星さんぞう異文化きまぐれ雑記帳

異文化に接しての雑感を気ままに、気まぐれに

ケロウナ便り(96) 盆ダンス

2009年07月26日 14時53分04秒 | Weblog
日頃よく行くショッピングセンターの真向かいに仏教のお寺さん( Kelowna Buddhist Temple)があるのには気がつきませんでした。それもそのはず、静かな住宅地の景観に合わせるような普通の建物です。脇の入口に掲げられた表札がなければ、それと気がつきません。他で見かけるキリスト教会以外の寺院が、いかにもそれらしく装って存在を誇示しているのに比べると、この仏教会館のなんと奥ゆかしいたたずまいでしょうか。そこに集う日系カナダ人の人柄や生活ぶりまでが偲ばれます。

浄土真宗大谷派のこのお寺さんに日蓮宗徒のはしくれである私が顔を出すのはちょっと気が引けもしましたが、7月中旬の週末に年中行事の一つの盆踊りがあると聞きお邪魔してきました。

お盆の法要を済ませた後の会館内のホールでは宗徒のみなさんが和やかに会食しているところで、こちらの顔を認めた知人が中に入るように勧めてくれましたが、さすがにそれは辞退して、盆踊りの舞台となる会館敷地に提灯をつるしたポールを立てたり、椅子を運び出したりする準備作業を、野次馬根性丸出しで興味深々と眺めながら盆踊りのスタートを待ちました。

お揃いの青い半纏を着た、どこの町内会にもいそうな、70前後のいかにも世話好きそうなオジサンが一生懸命立ち働いています。後でわかったことですが、このオジサン、実は檀家のなかでの実力者で盆踊り実行委員長のような役回りの偉いさんだったのです。日本語を普通に操り、あの風貌からカナダ人そのものの英語が聞けるとはちょっと驚くほどに、それほどに日本的な、町内会のオジサン的な見てくれの人であっても、2世か3世の日系カナダ人なんだから至極当然なんですがね。

祖国日本でもそうですが、我々の親の代くらいまではお寺とのお付き合いも濃く、先祖をまつる風習が日常生活に溶け込んでいたのを感じます。核家族の進行と労働人口の都市集中から、いわゆる「田舎」の風習としてのみ存続し、都会に住む者にとっては田舎がだんだん遠くなるにつれて、冠婚葬祭の「葬」のとき以外でのお寺さんとの付き合いが遠のいて来ている気がします。

ここケロウナでも日系4世が所帯の中心になりつつあり、仏教会を支えるに熱心であった2~3世の後を受け継ぐ若い世代が少ないのが心配の種だと聞かされました。親子同居の大家族はなくても、親子孫3世代が近くに住んでいて常に行き来している様子を見れば、家族の絆は祖国都市部でのそれよりかなり強いと思われます。我々が子供のころに見た「田舎」がまだケロウナの日本人社会には残っている感じがします。

2世世代の宗教活動への関与を見て育った3,4世、その子の5世へと、ほそぼそながら伝わって行く様子が今日の盆踊りを見て感じられました。

飛び入りで踊れと勧められて踊りの輪に入って、見よう見まねで誤魔化す我々を尻目に、毎年の盆踊りで身につけたに違いないスムーズな身のこなしで踊る4~5世の若者に、説法や法事以外に展開する仏教会活動の広さ・深さを感じ取った気がしたからです。

浴衣、祭り半纏にとどまらず振り袖までのあらゆる和服を総動員しての盆踊り。子供も中供もサンダルやスニーカーで屈託なく、且つかなり真剣に踊る盆ダンス。

天を衝くような大男のご住職さんが作務衣姿で子供たちと楽しそうに踊っていたのが印象的でした。


ケロウナ便り(95) スペイン語教室(3)

2009年07月23日 00時09分04秒 | Weblog
今日はナンシー・ロペス先生ではなく、体調の回復した旦那さん、セニョール・マルチネス先生の受け持ちに戻りました。初級講座から受講する旨の了解を事前に得るため、今日も少し早目に登校して先生とスペイン語会話の時間外実践編を抜け目なくやらせてもらいました。

どうもここのスペイン語教室は融通無碍というか、担当の先生に運営は全面的に任されているようで、セニョールからも「初級、中級、上級の三クラス編成を予定したが中級の生徒が少ないので初級、中・上級の二クラスにすることにした。どちらに出ても、今季は受講料は無料でOK」とのご発言。

