歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

2010年11月21日 | 仕事 -work-
きっとあれだな、

まだ完了してないのに、終わりが見えたところでもう、うっかり、
ほっとしてしまって。

「頑張ったご褒美!」とか言って、
セレブ温泉でゆるゆる~♪

なんて、
先走ったのが、いけなかったのかもしれない。





ずっと 気が張りつめているうちは 大丈夫だったけど
潜在して蓄積していた「疲れ」みたいなものは、

ふっと 気が抜けたところに
つけこむように、どすんと、降りて来るらしい。



反省、反省。








6月に
今の会社に入って すぐの頃に、ご依頼がありました。


「プランナー」として、
初めて 単身、打ち合せに赴いて、
一時間 道に迷ったあげく、車をこすって、

以来、

設計から
見積から
どきどきの緊張のご契約から、
発注、
施工、現場監督まで。


出来ることよりも、出来ないことのほうが多かった。

いろいろと、手探りしながら。


6月から
いつも 頭のどこかに在って、
いつも ずーっと関わってきた、大きな現場。


やっと。です。







英国:コッツウォルズの「ハニーストーン」をふんだんに使った
積み花壇、

ブラジルの「イペ」という、高級ハードウッドの
デッキテラス、

表側がベンチで、裏側が物置になっている、
オリジナル物置ベンチ。

元々あった、繁茂し過ぎてた植栽を、整理して、移植し直して。


10月の末に やっとこさ着工して以来、
結構やることがたくさんで複雑で、大変な現場で、
3週間ほどかかって。


無事、竣工しました。


例によって、ちゃんとした写真をアップできないけど;




奇しくも、
その日(二十日)は、お施主さん:ご主人の、
お誕生日でした。


バースデーディナーに、間に合って良かった;






今回は、
自分でも、「100%!」「上手くいった!」
と、
大手を振って喜べる“庭”が、出来たと思います!


っていうのは、

お施主さんと、ほぼ毎日、
密なコミュニケーションのある施工現場だったから、

「是か、否か。」
逐一、確認と調整、修正を重ねながら、出来たから。

それが、効を奏したんだろうな。


「この庭を作っているのは、自分(設計者)じゃなくて、あなた(お施主さん)です。」

っていうのが ハッキリしていたから、

デザイナーという立場の人がしばしば陥りやすい、エゴイズムに
はまる事無く。

どちらかが盲目的に突っ走って、意図がずれたり、
ぶれたり、
衝突したりすることも、ほとんどなく。


 自分はアーティストじゃない。
 自分のアート作品を作ってるわけじゃない。
 自分は手助けをしているだけだ


と、いうことをしっかり念頭に置きながら、現場に「立ち会えた」のが、
良かったんだろうな。

と、思います。




“自分の”庭じゃなくて、
“お客様の”庭をつくるのだから。

今後とも、この点は重々、気をつけていかなきゃな。


と、思います。









帰り路の、すっかり陽の落ちた、
サタデーナイトの混み混みの甲州街道、


紅葉ももはや闇の奥だけど

信号も
車のライトもイルミネーションみたいで、


にじんで、

ほっこり。


ついでに、

カラスウリの実もゲットして、



ほっこり。






夏から、秋、

そして冬。

どんどん登って、昇りっぱなしだったけど、

やっと、

「峠」を越えた。


そんな気がしています。

これからしばらくは、落ち着く気がする。




つーか、

今日(サンデイ)は、すっかり落ち着き過ぎて、
反省するぐらい、どっぷり寝過ぎた。


部屋に掃除機かけられたから、良しとしよう。

(ところで、今回ちらちら上がっている本文と無関係の写真は、
 マイルームにひしめいている“森”たちです。)




でも、


「峠」ってのは、
確かに「てっぺん」であり、
山頂のようだけど、

ゴールじゃなくて、

その後は、ちゃんと、降りて行かなきゃいけない。
元の高さに、帰って行かなきゃいけない。




で、

山は、連なって続いていて
道は、連なって続いていて、

次なる峠に、向かって行く。

大なり小なりのアップダウンを繰り返しながら、
また、昇って行く。

たまに、温泉に入ったりして、休みながら ♨

ぐんぐんと。







さて
この山道は、どこまで連なっているんだか、
先は見えないが。

人生って、長いハイキングのような。

ゴールの無い、旅のような。










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