歌庭 -utaniwa-

“ハナウタのように:ささやかで、もっと身近な・気楽な庭を。” ~『野口造園』の、徒然日記。

新しい月に向けて/オークの庭

2013年02月03日 | 仕事 -work-
1月最終週。

満月明けの朝は、ささやかな雪化粧で始まった。





細かい、小さな、軽い雪。





この雪は、朝のうちに融けて逝った。





この日より、自分も、現場施工開始。


一週間前は



やっと土が入ったところだった。
その後じわじわ



ハード系の工事が進んでいた。



いつものように、曲線が多いデザイン。
肝心な曲線のライン出しは、自分が必ず調整する。

感覚的なものだが、数センチずれているだけでも、なんというか、「気持ち良さ」が違う。歴然と。
あっちをもうちょい出して、こっちをもうちょい引っ込めて。



極まった。



レンガを積んで行く。

そんなこんなで



ハードのラインが 大方出来て来た頃合いで、
ソフトの段階へ。




植栽。

植物の植え込み。すなわち、
自分の出番。




木を入れると、突然立体感が生まれる。



初日は大モノまで。

同時進行で、建物の中も、外も、動いている。




夜。



月が異様に明るかった。

ここんとこ毎日満月なんじゃないかというような、真ん丸な明るさ。




火曜。



花モノを植えて行く。



5時を回ってもまだ明るい。

日が長くなった。

夜。




またしても、
月が明るい。

家に帰れば、



バラのつぼみの2つ目がぐんぐん開いている。




水曜



目地が入る。

フロント塀が出来た。

自分は、追加の植栽植え込み。




あっというまに夕暮れに。





木曜。

今週末に一件プレゼンが控えているので、午前中は事務所でプランニング作業。

午後、現場へ。



日当りの様子を見て、



ハナユ(ユズ)とギンモクセイの位置を入れ替えたり。




ずいぶん出来て来た。



しかしまだ、終わっていない。



お施主さんの希望で、メインはハーブガーデン。

宿根草のボーダーガーデン。
なので、今の時季は、みんな小さいし、どうしても地味になる。

けど、写真を撮らなきゃいけないので、そこをなんとか。



なかなか悪くないんじゃないかな。と、思う。



しかしまだ、終わっていない。





シンボルツリーは



4mのピンオーク。

この集合住宅の主木材が、オークだから。


なにげに、
明日がリミット。間に合うのか?間に合うのか?

あちこちのあれやこれやが終わっていない。

月は



つぶれて来た。

やっぱり異様に明るい、琥珀色の月だった。



金曜。




グラベル(砂利)がやっと入る。





締まる。

弊社の奥でずっと鎮座していた、アンティークのでかいバードバスが



やっとお嫁に。





表札が、


取り付けられる。

アイアンの、アンティーク調さび仕上げ。
現場の職人が手一杯なので、アイアン作家さんご自身に取り付けもお願い。

バーナーで焼いて仕上げていた。



良い。

その他、

立水栓とか



中央の‘花の小島’を突っ切る道に仕切りを仕込んで、ウッドチップを敷くだとか



室外機カバーの高さ調整だとか、
土の表面にバーク堆肥をマルチングだとか、
木酢液希釈水を撒いたりだとか、
色々。

そんなこの日は、

とても暖かかった。





理想としては、今日終わりたかったんだけど、
あれやこれやが終わらず、




夜になってしまふ。

残された時間は、
引き渡しの明日・午後2時まで。

というか、
もうこの日から、2月になっていた。

週末のプレゼンのため、残業ついでに帰るのを辞める。

生暖かい、バタバタと騒がしい、
春一番のような風が吹いていた、その夜。




土曜。

ついに、ほんとのリミット。



あたたかい、心地好い朝を迎える。








朝一、新規別件の打ち合わせへ。
焦りを抑えつつ。






再び、現場へ。

洗い作業が始まっていた。



駐車場、出来。



というか、全部一応、出来上がり。


正面。


メイン入り口から。


タイサンボク'リトルジェム’なめで、庭を垣間見る角度から。
自分が気に入っている角度。


もっと手前の、門塀から奥を垣間見る角度。


アイアン文字の色味・質感と、アンティークのレンガ塀と、そこに落ちる木の陰との調和具合が、
うまくいったな、とほくそ笑んだポイント。






花もろもろ。
もっと豪勢になる初夏が、待ち遠しい。



バードバスからウッドチップの小径。


角のギンモクセイ。



この日やっと立った、英国アンティークの外灯。を、囲むエリア。


立水栓。


この庭の花の、一番重要なカラー、白+ピンク+青。



毎回、なるべく自分にとっての「初挑戦事項」を組み込んでいる。

今回の‘初モノ’は、照明計画。複数のガーデンライトの配置。
わからないことだらけだった。わからなくて時間がかかって、腹が立った。
結局、ほとんど電気屋さんに助けてもらった。

そんな感じで、



出来た。

年間メンテナンスも任された。これが一番、嬉しい。
自分が誕生に携わった庭の成長を見守れる事、
竣工の瞬間から始まる、長い年月を寄り添う事が出来るのは、
とても嬉しいし、ありがたい。



清々しい空だった。

この日、日中は20度近くになった。

この現場の隣には、2年前に手がけた集合住宅の庭があって、



ロウバイが、やっと、咲いた。


昨日の晩の荒ぶれた暖かい風と、この日の春の陽気さ。
ところが、
立春以降に吹いたやつでないと、「春一番」とは認定しないらしい。

でも多分、「春一番」だったんだと思う。


今年は季節が遅れ気味だ、、と思いきや、の、急展開。


この夜、
秋田からやってきた友人と、久々に会って、
いつもの馴染みの居酒屋さんで呑んで食べて。

帰りに、見つけてしまった。



梅。

ちょっと早過ぎ、拍子抜け。
梅にはまだ、心の準備が出来てなかった。
すぐ頭の上にあるライトの所為だろう。

それから、



菜の花・・・。

野川沿いのサイクリングロードは、ちょっと早い。




日曜。

朝からバタバタ、プレゼンのための見積とプランと絵の仕上げ、

ギリギリ間に合わせて、プレゼン。


これはちょっと、だめかもな、、とうっすら思ってたけど、

前向きに進んだ。




ほっと一息ついた、夕方。

事務所の庭の一角に目をやると、



ネコヤナギの花が咲いて居た。

たしか一年前、
切り花で買って来て、庭先のバケツに突っ込んだまま 放置して、

春が過ぎ夏が過ぎ秋が過ぎ冬を迎え、
今に至る、
ネコヤナギの切り枝から。


、、強いな。と、感心する。





小春日和を忘れさせるように、
夜、また冷え込む。

しかし、余韻の湿度が残っている。
春を感じさせる湿度の、気配。



そういえば、
節分だったようだ。

ということは、
明日が、立春。ということになる。


そして、一週間後。

目下、どんどん潰れて細くなっている月が 朔となり、

新月の朝。


「旧正月」を迎える。



最新の画像もっと見る

post a comment