すでに受講料は払い込み済みであり、いまさら無料と言われても・・・。話が込み入ってきたので英語でそれを説明すると、「ああ、それじゃ仕方ないね」てな反応です。ナンシー・ロペスに比べて英語力がやや劣るセニョールとの英会話では、どうもここら辺の微妙な意思の疎通は消化不良気味と言わざるをえません。さりとてスペイン語ではもっと無理だし・・・。

いずれにしても、2クラス分の受講料を払ってあるのだから、新編成の2クラスに堂々と参加できることだけは間違いのないことが確認され一安心です。

一時間目の初級教室の生徒は、前回会った留学生T君、超初級のオジサン(John)の他にクロアチア人の青年とオランダ系カナダ人の女性、それと私とで5人。先生の用意したプリントに沿って授業が進みます。中身は2年前の留学時のおさらいみたいなものですから、こちらは余裕綽々。みんなが必死にペンを走らせてメモを取るのを横目で見ながら、次のクラスへの助走を始めたような心境でした。

引き続き二時間目のクラスに残ったのは留学生T君と勤勉な私の二人だけでした。二時間目からの参加は前回出席者のうちの中級男性(Henry)と上級女性の二人で、これまた合計5人の少人数教室です。

「中・上級クラス」の中身について「限りなく中級に近い上級」と期待した私の読みは見事に外れ、「中級への配慮はほとんど無しの上級クラス」とでも言うべき授業内容に目の前が真っ暗になりました。

今日の授業はラテン語系CNNニュースのビデオを聞いて、観て、その内容を説明し合う、私にとっては10年も20年も早い、夢のような高度な内容です。ビデオはせいぜい2~3分、会話部分もテキストにして1ページに収まる内容ですが、何度聞いてもチンプンカンプン。知った単語が時々出てくるのに感動を覚えるような体たらくです。

純正上級の女性二人が発言の7割を占め、中級Henryが頑張って1割しゃべり、先生が2割近くの補足をするパターンというのがおよその姿です。T君はさすが現役学生、分からないながらも苦しみもがいても発言に努力する健気さがあります。かくいう私はのっけから諦めて「よくわっからな~い!」の連発です。

一時間目の優越感が吹っ飛んで、針の筵の二時間目、奈落の底にまっしぐらです。

「中級未満」を最初から自分で宣言しているし、純粋中級クラスが編成できなかった先生の負い目もあってか、この劣等生に対してもセニョールは寛大にニコニコと接してくれます。こちらもニコニコで誤魔化すのはお手のもの。ニコニコで応えます。

有難いことに、こんな劣等生クラスメイトに迷惑そうな顔をする人は皆無だし、時々「このスペイン語と同じ発音をする日本語の意味はこれこれだ」なんて余計な茶々を入れると、「いいこと聞いた、面白い!」と真面目に反応してくれる、本当に良いクラスメイトに恵まれています。

本当は習いたかった「中級スペイン語」、今回は無理なようですね。初級で思いっきり優越感に浸り、その勢いと余韻で上級での針の筵をやり過ごすのが今夏の「スペイン語教室@ケロウナ」のパターンであるようです。

ケロウナ便り(94) 山火事続発

2009年07月22日 06時36分51秒 | Weblog
ケロウナ市周辺の住宅地・山林3か所でwild fire(山火事)が発生し、現在も鎮火に至っていません。いずれもオカナガン湖の西岸ですが、東岸にある我が家からも煙の立ちあがるのがさほど遠くなく目視でき、いつもは抜けるような青空が、ここのところ煙が覆いかぶさってうす曇り状態となっています。住宅地で数軒の家屋が焼失したものの、迅速な避難で死傷者は出ていないとのことです。消防の近づけない山林などでは鎮火までに2~3週間かかることが多いようです。

BC州の森林の多くで松食い虫(pine beetles)が繁殖し、被害を受けて立ち枯れる松が多く、遠くからは赤茶けた枯れ木と緑のタペストリーのようにすら見える惨状です。ケロウナ周辺の森林も例外でなく、ここ一カ月雨らしい雨も降らず乾燥し切って、折からの強風で枯れ松の摩擦熱で自然発火したとの推測です。尤も、住宅地の出火は放火の疑いもあるようで、当局で調査中とのことですが。

