温泉・松茸ツアーと銘打った二泊3日のドライブ。露天の秘湯Lussier温泉に立ち寄り入浴したあとは、その夜の宿泊地、洞窟風呂で知られたAinsworth Hot Springsめがけてひた走り。
これまたカルシウム、鉄分を豊富に含む源泉かけ流しの名湯です。U字型に30メートルほど続く洞窟内は泉温43度の熱気が充満し、ほぼサウナ状態で、10分も浸かっていると顔から汗がにじみ出てきます。38度の温泉プールが生ぬるく感じられるくらいの温泉らしい温泉です。プールに身体を沈めて熱気を冷ましてから二回目の洞窟サウナに挑戦。今度は45度くらいの源泉を頭の先から肩にかけて「打たせ湯」でご機嫌です。頭のてっぺんからつま先まで、折角全身にまとわりついた温泉をシャワーで流し落とすのは「愚の骨頂」と生噛りの知識をひけらかし、一人だけシャワーを浴びずに出てきて得意顔の私でした。
翌日の最終日はいよいよ今回の旅行のメインイベント松茸狩りです。当地に住む日本人の多くが楽しみにしている松茸狩りのメッカは、NakuspからRevelstokeを結ぶ州道23号線沿いの松林です。それぞれに秘蔵のスポットがあるらしく、なかなか具体的に教えてくれる人が少ないのですが、江戸っ子Hさんに昨年連れて行ったもらったスポットを私は惜しげもなく友達に教え、知ったかぶりの先輩ヅラをして松林に入り込みました。
去年より雨量が多かったのか、松林の中は去年より良い感じに湿り気が増していて、苔の生え方が大漁を予感させてくれます。ところが・・・・、どうやら先人が掘り出した跡とおぼしき大きな穴がそこらじゅうにポコポコ空いているではありませんか。週末に狩り採られた跡らしく、火曜日に来た我々は残り物を漁る惨めな結果となりました。
北朝鮮や中国からの松茸輸入が激減している日本向けにカナダ産松茸が脚光を浴びていることが背景にあるのかどうかは不明ですが、松茸を買い取る業者が増え、シーズン中はかなりの数の松茸ハンターが出没すると聞きますので、競争は厳しくなっているのは間違いありません。
半ば諦めかけて「来年は金曜日に来よう」なんて泣き言が出だした、そんな時、一緒に行った松茸狩り初体験のKさんが3本続けて発見!自分のボーズは棚に揚げ、我がことのようにみんなで大喜びをしました。旅行の打ち上げは松茸をふんだんに入れた「すき焼き」と決めてあったからです。
「ふんだん」が「それなり」に変わるだけであることに安堵して帰路に就いた道すがら、K夫人が「あっ、クマ!戻って!」と絶叫。Uターンしてみると、なんと我々が夢中になって松茸探しをしていたスポットから一キロと離れていない道路わきの斜面に中型のブラウンベアーがノソノソと餌探しをしている姿を目撃。考えてみれば、クマだって食べる松茸を夢中になって採る我々は、森の先住民たるクマの食生活を脅かす競争相手。松林の中で出会わなくて良かったと胸をなでおろすと共に「自然の近さ」を再認識したことでした。
来年は金曜日にクマ除けの鈴を持って出直そう!!