日頃よく行くショッピングセンターの真向かいに仏教のお寺さん( Kelowna Buddhist Temple)があるのには気がつきませんでした。それもそのはず、静かな住宅地の景観に合わせるような普通の建物です。脇の入口に掲げられた表札がなければ、それと気がつきません。他で見かけるキリスト教会以外の寺院が、いかにもそれらしく装って存在を誇示しているのに比べると、この仏教会館のなんと奥ゆかしいたたずまいでしょうか。そこに集う日系カナダ人の人柄や生活ぶりまでが偲ばれます。
浄土真宗大谷派のこのお寺さんに日蓮宗徒のはしくれである私が顔を出すのはちょっと気が引けもしましたが、7月中旬の週末に年中行事の一つの盆踊りがあると聞きお邪魔してきました。
お盆の法要を済ませた後の会館内のホールでは宗徒のみなさんが和やかに会食しているところで、こちらの顔を認めた知人が中に入るように勧めてくれましたが、さすがにそれは辞退して、盆踊りの舞台となる会館敷地に提灯をつるしたポールを立てたり、椅子を運び出したりする準備作業を、野次馬根性丸出しで興味深々と眺めながら盆踊りのスタートを待ちました。
お揃いの青い半纏を着た、どこの町内会にもいそうな、70前後のいかにも世話好きそうなオジサンが一生懸命立ち働いています。後でわかったことですが、このオジサン、実は檀家のなかでの実力者で盆踊り実行委員長のような役回りの偉いさんだったのです。日本語を普通に操り、あの風貌からカナダ人そのものの英語が聞けるとはちょっと驚くほどに、それほどに日本的な、町内会のオジサン的な見てくれの人であっても、2世か3世の日系カナダ人なんだから至極当然なんですがね。
祖国日本でもそうですが、我々の親の代くらいまではお寺とのお付き合いも濃く、先祖をまつる風習が日常生活に溶け込んでいたのを感じます。核家族の進行と労働人口の都市集中から、いわゆる「田舎」の風習としてのみ存続し、都会に住む者にとっては田舎がだんだん遠くなるにつれて、冠婚葬祭の「葬」のとき以外でのお寺さんとの付き合いが遠のいて来ている気がします。
ここケロウナでも日系4世が所帯の中心になりつつあり、仏教会を支えるに熱心であった2~3世の後を受け継ぐ若い世代が少ないのが心配の種だと聞かされました。親子同居の大家族はなくても、親子孫3世代が近くに住んでいて常に行き来している様子を見れば、家族の絆は祖国都市部でのそれよりかなり強いと思われます。我々が子供のころに見た「田舎」がまだケロウナの日本人社会には残っている感じがします。
2世世代の宗教活動への関与を見て育った3,4世、その子の5世へと、ほそぼそながら伝わって行く様子が今日の盆踊りを見て感じられました。
飛び入りで踊れと勧められて踊りの輪に入って、見よう見まねで誤魔化す我々を尻目に、毎年の盆踊りで身につけたに違いないスムーズな身のこなしで踊る4~5世の若者に、説法や法事以外に展開する仏教会活動の広さ・深さを感じ取った気がしたからです。
浴衣、祭り半纏にとどまらず振り袖までのあらゆる和服を総動員しての盆踊り。子供も中供もサンダルやスニーカーで屈託なく、且つかなり真剣に踊る盆ダンス。
天を衝くような大男のご住職さんが作務衣姿で子供たちと楽しそうに踊っていたのが印象的でした。
浄土真宗大谷派のこのお寺さんに日蓮宗徒のはしくれである私が顔を出すのはちょっと気が引けもしましたが、7月中旬の週末に年中行事の一つの盆踊りがあると聞きお邪魔してきました。
お盆の法要を済ませた後の会館内のホールでは宗徒のみなさんが和やかに会食しているところで、こちらの顔を認めた知人が中に入るように勧めてくれましたが、さすがにそれは辞退して、盆踊りの舞台となる会館敷地に提灯をつるしたポールを立てたり、椅子を運び出したりする準備作業を、野次馬根性丸出しで興味深々と眺めながら盆踊りのスタートを待ちました。
お揃いの青い半纏を着た、どこの町内会にもいそうな、70前後のいかにも世話好きそうなオジサンが一生懸命立ち働いています。後でわかったことですが、このオジサン、実は檀家のなかでの実力者で盆踊り実行委員長のような役回りの偉いさんだったのです。日本語を普通に操り、あの風貌からカナダ人そのものの英語が聞けるとはちょっと驚くほどに、それほどに日本的な、町内会のオジサン的な見てくれの人であっても、2世か3世の日系カナダ人なんだから至極当然なんですがね。
祖国日本でもそうですが、我々の親の代くらいまではお寺とのお付き合いも濃く、先祖をまつる風習が日常生活に溶け込んでいたのを感じます。核家族の進行と労働人口の都市集中から、いわゆる「田舎」の風習としてのみ存続し、都会に住む者にとっては田舎がだんだん遠くなるにつれて、冠婚葬祭の「葬」のとき以外でのお寺さんとの付き合いが遠のいて来ている気がします。
ここケロウナでも日系4世が所帯の中心になりつつあり、仏教会を支えるに熱心であった2~3世の後を受け継ぐ若い世代が少ないのが心配の種だと聞かされました。親子同居の大家族はなくても、親子孫3世代が近くに住んでいて常に行き来している様子を見れば、家族の絆は祖国都市部でのそれよりかなり強いと思われます。我々が子供のころに見た「田舎」がまだケロウナの日本人社会には残っている感じがします。
2世世代の宗教活動への関与を見て育った3,4世、その子の5世へと、ほそぼそながら伝わって行く様子が今日の盆踊りを見て感じられました。
飛び入りで踊れと勧められて踊りの輪に入って、見よう見まねで誤魔化す我々を尻目に、毎年の盆踊りで身につけたに違いないスムーズな身のこなしで踊る4~5世の若者に、説法や法事以外に展開する仏教会活動の広さ・深さを感じ取った気がしたからです。
浴衣、祭り半纏にとどまらず振り袖までのあらゆる和服を総動員しての盆踊り。子供も中供もサンダルやスニーカーで屈託なく、且つかなり真剣に踊る盆ダンス。
天を衝くような大男のご住職さんが作務衣姿で子供たちと楽しそうに踊っていたのが印象的でした。