3件の火災が同時発生した7月18日には、ケロウナから200キロほど離れた田舎町へAir Showを友達Kちゃんと観に行き、帰りに途中でゴルフをしてご機嫌で家路に就いたところへKちゃんの奥さんから「帰り道の途中で火災発生につき要注意」の連絡が入ったのです。途中に何の標識もなかったのでそのまま前進。Kちゃんの家まであと数キロの地点に至ったところでハイウエイが封鎖されています。

近くの住人なんだから例外的に通してくれるかもとの期待から、警官の心証を良くしようと必要以上ににこやかな態度で聞いてみました。

「あと5キロ先の住人で帰宅するだけだから通れませんかねぇ?」
「被災地の住人と道路を利用する市民の安全のために封鎖しているので例外は無し」
「じゃどういすればいいんですかねぇ?」
「封鎖が解除される見通しは無いので、急ぐならば迂回路をお勧めする。」
「っていうことは???」
「Kamloops、Vernon経由の北回り迂回路350キロおよそ5時間、またはOsoyoos, Rock Creek経由の南回り迂回路300キロおよそ4時間。こんなところかな?」

いとも簡単に言ってくれます。でも実際問題、これしか選択の余地のないことは我々も承知していたので引き下がるしかありません。

♪おうちがだんだん遠くなる~♪ 呑気に歌っている場合ではありません。5キロ先の家に帰るのに300キロも迂回するなんて不条理は許せません。今日はすでに400キロくらい走っているし、これから鹿が飛び出す危険のある夜道を300キロも走るのはやめにして、明日には封鎖解除されるだろうから、今夜は沿道のモーテルにでも泊まろうと相談。

想定外の出費に備えて「じゃホテル代を作ろう!」「確かここにカジノがあったよな」。「火事」から「カジノ」を連想する豊かな想像力というよりも、不謹慎と言えば不謹慎な談合です。幸運にもホテル代は作れたものの、夏休み中の週末リゾートとあって、迂回路の沿線どこのホテル・モーテルにも空室が無いのです。

「もう少し先に行ってみよう」の連続が結局300キロ続き、カジノで余計な時間をつぶしたこともあって、Kちゃん宅に帰りついたのは翌朝3時を回っていました。

Kちゃんがもっぱら運転し、沿道に鹿の姿を認めたKちゃんが踏むブレーキに、横でもっぱら居眠りしていた私が時々安眠を妨げられたのが、私の被った唯一の被害でした。

結果論ですが、ハイウエイの封鎖が解除されたのは三日後の21日。カジノにもう二晩通ってスッカラカンにならなくて助かりました。

Kちゃん、本当にお疲れさま!

写真は地元紙から拝借しました。

ケロウナ便り(93) スペイン語教室 (2)

2009年07月18日 01時16分05秒 | Weblog
メキシコの女子プロゴルファー、ナンシー・ロペスを彷彿させる陽気な先生も、この玉石混交教室をどう進めようかと思案している様子です。

生徒のばらつき具合にさすがの先生も狼狽して、「ところで、みなさんは過去形の勉強は終わっているわよね?」とつっこむ。上級者は「もちろん!」との自信に満ちた反応。私を含め中級を任ずる2~3人は「終わっている・・と思う」、初級者は自信を持って「とんでもない!」。

そんなばらばらの反応にもめげず、先生は健気にも三種類の規則動詞の過去形の活用のおさらいを始め、「規則動詞の活用はこの三つのパターンさえ覚えればいいんだから楽なもんでしょ。スペイン語は思ったほど難しくはないものよ!」とクラスに活を入れようと必死です。

初めて聞く話を熱心にノート取る初級者、「そういえば習った気がするよな」と記憶を呼び戻すに必死の中級者、黙ってうなずく上級者。ここでも反応はまちまちです。

「今日は先生が病気気味でもあるし、2時間目の中級クラスと3時間目の会話教室を一緒にして短縮授業にしましょう」と来た。空気を読み切って上手く逃げ切った感じですね。ここでもTodo es posible(なんでもあり)って感じです。

