーが集まりました。


まず最初は山崎タチアナ先生の講演「ロシアの詩について」です。「人はなぜ
詩を書くのか」という質問で始まり、小さい子供は
手遊びの歌や短い詩を覚えそれによって自分の回りの世界を認識していくこと、
詩を書くのは自然や物事に対しての自分の態度や認識を表すためだということ、
というお話の後で、いろいろな詩の一節を繰り返し朗読しながらの詩の説明がありました。

最初に取り上げられたのはロシア文学の金の時代(19世紀の初めからチュッチェフまで)の
天才詩人プーシキンです。まず例に挙げられたのは「青銅の騎士」ですが、彼は豊かな語彙と
卓越した詩作のテクニックを駆使して 音や情景を詩に描き出しました。例えばグラスに注が
れる泡立つスパークリングワインの音はп やш を含む言葉で 水が流れる音はлで表され、
ペテルブルクの街路を重い騎士を乗せた馬が疾走し、石畳の道が揺れる様子も選ばれた「重い
言葉」で表され、読者にはその音が聞こえ情景が目に浮かんできます。

こういう「詩作のバトン」を受け取って彼に続いた詩人はレールモントフでした。

Когда волнуется желтеющая нива,
И свежий лес шумит при звуке ветерка,
(黄色く色づき始めた麦は波打ち
みずみずしい森はそよ風の音に騒ぐ)

と山崎先生が朗読されると それはまるで歌のようです。
残念ながら参加者全員が耳で聞いてすぐ内容を把握することは難しいので
手元の資料で
ロシア語の詩と和訳を見ながら聞いたのですが、、

レールモントフは軍人としてカフカスに行き、実際の戦闘に参加しました。血みどろの戦いの
後で、雪をいただくカフカスの5000メートル級の山々を見て自然への畏敬の念に打たれ、
気高く静かな自然に対してあまりにも哀れな人間たちの様子に「この青空の下にみんなの場所は
十分にあるのになぜ人間は敵対しあうのだろう」と嘆きます。

特別有名なこの二人の詩人の他に「金の時代」の優れた詩人として日本ではよく知られていない
バラティンスキー(1800-1844)の紹介もありました。彼の残したアフォリズムは
Лица необщим  Выраженьем.
(人の顔にはそれぞれ違う表情がある)
これはつまり、人はそれぞれに違っていて個性がある、ということです。人はすべて均等と考え、
ある一つのスタンダードを押しつけようとする人たちには気に入らないことです。詩はなによりも
まず 個人の自由の表明なのです。

この先にまだ面白いお話があるはずだったのですが、、先生が初心者のために特別ゆっくり話し
てくださったり、詩の一節を繰り返して読んでくださったりされたこともあり、また通訳にも
時間がかかって 予定の時間を過ぎてしまい、講演はここで終わりになってしまいました。
(続く)
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