話題を先生が提供して、あとは生徒から出る意見に質問したりコメントを加えたりと、大学で教鞭をとる先生にしたら慣れた方式に切り替えです。

いきなり「マイケル・ジャクソンの死についてどう思う?」と飛び出しました。
上級者からは死因について、その後の遺産相続トラブルについてと、それらしい意見の開陳があった模様です。(悲しいかな、確信が持てずに「模様」どまりなのが中級の中級たる所以です。)

似非中級者の私は「日本でも大人気のマイケルの死はマスコミを賑わしているが、私個人としてはあまり関心はない」と言いたかったのですが、そんなことを言える実力があるはずもなく、「マイケルが好きであるわけではない。ゆえに、彼の死についてもさほどのコメントはない」が精一杯。超初級者からは「俺に質問しているわけ?」と反対に先生が聞かれる始末です。

弱者への思いやりからか、個人の意見を尊重するゆえか、初級者や中級者の低レベルのやりとりを目の当たりにしながらも、クラス運営の仕方に上級者が不満の色を表に出さないのです。それどころか初・中級者のブロークンスパニッシュを何とか理解しようと努め、中身に付いて真面目に質問するのです。

料理の話題になったとき、留学生T君が「得意料理は寿司」と発言したことからご飯の炊き方、味噌汁の作り方と話が進み、「朝昼晩と三食ご飯を食べるのは飽きないか?」「ご飯はパンみたいな主食。おかずに朝なら生卵、納豆、昼ならどんぶり、夜はもう少しヘビーな副食・総菜などで変化をつける」なんてやりとりをしながら授業が進むのです。

上級者は自分の意見は流暢なスペイン語で述べながらも、他人のカタコトスパニッシュにも、いやな顔一つせずに辛抱強く耳を傾けているのです。「おいおい、ちゃんと実力に応じてクラス分けしくれないの?」なんて野暮な文句や雰囲気は微塵も感じられません。

いろんな人種が混在している社会でのコミュニケーションに慣れっこになっていて、この程度のことには寛容なのだろうかと想像しています。

スーパーのレジで長蛇の列をしり目に1人の客と長話をしていても、他の客が文句を言わないのは、自分も同じことをするからと、寛容なのでしょうかね?

初級レベルは一応終わっているものの、改めて厳密な「中級講座」を学習するというよりも、なんとなく「一つ上のレベル」のスペイン語に接したかった私には、期せずして打ってつけのクラスの雰囲気であることに、ある種の安堵を感じています。

来週は10週間の授業のうちの第四週です。どんな風に展開してゆくのか、楽しいような、怖いような・・・。

20代の若者に倣い、中級者の驕りを捨てて、来週からは一時間目の初級講座にも顔を出してみようかと思っています。 Por que todo es posible.

ケロウナ便り(92) スペイン語教室 (1)

2009年07月17日 11時08分37秒 | Weblog
すでにスタートしている講座への途中編入でもあり、不案内な場所でもあるので、敵情視察を兼ねて始業時間より30分ほど早めに出向いてみました。

教室のドアは半分近く開かれていて、中からは甲高い声のスペイン語が聞こえてきます。ドアの隙間から教室をちらっと覗くとアジア系の若者ひとりとカナダ人の数人の男女が目に入りました。二年前のアルゼンチンでの初級講座を思い出しながら、「やってる、やってる。悪いけど俺はこのレベルは終わってるんだよね。」と変に自信が湧いてくるから不思議です。

初級が終わって中級のクラスが始まる時刻になったので、やや緊張しながら教室に入ると、初級の連中が退室する気配がありません。一番奥に座っている小太りした中年のおばさんが、にこっとして「いらっしゃい、お名前は?」と甲高い声で迎えてくれました。生徒は一斉にこちらを向いて「あんた誰?」の視線を投げかけます。「星さんぞうと申します。よろしく。」とは言えたものの、「今日から編入させてもらいます。アルゼンチンへの留学経験ありで、初級は終了しています」とは言わずじまいでした。「言わなかった」のではなく「言えなかった」がより正確ですが。

本来はコスタリカ出身のご主人が講師のところ、今日は体調を崩しているのでチリ出身の奥さんがピンチヒッターで登板とのことです。生徒かと思ったら、ご主人も教室には来ていて、一緒に奥さんの話を熱心に聞いています。

初級クラスからそのまま残っている生徒が男4人に女一人。アジア人は大阪からケロウナのカレッジに留学中のT君と判明。T君は分厚いスペイン語教科書を持っていて、カレッジでも初級スペイン語を履修中の現役学生。40代後半~50代と思われる男性二人のうち一人は旅行用のスペイン語会話本を片手にカタコトエスパニョールを使いこなす語彙はありそう。もう一人は「何か新しいことに挑戦したかったから」と受講の動機を英語で説明する完全な「初級者」。もう一人の男性は二十代の若者で、前に初級は勉強したので今度は中級に挑戦とのこと。動機、立場、実力は私に近い感じ。でも、初級から参加しているとは見上げたものである。

「アラサー」と思われる紅一点は、カレッジでスペイン語を勉強し、メキシコに半年語学留学の経験があるのになぜか初級クラスにいる。問いただして(もちろん英語で!)みたら、今日のピンチヒッターが実はカレッジでのスペイン語の恩師だそうで、それを事前に聞いて飛び込んできたらしい。

中級クラスが始まる時間になってアラフォーらしき3人、もう少し先輩の女性1人が登場。彼らの話しっぷりを聞いていると中級はとっくに卒業した「上級者」としか思えないのに何故か中級を受講しようとしている。この後に続く3時間目の「スペイン語会話」の生徒なのかもしれないな?

要するに正真正銘の初級者から、かなりの上級者を含む10人ほどの生徒が入り混じっているんです。

「どうなっちゃうんだろう?」

ケロウナ便り(91) 生涯教育

2009年07月09日 01時34分22秒 | Weblog
60の手習いで始めたスキー、古文書解読、囲碁、スペイン語、韓国語。どれもこれも中途半端な食い散らかしの域を出ていませんが、ひょっとしてもう少しましなレベルに一歩踏み出せるかもしれないチャンスが巡ってきました。

ケロウナでは市民の健康増進を主な狙いとしたスポーツ振興のプログラムが豊富に組まれています。児童・青少年対象の各種スポーツ教室、シニアを対象にした無理のない体育系プログラム、身障者対象に特化したスポーツ教室等々。市当局の「スポーツ・レクリエーション課」が主催する、いわば「体育系生涯教育プログラム」とでも言うべきもので、その充実ぶりは目を見張るものがあります。
ケロウナ市サイト

スポーツ系で興味をひかれたのは市内の公園・緑地をウオークするもの程度でしたが、スポーツ系の他にわずかながら「文化・芸術・語学系」プログラムがあり、その中にスペイン語教室があるのが目に入ってきたのです。

2年前にアルゼンチンでホームステイをしながら3週間学んだ「初級スペイン語」が、その後の怠慢からやりっぱなし状態であることが気にはなっていたのです。アルゼンチンのホスト・シスターから時々届くメールやスカイプに怯えている情けない自分からいつか脱却せねばと思いながらも、それらしいチャンスがないのを言い訳に、延ばし延ばしにしていた「やりなおしスペイン語」のチャンス到来です。

7月から8月末までの10週にわたり毎週月曜日一時間の「中級スペイン語」、それに引き続く一時間の「スペイン語会話」。ダメもとで大胆にもこの二つに申込みました。すでにクラスはスタートしていて3週目からの途中編入です。

電話で申し込みを受け付けてくれたオバサンが「中級で自信ある?」って訊くから「べらんめい、こちとら本場アルゼンチンで留学経験ありなんでい!」とは言わずに「とにかく試しに受講してみる」と弱気な発言をした、嘘のつけない私なんです。

ケロウナ市民ではなくvisitorであるが受講資格に問題ないか訊いたらNo problemとのこと。懐の深さに感謝し、2科目8回延べ16時間で67ドルという割安授業料に深謝しながら「旅行者」でない「生活者」の有難さを噛みしめています。

Wish me luck!


ケロウナ便り(90) 早寝早起き

2009年07月08日 22時07分03秒 | Weblog
友人知人の中に、9時過ぎになると眠くなり10時には間違いなくベッドの中という御仁が何人かいます。「そんなバカな!」、何をするでもなくダラダラと起きていて12時前に寝たことなどついぞ記憶にない者としては、いったん布団に入ったら、夜中におしっこに起きることもなく7時間は熟睡する私としては、この種の御仁の生活習慣が信じられませんでした。

と、ところが、私もどうやら仲間入りしたようです。

ウオーキングが健康にもたらす効果、なかでも減量への効果の大きさはカミサンの最近の体重変化を目の当たりにして納得しています。一日一万歩の目標をほぼクリアしているカミサンの「あんたもやったら」との強い指示を、ああじゃこうじゃと理屈並べて逃げて回っていたのですが、ここ2~3日カミサンに付き合って歩いてみました。

日中の気温が30度を超える日が続くケロウナでは、早朝か日没前の涼しい時間帯に歩くしかありません。近所の住宅地を一回りする40分コースか、ゴルフ場の裏山を巡る1時間コースが当面のメニューです。「ゴルフで歩くのにゃ慣れている」とうそぶいていたものですが、速足で歩くと、初心者の私にはこれが結構こたえるのです。戻ってくると疲れが出て妙に眠くなるのです。

早朝一時間コースを歩いた日の午後にゴルフに出かけ、カートに乗ってラウンドしたにもかかわらず、食事して戻った8時過ぎにはどうしようもない睡魔に襲われバタンキュー。結局9時前に寝てしまい、7時間の熟睡を経て翌朝は計算通り4時前に目が覚めてしまったのです。こんなパターンが2~3日続き、9時頃には目がショボショボしてきて、10時に布団に入る習慣が定着してきました。

昨日は10時に寝たのに、今朝は予定の5時より一時間も早く4時に目が覚めてしまい、こうしてブログを書く気にもなりました。早起きは三文の得ですね。

「10時就寝5時起床!6時から一時間の早朝散歩!」 今日から別人28号!!

人を散々そそのかしておいて、カミサンはまだ起きてきません。これから一人で歩いてきます。目指すぞ独り立ち!!

ケロウナ便り(89) 四年目の日常

2009年07月06日 20時35分44秒 | Weblog
ケロウナに長期滞在して夏を過ごす生活も4回目の夏を迎えました。「いらっしゃい」ではなく「おかえりなさい!」とケロウナ在住の友達に迎えてもらえるのは、何とも嬉しいことです。「旅行者」ではなく「生活者」として仲間に加えてもらっているのが実感できます。

思い返せば、一回目の夏は生活に必要なライフラインをゼロから立ち上げながら、目の前のゴルフ場の会員になって狂ったようにゴルフをやりまくった毎日でした。加えて、日本からの友達も千客万来。受け入れに狂奔したカミサンも疲労困憊して、2年目以降の「単身赴任」をほのめかされたことが思い出されます。最初の夏は、今にして思えばガツガツした「旅行者」のスタンスだった気がします。

二年目の夏のゴルフは「平日会員」として、前の夏に比べてペースダウン。ゴルフの「ガツガツ度」も大幅に下がって、ゴルフ以外のケロウナの楽しみ方に目を向ける余裕も出た、旅行者から生活者へのシフトチェンジができた夏でした。

日本とカナダで「二重生活」を続けようとする身にとって、日本の生活で逃げ切れないのが「自治会活動」。3回目の夏は自治会活動の目玉「夏祭り」を済ませてから、しかも夏の旅行シーズンピークで飛行機にも乗れずで、大幅遅延。ゴルフはどこの会員にもならず、気の向いたときに気の向いたコースに出かける風来坊。会費の元を取りたいばかりに日参した初年度が嘘のような落ち着いたゴルフ生活でした。おかげさまで松茸の大漁に恵まれ、秋のケロウナを満喫できました。

四回目の夏ともなると、ライフラインの立ち上げは手慣れたものです。到着日に自動車保険を更新して即運転開始、去年帰り際にゲットして車庫に放置してあったMVP君も健気にも一発でスタート。インターネット・ケーブルテレビも事前手配で即日接続。三か月以上の長期ステイながら、今年も風来坊ゴルファーだから、ゴルフ以外の新たな楽しみ方を発掘する時間があります。

「脱日常」を求める旅行者とは一線を画す生活者としては、「日常」のペースを維持することが肝要と思い極め、今回は日本生活での「日常」を持ち込んでみました。古文書会の読解テキスト、韓国語入門テキスト、囲碁入門テキスト、エトセトラ。ま、気休めに終わることも想定しつつ・・・。

生活者の目で眺めると異文化の中にも自文化との類似点、共通点が目に入ってくるものです。写真はうちの近くの小高い山。姿形がなんとなく富士山に・・・・。
ケロウナ富士と呼んで一人で悦に入っています。